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英仏百年戦争 の商品レビュー

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75件のお客様レビュー

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2022/01/26

巻末の「英仏百年戦争関連年表(1066-1491)」が非常に詳細だし、英仏両王家の家系図も百年戦争に絡む所だけで(無駄な情報はちゃんと省略して)構成されてて、ホントお役立ちでした! 「百年戦争」を解説する本は巷に沢山あるが、ナショナリズムの高揚という点から見たジャンヌ・ダルク観が...

巻末の「英仏百年戦争関連年表(1066-1491)」が非常に詳細だし、英仏両王家の家系図も百年戦争に絡む所だけで(無駄な情報はちゃんと省略して)構成されてて、ホントお役立ちでした! 「百年戦争」を解説する本は巷に沢山あるが、ナショナリズムの高揚という点から見たジャンヌ・ダルク観があまり見かけない主張になってて、とても興味深かった。 リチャード2世については結構語るけど、ヘンリー4世は割とあっさりとか、多少お好みがあるようで。

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2021/03/20

大学の一般向け講座を受講した際に勧められた著作。 非常に読みやすく、わかりやすい。 概説書としての側面もありながら、専門性もある。 『百年戦争』の考え方、国民国家を基軸とする歴史の考え方をもう一度捉え直す著作である。

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2020/11/17

フランスを舞台にした歴史小説を得意とする佐藤賢一氏による百年戦争の概説書である。 百年戦争は、現代の主権国家体制に馴染んだ我々からすると、つい安直にフランスとイングランドが戦った戦争である、と思い込みがちである。 そう思い込むと、大変分かりづらくなるのが百年戦争である。 本書...

フランスを舞台にした歴史小説を得意とする佐藤賢一氏による百年戦争の概説書である。 百年戦争は、現代の主権国家体制に馴染んだ我々からすると、つい安直にフランスとイングランドが戦った戦争である、と思い込みがちである。 そう思い込むと、大変分かりづらくなるのが百年戦争である。 本書は、百年戦争以前にはいわゆる国家としてのフランス・イングランドは存在しなかったという前史を確認することから始まり、この百年の争いを通じてナショナリズムが芽生えていったとの結論で終える。 元々、読みやすい文章を書く人だが、全体が上記のあらすじに支えられているため、茫漠としていた百年戦争の輪郭が読むほどに浮かび上がるようだ。 読みやすさとそれなりに踏み込んだ歴史知識を盛り込んだ一般読者層向けの概説書を書かせたら一級品である。 大変楽しく読めたし、この時代に関する理解が深まった。お勧め。

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2020/04/23

英仏百年戦争というが、英国も仏国もなかった。フランス人同士の長い戦いの中で英と仏という国ができた。というお話。なるほど。世界史詳しくないので一つ理解できなかったのが、王とそれ以外の公や伯との違い。イギリス王だって元々ノルマンディ公ですよね。でも、王になるとフランス王と同格になる?...

英仏百年戦争というが、英国も仏国もなかった。フランス人同士の長い戦いの中で英と仏という国ができた。というお話。なるほど。世界史詳しくないので一つ理解できなかったのが、王とそれ以外の公や伯との違い。イギリス王だって元々ノルマンディ公ですよね。でも、王になるとフランス王と同格になる?他の領主に封を与える権利?これはどこから来てるの?ローマ法王?日本の戦国時代の将軍や天皇と各大名の関係とも違う気もするし。ここが理解できる本があったら教えて下さい。巻末に両王家の系図があるので確認しながら読むのをお勧めします。

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2019/12/20

いわゆる英仏百年戦争を前史・後史含めた全体を叙述した一冊。戦争を通して変容する国家観についての考察や、ジャンヌ・ダルクについての詳述など興味深い点が多い。前に読んだヴァロワ朝と記述がかぶる点も多いけれど面白かった。

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2019/03/29

ドーバー海峡を挟んで隣国であるフランスとイギリスが、最近まで剣呑の仲であることは承知していましたが、歴史をたどっていけばその謎も解けるというものです。 この戦争を機に現在のイギリスとフランスの地盤が出来たといっても過言ではないでしょう。 フランス王家から分かれたイングランド。 ...

ドーバー海峡を挟んで隣国であるフランスとイギリスが、最近まで剣呑の仲であることは承知していましたが、歴史をたどっていけばその謎も解けるというものです。 この戦争を機に現在のイギリスとフランスの地盤が出来たといっても過言ではないでしょう。 フランス王家から分かれたイングランド。 フランス王家といえども、国内の諸侯の力が強すぎ、かつ、その諸侯たちも自分たちの思惑でフランス側についたりイングランド側についたり… このような内戦ともいえる状況を乗り越えてこそ国家としての自覚が誕生するものなのですね。 注目すべきはイングランドの黒太子エドワードの戦術と、風のように訪れてフランス王の窮地を奪回し、風のようにこの世を去っていったジャンヌ・ダルクです。 その一方で、両国が戦争に明け暮れた結果、戦争が済んだら傭兵を解雇した結果、一番の被害を被ったのは紛れもなく、普通に平凡な暮らしをしていた一般市民たちです。 フランス国内で「ジャックリーの乱」が勃発し、農民たちが暴徒化するのも至極当然といえます。 「ジャックリーの乱」を肯定する訳ではありませんが、この戦争中にイングランドをフランスが得たもの、失ったもの…それぞれの意味を考えることは、現代社会においても決して他人事ではなく、しっかりと考えていかなければいけないところです。 余談ではありますが、一時は「魔女」として火あぶりの刑に処せられたジャンヌ・ダルクの名声を復活させ、愛国心溢れる女性戦士として再注目させ、自身の宣伝活用に大いに利用したのはナポレオンです。 個人的には、気持ちが荒んでいるときに何度でも再読し、自分を深く顧みることのできる一冊です。

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2022/04/03

百年戦争の入門書として最適な良書。 まず、現在語られている歴史は、国民国家の時代を生きる我々の価値観に合わせて作られたモノだと筆者は述べる。 英国の最初の王朝はフランス人によって作られたものであり、英仏百年戦争の序盤はフランスのお家争いであったのだ。 これは中々衝撃的な内容であ...

百年戦争の入門書として最適な良書。 まず、現在語られている歴史は、国民国家の時代を生きる我々の価値観に合わせて作られたモノだと筆者は述べる。 英国の最初の王朝はフランス人によって作られたものであり、英仏百年戦争の序盤はフランスのお家争いであったのだ。 これは中々衝撃的な内容であった。 その後、国民国家としてフランス、英国が成り立つ過程を丁寧に描いている。 入門書としてだけでなく、歴史を学んだ人でも面白いと思える良書であった。

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2018/11/04

・英仏百年戦争はフランドルの羊毛貿易問題、ボルドーの葡萄酒貿易問題、なかんずくアキテーヌの領有問題、フランス王位継承問題等々を争点として、中世末に行われた(1337年〜1453年)。序盤は圧倒的なイギリスの優勢で進んだ。クレシーの戦い(1346年)、ポワティエの戦い(1356年)...

・英仏百年戦争はフランドルの羊毛貿易問題、ボルドーの葡萄酒貿易問題、なかんずくアキテーヌの領有問題、フランス王位継承問題等々を争点として、中世末に行われた(1337年〜1453年)。序盤は圧倒的なイギリスの優勢で進んだ。クレシーの戦い(1346年)、ポワティエの戦い(1356年)で立役者となった軍事的カリスマ、エドワード黒太子の活躍で勝利。十五世紀に突入するにつれ、フランスは国土の半ばを占領され、国家存亡の危機となるが、オルレアンの攻防(1428年〜1429年)で救世主ジャンヌ・ダルクの登場(これは後世に大部分が創作されたもの)により勝利を収め、そこからフランスの快進撃が始まる ・英仏百年戦争は元々「フランス人」同士の争いであったが、戦争を経る中で、イングランドがイングランドとして、フランスがフランスとして、今日の国家に通じる形が誕生した ・現在では英仏百年戦争が生み出した国民国家そのものが過去の歴史になろうとしている

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2018/10/12

イングランド王、フランス王と、頭に載せる王冠の色や形は違えども、戦った二大勢力はともに「フランス人」だったとは知りませんでした(汗)

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2018/10/07

歴史は後から俯瞰してみると、最初から間違った意識のまま見誤ってしまうことが多い。今回もそうでした。 歴史じゃないんだ。 生きた人間が一人ひとり動いて、そこに出来た何かが残っていくんだという事が良く分かった一冊に。 英仏百年戦争。 フランス人のイングランド領主と、フランス人のフ...

歴史は後から俯瞰してみると、最初から間違った意識のまま見誤ってしまうことが多い。今回もそうでした。 歴史じゃないんだ。 生きた人間が一人ひとり動いて、そこに出来た何かが残っていくんだという事が良く分かった一冊に。 英仏百年戦争。 フランス人のイングランド領主と、フランス人のフランス領主との戦いであったのが驚きでした。 そもそも、フランス人という認識もこの時点ではないはずなので、この表現も間違ってますが。。。笑 大きい意味では内紛 (領地の争い) 中くらいの意味で一族の争い (家の争い) 小さい意味で隣村との小競り合い (利権の争い) この100年程の期間に、その時々に起こった事実(領土問題や領主の交代や政略結婚や古いしきたりなど)を、その時その時で、時の領主が解決しようとした。 その偶然の結果で、イギリスという国とフランスという国、「らしきもの」、が成立したんですね。 シェークスピア。 そのお陰?で、シェークスピアという才能が生まれ、生き生きとした物語としてみんなに愛される時代となった。 何が何だか分からなくなる、ヘンリー何世だのシャルル何世だのが、なんとなく一人の人間として肉付けしてくれてて、ホントに有り難い。笑 ジャンヌダルク。 本来は当時すら使い捨てにされただけで、ほぼ同時代の文献にも出てこない、歴史にも埋もれるはずだったジャンヌダルクすらも、一時代のヒロインとして創作され語られるようになる。 ナポレオンが政治的宣伝として忘れられていたジャンヌを発掘したらしい。 まさに日本で言うと、坂本龍馬の様な、後世の都合で作られた英雄が、そこかしこに存在する。 それが理解出来たので、急に身近に感じれました! しかし、やっぱりですが、政治はロマンではなく、現実や事実があるだけですね。笑

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