始祖鳥記 の商品レビュー
面白かった。最後まで心地よく読む事が出来た。 情景描写、心情描写も上手く、読んでいてどんどんと作品世界に引き込まれていく感じ。
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ずば抜けてレビューが高評価でしたので読んでましたが・・・ 自分の好みではなかったようです。 江戸時代のお話であり、言い回しが耳慣れない文章だったのと、凧や船について延々と専門的な説明が続くのも苦痛でした。 最後にちょっと感動みたいなのも感じましたが、 飛ぶなら「イツマデ」言わ...
ずば抜けてレビューが高評価でしたので読んでましたが・・・ 自分の好みではなかったようです。 江戸時代のお話であり、言い回しが耳慣れない文章だったのと、凧や船について延々と専門的な説明が続くのも苦痛でした。 最後にちょっと感動みたいなのも感じましたが、 飛ぶなら「イツマデ」言わなきゃダメでしょw
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備前の表具士 幸吉が凧を作って、空を飛ぶ物語。20代前半で所追いの刑になり、その後船乗り、入れ歯屋を経て最後に空を飛ぶのに成功するという実話。やりたい事があるなら意思を貫けという教訓だった。
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いしいひさいち「ほんの本棚」に取り上げられていたので、図書館で借りてきて読んだ。 飯嶋和一の作品は始めて読みました。 自作の大凧に乗って空を飛ぼうとした表具師備前屋幸吉(実在した人物)の話。 彼は典型的な技術者タイプで、目下熱中している課題以外には目もくれずに、ずんずん突き進ん...
いしいひさいち「ほんの本棚」に取り上げられていたので、図書館で借りてきて読んだ。 飯嶋和一の作品は始めて読みました。 自作の大凧に乗って空を飛ぼうとした表具師備前屋幸吉(実在した人物)の話。 彼は典型的な技術者タイプで、目下熱中している課題以外には目もくれずに、ずんずん突き進んでしまうタイプの人間である。そのまっすぐで、ある意味アブナイ生き方が、志は持っているが世間的なあれこれに遠慮している自分に、内心忸怩たる思いを持っていた人たちを次々と刺激し、幸吉の計り知らないところで、時代を動かしていくところがおもしろかった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
日本で始めて空を飛んだとされる浮田幸吉と その偶像や実像に関わった人々の群像劇。 静かで、それでいて相当な熱量を持った小説だ。 浮田幸吉はとにかく完璧である。 手先も器用、先見の明もある、どんな困難にもめげない。 困難がなくなれば自らつくり出してでもそこに向かう。 彼にとって困難だったのは、 なんの困難も挑戦もない、安寧な生活を送ること、 この一点に尽きるのだろう。 この小説では幸吉はまるで人では無いかのように描かれ 強い意志の象徴として描かれている。 そんな幸吉よりも私は、人間として描かれた巴屋伊兵衛が好きだ。 問屋と糞侍の腐敗に自身の故郷を潰されないために立ち上がり 怒りに当初の目的をすっかり忘れたときに、 「空飛ぶ表具師」の噂を聞き改心したり 塩が手に入らなくて絶望していたときに槖駝丸が入港して 歓喜、感謝するしたり その時の手紙を紙がすり切れる程何度となく見返して、 多忙な日々を生きた。 そうして若くして死に、地域の人々の行動規範となる。 伊兵衛の意志が地域に息づいたことを表すシーンでは涙がでた。 因みに幸吉はアイドルなので、死にませんし。うんこしません。
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想像通り読み応え充分で想像以上の感動!難しそうで買ってから読み出すまで時間がかかったけど、一回読み出したら止まらない!江戸時代、空を飛ぶことを夢見た男の話しかと思いきや、いろんな魅力的な人々が登場して、いろんな要素があって一口では感想が言えないけど、本を読んで震えるほど感動したの...
想像通り読み応え充分で想像以上の感動!難しそうで買ってから読み出すまで時間がかかったけど、一回読み出したら止まらない!江戸時代、空を飛ぶことを夢見た男の話しかと思いきや、いろんな魅力的な人々が登場して、いろんな要素があって一口では感想が言えないけど、本を読んで震えるほど感動したのは久々。人と人との出会い、己の利益ではなくみんなのために悪政に知恵と勇気で立ち向かう商人たち、一つのところに安住できず夢をあきらめきれない男たち、どの登場人物も聡明で思慮深く魅力的だった。
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江戸時代に手製の翼で空を飛んだと言われる実在の人物、浮田幸吉の生涯を軸に物語が進んで行くのですが、読み進める毎に本の中から伝ってくる力に圧倒されてしまいました。 現代と違って全てが人の手による時代だからなのでしょうか、何かを成し遂げる為に出す力やエネルギーのような物が、自分にはと...
江戸時代に手製の翼で空を飛んだと言われる実在の人物、浮田幸吉の生涯を軸に物語が進んで行くのですが、読み進める毎に本の中から伝ってくる力に圧倒されてしまいました。 現代と違って全てが人の手による時代だからなのでしょうか、何かを成し遂げる為に出す力やエネルギーのような物が、自分にはとんでもない衝撃に感じたのです。 何よりも人の意志の強さこそが世界を動かす程の力を持っているんだという逞しさを作品から受け取る事が出来ました。
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久々に骨のある歴史小説に出会えました。素晴らしい。一言一句落とさず読みたいと思える作品なので、読後の達成感は半端ないです。
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航空学の父と称されるジョージ・ケイリー卿の有人グライダー実験に先立つこと60年、天明5年に有人飛行したといわれる備前岡山の表具師・幸吉の一生を描いた作品。 三部構成になっていますが、第一部で幸吉は空を飛んでしまいます。これから先、どういう展開になるのだろうかと思っていると、第二部...
航空学の父と称されるジョージ・ケイリー卿の有人グライダー実験に先立つこと60年、天明5年に有人飛行したといわれる備前岡山の表具師・幸吉の一生を描いた作品。 三部構成になっていますが、第一部で幸吉は空を飛んでしまいます。これから先、どういう展開になるのだろうかと思っていると、第二部では幸吉は完全に脇役に回り、岡山を所払いになった幸吉が身を寄せた船頭が主役になります。この第二部(塩の専売に対する幕府側商人と自由商人の闘争)が面白い。本音を言えば第一部の間は、引き込まれるという感覚がなかったのですが、第二部に入ってからページがどんどん進むようになります。 そして第三部。主人公は、船を降り、駿府で商人として生きる幸吉に戻ります。そして大団円。 たとえ罪とされても、ただ「飛ぶ」という事に止むに止まれる衝動を感じる幸吉。その幸吉の飛行を悪政への抗議として受け取り、自らを奮い立たせる周りの人々。そのどちらの姿も、見事に描き出して見せます。 前々から名前は聞いてたけれど、飯嶋さんは初めてでした。 少々重いけれど、良いですね。
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この一冊で、空と海に想いを馳せることが出来た。 飯島和一で最初に読んだ本。 以来、この人の新刊が出る事が今一番の楽しみである。 「ただ飛びたかった」という主人公とその姿に何かを感じる人々。 これは、ヒーローの話なのです。 正義の味方だとか悪を倒すとか助けてくれるとかそういうも...
この一冊で、空と海に想いを馳せることが出来た。 飯島和一で最初に読んだ本。 以来、この人の新刊が出る事が今一番の楽しみである。 「ただ飛びたかった」という主人公とその姿に何かを感じる人々。 これは、ヒーローの話なのです。 正義の味方だとか悪を倒すとか助けてくれるとかそういうものではない、人々の心を揺り動かすヒーローなのです。 飯島和一の本には 本当に沢山のヒーローが描かれている。 それは世間一般が定義するヒーローとはちょっと違うかもしれないけれど、自分にはそう感じる。 読んで何度も泣く。 それは文章からこぼれ落ちてくる切実な「思い」みたいなものが 胸に突き刺さるからだ。 この人の文章を読むと、圧倒的過ぎて他が霞む時がある。 これから先も繰り返し読み続ける本だ。きっと。
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