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第一阿房列車 の商品レビュー

4.1

76件のお客様レビュー

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2021/08/01

用も無いのに急行列車に乗り、遠くを目指す。 何がヒドイってそのお金を借りて行くのがヒドイ。そもそも借金をする場合は、生活の為ではダメなそうで。これくらいの訳の分からない借金の方が借りる方も借りられる方も気兼ねないらしい。 分かるような分からないような、とにかく面白い。 人の気持ち...

用も無いのに急行列車に乗り、遠くを目指す。 何がヒドイってそのお金を借りて行くのがヒドイ。そもそも借金をする場合は、生活の為ではダメなそうで。これくらいの訳の分からない借金の方が借りる方も借りられる方も気兼ねないらしい。 分かるような分からないような、とにかく面白い。 人の気持ちを気遣う繊細さもあるのに、変なトコロで頑固さが出て、淡々とした旅行記なのに全然飽きない。

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2021/04/03

2021年の読書3冊目。 読んでみようと思ったキッカケは、2021年の読書1冊目「車窓はテレビより面白い」(宮脇俊三著)の中で、「われらが先達、内田百閒」と書いてあったから。 誰だろう?どうして先達なんだろう?と気になって読書を中断、Wikipediaを読んでみて納得。 おそらく...

2021年の読書3冊目。 読んでみようと思ったキッカケは、2021年の読書1冊目「車窓はテレビより面白い」(宮脇俊三著)の中で、「われらが先達、内田百閒」と書いてあったから。 誰だろう?どうして先達なんだろう?と気になって読書を中断、Wikipediaを読んでみて納得。 おそらく、当時20代だった宮脇俊三先生が夢中になって読んで、大きく影響されたであろうシリーズ。 それで、読んでみることにしました。 感想 めっちゃくちゃおもしろくて、完全にハマった。 流行りとか他人の価値観に流されず、自分の流儀を貫き通してるのが、とてもいい。 すべての旅に同行してくれたヒマラヤ山系氏についての描写も、とてもいい。 岡山の百間川、空襲で焼け落ちる岡山城、広島では独特のT字型をしていることで原爆を落とす時の目標にされた相生橋。 鹿児島の城山から眺める桜島、八代の松浜軒、等々。 西園寺公望と犬養毅についても、読書を中断してWikipediaを読んだり、ググってみたり。 秋田のしょっつる鍋、きりたんぽ、山形の乃し梅、塩釜の白雪糕(志ほがま)、松島のホテル群の当時と現在のちがい。 気になるたびに1つ1つ、読書を中断してググりまくっていったら、GoogleMapsに保存したマークもたくさん増えました。 岡山出身で東京に来た人だから、東北地方はほとんど知らなかったみたいで、東海道や山陽や九州に比べると東北の章はかなりライトな感じ。 だけど、東北の章のほうがおもしろい。 ヒマラヤ山系氏が同じ旅について書いた「実歴阿房列車先生」(中公文庫)も、もうすぐ届きます。 第三阿房列車の次は、それを読むつもり。 まずは、引き続きで、第二阿房列車を読んでみます。

Posted byブクログ

2021/03/30

列車に乗ることを楽しんでいる。無目的が目的というへそ曲がり的旅行記。そこで出会う人との交流、現代人の忘れているものを思い出させる。今も色あせぬ名著。

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2020/12/18

気軽に旅行できない今の時期にぴったりの一冊。東京を起点に東北から鹿児島まで。こっそり百閒先生の旅に同行している気分になり、自分も長旅から帰ってきたような読後感。実際にお供していたヒマラヤ山系氏は色んな意味で得がたい人。観光名所など巡らない、列車とお酒が好きな人の旅。何もしない時間...

気軽に旅行できない今の時期にぴったりの一冊。東京を起点に東北から鹿児島まで。こっそり百閒先生の旅に同行している気分になり、自分も長旅から帰ってきたような読後感。実際にお供していたヒマラヤ山系氏は色んな意味で得がたい人。観光名所など巡らない、列車とお酒が好きな人の旅。何もしない時間と車窓の景色を楽しむ贅沢。それにしても、車内で、宿屋で、よく飲んでいる。

Posted byブクログ

2020/07/06

著者の縛られることを拒否するパーソナリティがまず魅力です。 それ以上に、車窓から見える景色や旅先での人々とのやり取りをコンパクトな日本語で書きあらわされており、読んでいてとても心地よく感じました。

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2019/02/27

用事がないときに用がないところへ列車に乗っていくというエッセイ。内田氏のどこかひねくれているように見えてある意味筋は通っている物の見方もさることながら、毎回お供に選ばれるヒマラヤ山系氏がこれまたいい味を出していて面白い。山系氏がもし普通の人?だったらこんな旅は3分で物別れに終わる...

用事がないときに用がないところへ列車に乗っていくというエッセイ。内田氏のどこかひねくれているように見えてある意味筋は通っている物の見方もさることながら、毎回お供に選ばれるヒマラヤ山系氏がこれまたいい味を出していて面白い。山系氏がもし普通の人?だったらこんな旅は3分で物別れに終わるのだろうが、どこかぼんやりしているが知り合いも多くそこそこドラマを運んでくるこの塩梅が、物語のような面白さを発揮しているのかも。

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2019/01/03

特別阿房列車(東京・大阪) 区間阿房列車(国府津・御殿場線・沼津・由比・興津・静岡) 鹿児島阿房列車前章(尾ノ道・呉線・広島、博多) 鹿児島阿房列車後章(鹿児島・肥薩線・八代) 東北本線阿房列車(福島・盛岡・浅虫) 奥羽本線阿房列車前章(青森・秋田) 奥羽本線阿房列車後章(横手・...

特別阿房列車(東京・大阪) 区間阿房列車(国府津・御殿場線・沼津・由比・興津・静岡) 鹿児島阿房列車前章(尾ノ道・呉線・広島、博多) 鹿児島阿房列車後章(鹿児島・肥薩線・八代) 東北本線阿房列車(福島・盛岡・浅虫) 奥羽本線阿房列車前章(青森・秋田) 奥羽本線阿房列車後章(横手・横黒線・山形・仙山線・松島) 解説:伊藤整、エッセイ:森まゆみ

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2018/12/08

おそろしいほどに、おもしろいと思うところがなかった。感想としては、面倒くさいオッサンの長旅につきあう山系氏が哀れに思えた…というくらい。

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2018/11/05

「用事がなければどこへも行ってはいけないと云うわけはない。」その冒頭の一文はかねてより知っていた。 百けん先生は、今で言う「こだわり」とも違う、とにかく世間の常識やら他人の都合には流されまいとするが、あまりに意固地を張るでもない、独特のビートでヒマラヤ山系さんと旅をする。台湾の...

「用事がなければどこへも行ってはいけないと云うわけはない。」その冒頭の一文はかねてより知っていた。 百けん先生は、今で言う「こだわり」とも違う、とにかく世間の常識やら他人の都合には流されまいとするが、あまりに意固地を張るでもない、独特のビートでヒマラヤ山系さんと旅をする。台湾の思い出話やら、空襲で焼けなかった町が特筆されているなど、戦争からあまり経っていない時代背景である。それでも、お酒を飲み飲み、ただ電車に乗るばかりの旅をする。 特にこの随筆の良さを感じるのは、作者の視点から書かれているものの、作者が自分自身のダメな感じのところを相対化して書いており、それゆえ他人への眼差しも、うるさいながらもあまり皮肉には感じないところだ。

Posted byブクログ

2018/08/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

内田百閒というと、高校の頃、国語便覧で見たことのある名前ではあるけれど、なんだか取っ付きにくそう、と思っていました。が、好きな作家さんが内田百閒を愛読していたと知ってこれは読まねばなるまい、と本屋さんで手に取り、出だしを読んで購入を即決しました。最初から最後まで本当に面白くて、百閒先生とヒマラヤ山系さんのように、私も無用の旅に行きたくてたまらなくなってしまいました。森まゆみさんの解説に頷きっぱなしでした。 所々に差し挟まれる情景描写もとても美しく素敵でした。特に、球磨川の水を『宝石を溶かした様な水の色』と表現されていたのが印象的で、頭から離れません。

Posted byブクログ