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英仏百年戦争 の商品レビュー

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ジャンヌダルクで有名…

ジャンヌダルクで有名な英仏百年戦争の俯瞰的な歴史を新進の歴史作家が解説。戦史的にも見るべきところが多い戦争ながら、これまで日本ではあまり紹介されてこなかったという点で、資料的な価値も高いといえる。

文庫OFF

黒太子エドワード、ジ…

黒太子エドワード、ジャンヌ・ダルクなどの英雄を生んだ百年戦争。様々な小説、漫画、舞台、映画の題材になっているので基本書として読むには最適です。

文庫OFF

2023/08/17

230 「それは、英仏間の戦争でも、百年の戦争でもなかった。イングランド王、フランス王と、頭に載せる王冠の色や形は違えども、戦う二大勢力ともに「フランス人」だった。また、この時期の戦争は、むしろそれ以前の抗争の延長線上に位置づけられる。それがなぜ、後世「英仏百年戦争」と命名され、...

230 「それは、英仏間の戦争でも、百年の戦争でもなかった。イングランド王、フランス王と、頭に載せる王冠の色や形は違えども、戦う二大勢力ともに「フランス人」だった。また、この時期の戦争は、むしろそれ以前の抗争の延長線上に位置づけられる。それがなぜ、後世「英仏百年戦争」と命名され、黒太子エドワードやジャンヌ・ダルクといった国民的英雄が創出されるにいたったのか。直木賞作家にして西洋歴史小説の第一人者の筆は、一三三七年から一四五三年にかけての錯綜する出来事をやさしく解きほぐし、より深いヨーロッパ理解へと読者をいざなってくれる。」 「「百年戦争」はみなさんもよくご存じのとおり、これはイギリスの圧倒的な軍事力の前に崩壊寸前であったフランス軍が、ドンレミ村で「フランスを救え」という神のお告げを聞いたとされるジャンヌの登場によって大逆転劇を見せる、ドラマティックな戦争でした。しかし実際のところ、ここには大きな認識の誤りが存在していますーぼくたちは現代の価値観やものの考え方を空気のように身に着けてしまっています。その結果、ついつい歴史的な過去の出来事を現代のものの見方によって見てしまうことを往々にしておこなっていしまいます。これは現代の価値観を過去に投影するだけのものであり、過去の出来事のうち、現代の価値観に都合のよい部分だけを買ってに解釈して切り取ってくる行為といえるでしょう。佐藤さんのこの本は、そのような身勝手な解釈とはむしろ逆に、当時の歴史をありのままに描いています。そしてそれが現代世界とどのようにつながるのかを誠実に示してくれるのです。」 (『世界史読書案内』津野田興一著 より紹介) 目次 シェークスピア症候群 前史(それはノルマン朝の成立か;それはプランタジネット朝の成立か;第一次百年戦争) 本史(エドワード三世;プランタジネットの逆襲;王家存亡の危機 ほか) 後史(フランス王の天下統一;薔薇戦争) かくて英仏百年戦争になる 著者等紹介 佐藤賢一[サトウケンイチ] 1968年山形県鶴岡市生まれ。93年『ジャガーになった男』で第六回小説すばる新人賞を受賞。以後、西洋史に材をとった小説を次々に発表。98年東北大学大学院文学研究科(西洋史)を満期単位取得し、作家活動に専念。99年『王妃の離婚』で第一二一回直木賞を受賞

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2022/11/16

初佐藤賢一。英エリザベス女王の国葬を見て英国の歴史に興味を抱き挑戦。 世界史には無知だったので百年戦争といってもイメージがなかったが、ゲルマン民族の大移動から始まるヨーロッパの歴史を踏まえ「英仏戦争はフランス人同士の戦争であった。」ということに納得。国王の名前などの系譜の変遷は覚...

初佐藤賢一。英エリザベス女王の国葬を見て英国の歴史に興味を抱き挑戦。 世界史には無知だったので百年戦争といってもイメージがなかったが、ゲルマン民族の大移動から始まるヨーロッパの歴史を踏まえ「英仏戦争はフランス人同士の戦争であった。」ということに納得。国王の名前などの系譜の変遷は覚えられなかったが非常に興味深い内容だった。名前だけは知っているジャンヌダルクのことも改めてよく分かった。

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2022/06/25

14世紀の中頃、イギリスという国家が存在しなかった時代のイングランド王家は、フランスの政治文化圏に組み込まれていた・・・。フランスの王位継承権と大陸の領土覇権争いが発端となった「百年戦争(1337-1453)」は、イングランドVS.フランスのみならず中世ヨーロッパ諸国を巻き込む泥...

14世紀の中頃、イギリスという国家が存在しなかった時代のイングランド王家は、フランスの政治文化圏に組み込まれていた・・・。フランスの王位継承権と大陸の領土覇権争いが発端となった「百年戦争(1337-1453)」は、イングランドVS.フランスのみならず中世ヨーロッパ諸国を巻き込む泥沼戦争となり、黒騎士の奮闘、ペスト(黒死病)の蔓延、農民の反乱、ジャンヌ・ダルクの栄光と悲劇を生んだ・・・。戦後、ド-ヴァ-海峡を挟んで、領土と国民を明確にした主権国家の形成が進むきっかけとなった西洋史最大の事件への入門手引き書。

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2022/06/04

国民と国家という意識が当たり前では無いという前提から考えると納得がいくことも多く、今は当たり前だけど当時は、と何事も疑ってみることは大切だと感じた。 また、なぜ英語の中にフランス語由来の単語が多いのか、の理由の一つが分かったような気がする。

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2022/05/14

どちらもフランス人という所はなるほど、中世らしい話と納得。 途中は、まあそんな感じかと思うが、ジャンヌ・ダルクが農民の娘が利用されただけと切って捨てるのは、どこまでそうなのか。 うつてつけの題材と思うが、ナポレオンまで気が付かなかったのか? 最後、国民国家とナショナリズムを産ん...

どちらもフランス人という所はなるほど、中世らしい話と納得。 途中は、まあそんな感じかと思うが、ジャンヌ・ダルクが農民の娘が利用されただけと切って捨てるのは、どこまでそうなのか。 うつてつけの題材と思うが、ナポレオンまで気が付かなかったのか? 最後、国民国家とナショナリズムを産んで終息したというのはわかりやすいが、その時代でそこまで言えるのか。 国民国家としても、15世紀と18世紀では同じにならないし、それ以前でも同じ国語を話す者の一体感はあったのでは? きれいに割り切りすぎな感がある。

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2022/04/29

英仏百年戦争 それはイギリスとフランスの戦争でも、百年の戦争でもなかった。 戦う二大勢力はともに自身を「フランス人」であると認識。 領地の感覚が優先し、国の感覚が希薄だった時代に、イギリスという国とフランスという国の戦争など、設定できない。 しかし、英仏百年戦争は、イングランド...

英仏百年戦争 それはイギリスとフランスの戦争でも、百年の戦争でもなかった。 戦う二大勢力はともに自身を「フランス人」であると認識。 領地の感覚が優先し、国の感覚が希薄だった時代に、イギリスという国とフランスという国の戦争など、設定できない。 しかし、英仏百年戦争は、イングランド王、フランス王にそれぞれの王国を一元的に支配させる力を与えて終了。 これにより、今日のイギリス、フランスに通じる、いわゆる中央集権国家が誕生。 後の、国民国家に発展する土台となった。

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2022/01/26

巻末の「英仏百年戦争関連年表(1066-1491)」が非常に詳細だし、英仏両王家の家系図も百年戦争に絡む所だけで(無駄な情報はちゃんと省略して)構成されてて、ホントお役立ちでした! 「百年戦争」を解説する本は巷に沢山あるが、ナショナリズムの高揚という点から見たジャンヌ・ダルク観が...

巻末の「英仏百年戦争関連年表(1066-1491)」が非常に詳細だし、英仏両王家の家系図も百年戦争に絡む所だけで(無駄な情報はちゃんと省略して)構成されてて、ホントお役立ちでした! 「百年戦争」を解説する本は巷に沢山あるが、ナショナリズムの高揚という点から見たジャンヌ・ダルク観があまり見かけない主張になってて、とても興味深かった。 リチャード2世については結構語るけど、ヘンリー4世は割とあっさりとか、多少お好みがあるようで。

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2021/03/20

大学の一般向け講座を受講した際に勧められた著作。 非常に読みやすく、わかりやすい。 概説書としての側面もありながら、専門性もある。 『百年戦争』の考え方、国民国家を基軸とする歴史の考え方をもう一度捉え直す著作である。

Posted byブクログ