僕のなかの壊れていない部分 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
15年ぶりくらいの再読。 本作、何といえばいいか。そう、ダメンズの『僕』こと、松原直人の独壇場とでも申し上げておきましょう。 ・・・ この御仁、とにかく性格が良くない。 素直じゃないというか、ああいえばこういう。しかもその辛辣さは仲のよい彼女とかに対して一層高まる。読んでいてもこちらがムッと来る。文学系ウンチクを繙き上から目線で『お前知らないだろうけど』という風にディスるのも超一流。 海外旅行に行くのってそんなに意味あるの?とか、趣味へのディスりもヤバ目。他人の趣味にそこまで言うか?的な。 ・・・ 更に、それほど性格が良くないのに、結構モてる。 作中でも、そこらのモデルよりも美しいといわれる枝里子と付き合い、シングルマザーの朋美といい中になり、30過ぎでご無沙汰となっている大西夫人と褥を共にする。 でもって、これまた性豪かというくらいガンガン。どこで覚えたんだよ。 ・・・ 極めつけは、これでいて某T大卒業、三十前後で1000万プレーヤーとのこと。容姿については書かれていませんが、どんだけうまくいっているんだ?って感じ。 ・・・ でもやっぱり性格が悪くて結局は一人に戻ってゆくと。 後半に向けて、貧しい家に生まれ、片親に育てられるも捨てられた経験があり、それがトラウマになっていることが仄めかされます。とはいえ、他人はどこまで斟酌するべきか。 私的には、枝里子の父親が枝里子に言ったように、あれはおかしいと思います。ない。娘を持つ親となった今、一層そう感じます。 表紙の帯に絶賛云々とありましたが、個人的にはそこまでかという印象でした。 ・・・ ということで久方ぶりの白石氏の再読でした。 村上春樹氏の作品でも度々でてくる『僕』も、独自な感性と洒脱な言葉遣いで相当我が道を行きますが、今回の『僕』こと直人くんは結構強烈だったと思います。題名の壊れていない部分がどこだったのか分かりませんが、大分壊れちゃっている気がしました。 単行本で読みましたが、文庫で解説付きで読んだ方が良かったかと今更ながら少し後悔。
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見えるものばかり追いかけてばかりいたら、人はどんなことにでも絶望するしかなくなってしまう。過去のトラウマにより、驚異的な記憶力を持つ、非凡な青年。彼には、才色兼備のスタイリストの恋人と、子持ちのバーのママである愛人、SMプレイ相手の人妻という女性関係があり、さらに家庭教師の元生徒...
見えるものばかり追いかけてばかりいたら、人はどんなことにでも絶望するしかなくなってしまう。過去のトラウマにより、驚異的な記憶力を持つ、非凡な青年。彼には、才色兼備のスタイリストの恋人と、子持ちのバーのママである愛人、SMプレイ相手の人妻という女性関係があり、さらに家庭教師の元生徒だった少女と、たまに泊まりに来る弟のような青年という疑似家族がある。 愛について、生と死について、突き詰めて考えずにいられない彼の内面を通して、作者は「何が一番大切なのか」を問いかける。 デビュー作『一瞬の光』で注目を集め、村上春樹にも比較される異才の最高傑作。書き下ろし。
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死の受容は、一切皆苦であり、輪廻の中に人は存在していて、全ての物事は然程意味の無い事である。過激な性描写も然り。親からの愛情を受けない環境で育った主人公は、典型的な回避依存であり、去るなら、近寄るな。これでもかと傷付けても尚、自分を求めるのであれば、今度こそ離れないと確信出来る。...
死の受容は、一切皆苦であり、輪廻の中に人は存在していて、全ての物事は然程意味の無い事である。過激な性描写も然り。親からの愛情を受けない環境で育った主人公は、典型的な回避依存であり、去るなら、近寄るな。これでもかと傷付けても尚、自分を求めるのであれば、今度こそ離れないと確信出来る。無意識に試さずにいれない。去られるのが怖いし、傷付けるから、先に離れたくなる。自分が愛される事を信じていない。本当は必要とされたい。それが、拓也との河原での場面に現れている。
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一部、自分を見ているようで耐えきれなく、もしくは「阿呆か…」と感じざるを得ない場面も多くて困る。 嫌いではないのだけれども、ではなぜたまにこの人の本を手にするかというと、この作家がなにか今までの書いてきたテーマ、もしくは考えてきたテーマを凌駕する瞬間を見たいからなのかもしれない。
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ずっと気になっていたタイトル。 3人の女の人と関係を持って、不安定なバランスで保っているようでありながら、一貫してどこか冷めていて、どことなくずっとひとりぼっちな感じ。 付き合ってる女の人3人だけじゃなく、拓也・ほのか・雷太の3人の子どもたちが主人公にとってすごく重要な気がした...
ずっと気になっていたタイトル。 3人の女の人と関係を持って、不安定なバランスで保っているようでありながら、一貫してどこか冷めていて、どことなくずっとひとりぼっちな感じ。 付き合ってる女の人3人だけじゃなく、拓也・ほのか・雷太の3人の子どもたちが主人公にとってすごく重要な気がした。 人が幸福になるには、自分よりも他の存在を愛することで、それは男女の恋愛感情を超えたものだと考えると、幸福になれそうな終わり方。
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“僕”という人間はどうしてこんなに偏屈で独りよがりなんだろう。こんな人を好きにはなれないが何故か気になってしまう。彼を理解したい、彼の壊れている部分を埋めてあげたい、救ってあげたい気持ちになる。枝里子もそうなのかな。
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嫌な本だな・・・。 主人公に全く感情移入できずひたすら嫌悪感だけが・・・。 でも・・ 何か今の自分にチクチクと痛い問いかけをしてくる・・・。 人生観・生死観を自分に考えさせる1冊。 また読みたいような読みたくないような・・・w
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主人公が良い方に変わるのか、より壊れていくのか気になって一気に読んだけど、変わらないままだった。必要とされる喜びを感じてるのに自分勝手に振り回して突き放して痛々しい。でも人は変われないしぽっかり空いた穴は他のものでは埋められないよねと思った。私は枝里子さんに感情移入だなぁ。まっす...
主人公が良い方に変わるのか、より壊れていくのか気になって一気に読んだけど、変わらないままだった。必要とされる喜びを感じてるのに自分勝手に振り回して突き放して痛々しい。でも人は変われないしぽっかり空いた穴は他のものでは埋められないよねと思った。私は枝里子さんに感情移入だなぁ。まっすぐで一生懸命で、理解しよう理解しようって相手を想う姿勢に共感。でもわかり合える相手じゃなくて、嫌いになりたくないって頑張ってる姿が痛々しくて苦しかった。端から見るとわかるけど、渦中にいるとわからないんだよね…。あと、そんなに出てこないけど性描写がえろかった(笑)大西夫人がドM過ぎる。旦那さんが20歳上の貿易商で一年の半分は海外にいる、いろいろ満たされない有閑マダムな感じに描かれてて熟女想像してたらまさかの32歳だった(-∀-;)…。
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真知子さんの話を物語の序盤から匂わせていたけど、案外あっけなく真知子さんの説明がなされてしまったなぁと思った。あと、主人公が家族についてのコンプレックスがあるみたいだけど、母親に言及する話がちまちま出てくるだけだったなと思った。 何かが劇的に変化する物語ではないけど、ところどころ...
真知子さんの話を物語の序盤から匂わせていたけど、案外あっけなく真知子さんの説明がなされてしまったなぁと思った。あと、主人公が家族についてのコンプレックスがあるみたいだけど、母親に言及する話がちまちま出てくるだけだったなと思った。 何かが劇的に変化する物語ではないけど、ところどころで出てくる人々のセリフに共感しきりだった。 あと、常岡さんの文章の引用を読んでホホーッと納得した。
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話はちょっと難しくてよくわからなかったけど、きっと主人公の男の人は生きにくいだろうなァ−。と思った。 少しだけ自分と重なるところもあったりなんかした。 あと2・3回ぐらい読まないと理解はできないような気がする。
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