恐るべき子供たち の商品レビュー
外界から切り離された二人だけの世界でこどもの心のまま育ったアガートとポール。強く愛しあいながら同時に傷つけずにはいられない二人の間に他者が介入することで彼らの世界は急速に破滅へ向かう。デカダンな白昼夢を延々と見てるような浮遊感がある。悲しいけどこの異常な愛情の果てには遅かれ早かれ...
外界から切り離された二人だけの世界でこどもの心のまま育ったアガートとポール。強く愛しあいながら同時に傷つけずにはいられない二人の間に他者が介入することで彼らの世界は急速に破滅へ向かう。デカダンな白昼夢を延々と見てるような浮遊感がある。悲しいけどこの異常な愛情の果てには遅かれ早かれ破滅しかなかったんだろうな。やるせなかった。
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うまく大人になれなかった子供たちが、まるっきり子供の感情から来る衝動を大人の知恵?でもって遂行するというか。うまく言えない…(´・ω・`) ポールとエリザベートと過ごしながら、ジェラールは何を考えていたのかとても知りたい。
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うーーーーん。 とても繊細で、不安な気持ちになる。 いずれ迎える死への道が、美しいけど残酷。 ただ、やっぱり古いね。 私には向いてない本。
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子供の純真さ、無邪気さでいられることを、神に許されているかのような姉弟を中心としたお話。 その姉弟が紡ぐ”幻想”は美しく、端から見れば悲劇的な最後であれ、 相も変わらずな美しさで、更に高められ、そして完成へと行き着きます。 その”幻想”・・・ある種の小さな”魔法”といってもいいそ...
子供の純真さ、無邪気さでいられることを、神に許されているかのような姉弟を中心としたお話。 その姉弟が紡ぐ”幻想”は美しく、端から見れば悲劇的な最後であれ、 相も変わらずな美しさで、更に高められ、そして完成へと行き着きます。 その”幻想”・・・ある種の小さな”魔法”といってもいいそれを、感じることが出来るかどうかで、捉え方が変わってくる作品です。 (合わない人は面白くないかもっ>< でも、私は好きですよ。)
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フランスの詩人であり、作家であり、劇作家でもあるジャン・コクトーの初期作品の一つ。 子供たちの内的世界は、外界に存在するあらゆる客観的な価値基準を拒絶する。非論理的で、言葉ではうまく説明できないようなその脆さ、危うさ、美しさは、ある意味で「子供」としての特性であるのかもしれな...
フランスの詩人であり、作家であり、劇作家でもあるジャン・コクトーの初期作品の一つ。 子供たちの内的世界は、外界に存在するあらゆる客観的な価値基準を拒絶する。非論理的で、言葉ではうまく説明できないようなその脆さ、危うさ、美しさは、ある意味で「子供」としての特性であるのかもしれない。そしてそれは「大人」が決して理解しえぬ世界である。 理不尽なもの、不条理なこと、意味が解読できないもの、それらあらゆる「意味をなさぬ」と解釈される「風景」が、不当に扱われたままであるとしたら、このような「子供としての特性」は、未来永劫「子供」のものであり続けることだろう。
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本屋さんで衝動買い。 初めてのコクトー。読みやすかったです。 彼らの世界観はとても魅力的だったけど、 あくまでも懐古的である気がして 彼らの世界にぐっと入り込むことができませんでした。 私が大人になっちゃったからなのかな・・・。
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告白は彼女を偉大にし、美しく見せ、策略の衣を脱がせた。うしろに投げ出された髪の束は、残忍な小さな額をむき出しにした。その額は涙に濡れた眼の上で、広く、建設的に見えた。ただひとり、部屋と手を組んでみんなを敵に廻し、彼女はアガートに挑戦し、ジェラールに挑戦し、ポールに挑戦し、全世界に...
告白は彼女を偉大にし、美しく見せ、策略の衣を脱がせた。うしろに投げ出された髪の束は、残忍な小さな額をむき出しにした。その額は涙に濡れた眼の上で、広く、建設的に見えた。ただひとり、部屋と手を組んでみんなを敵に廻し、彼女はアガートに挑戦し、ジェラールに挑戦し、ポールに挑戦し、全世界に挑戦した。
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お正月におばあちゃんちで読む物が無くなってしまって、廊下の文学全集の中から山師トマ、大胯開き、ポトマックを読んだあとに叔父の本棚からこれ。白黒の挿絵が青白くて怖かった。萩尾望都も読んでいたので最初は話がごっちゃに。。。
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子どもの純粋さが、一途なまでの限られた空間での愛が、凶器へと変わり、何者かをあるいは自分を死へ至らしめる。現実離れしている、と判断をつけようとする理性の一方、どこかで認めようとする自分がいる。
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■目的 娯楽の読書。 「2009 夏の文庫フェア」11冊目。 ■見たもの・感じたもの(テーマ) 神秘と傲慢は人を魅惑する。 身体と精神、善と悪、このアンバランスの魅力。混沌の魅惑美。 本音で生きることの怖さ、非常識さ。偽りのない人間の姿(本音)という「純粋なモノ」の弊害、純粋...
■目的 娯楽の読書。 「2009 夏の文庫フェア」11冊目。 ■見たもの・感じたもの(テーマ) 神秘と傲慢は人を魅惑する。 身体と精神、善と悪、このアンバランスの魅力。混沌の魅惑美。 本音で生きることの怖さ、非常識さ。偽りのない人間の姿(本音)という「純粋なモノ」の弊害、純粋さゆえの残虐性と非常識。 ■感想 無邪気なほどに本音で生きる者、いわゆる「子供」というものは、その純粋さゆえに時に残酷です。 なのに、人間はどこか彼らの純粋さと残虐性のアンバランスに美を感じているところがある。なぜか。 私が持つ、これらの疑問に答えてくれるような物語でした。混沌と破壊の魅惑美、なんでしょうね。 「大人」というものは自分が手放してしまったモノ、彼らの自由奔放な無邪気さに憧れるものなんです。というのは、処世術を身につけた常識人は、本音に蓋をしているわけで、常に嘘をついている。だから、嘘をつかない彼らの純粋さが今の自分を根底から揺るがす憎らしい存在であっても、彼らが残酷であろうと破壊的であろうと、憧れ求める存在、美しく愛おしい存在として目に映る。要するに、「共鳴して心を奪われる、自分の中にアンバランスを自覚する、手放してしまったものへの愛着と憧れという魅力。」この混沌と破壊の魅惑美、なのではないでしょうか。 子供が時として、美の対象となるのはこういう理由なのかなと、妄想させられた作品でした。 メモ:「傲慢さは人を魅惑的にするものである」
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