僕のなかの壊れていない部分 の商品レビュー

白石一文(著者)

2009/10/04

タイトルにやられました。

どうして僕は生きているんだろう
どうして、僕は自殺しないんだろう
そんなこと考えてしまう作品でした。

2009/10/04

すごく……仏教です。
どのあたりが「壊れていない部分」なんだ？
小説に感動したのか、引用文献に感動したのかがちょっとあれだが、いずれにせよこれは良い小説。武者小路実篤の「友情」の感想で、もっと若いうちに読んでおけばよかった、と書いたが、これは逆で、今読んでよかった。と思う。主人公のキャラクターに違和感があるが、もうちょっとマシなのにできなかったのだろうか。

2009/10/04

出版社に勤務する29歳の「僕」は３人の女性と同時に関係を持ちながら、その誰とも深い繋がりを結ぼうとしない。一方で、自宅には鍵をかけず、行き場のない若者２人を自由に出入りさせていた。常に、生まれてこなければよかった、という絶望感を抱く「僕」は、驚異的な記憶力を持つ。その理由は、彼の特異な過去にあった。―生と死の分かちがたい関係を突き詰める傑作。

2009/10/04

主人公がひどいです。言ってる事正しいこともあるけども、女のわたしが見た感じ「てめー何言ってんだおい」みたいなところもすこしあった。でもすごい良いことも言ってる。名言が続々でてきます。今までのわたしには無かった考え方に多く出会えたっていう感じです。しかもラストが。雷太にびっくりした。そうなるとは思ってなかった。登場人物のなかではほのかがいちばんすきです。

2011/07/16

作家に興味があって取り組んでみたのですが私には非常に難解でした。主人公の言っていることが最後までつかめず、、、。

2009/10/04

【メモ】直人、枝里子、ほのか、雷太・母への負の思い・「どうして僕は自殺しないのだろう」・「人は育つために生まれさせられた」・「人のために生きると楽になれる」・「親が子を愛するように人を愛す」・「活き活き生きゆくことは、活き活き死にゆくこと」・三島・釈尊・前半は理屈とセックスの応酬で読み辛い、共感するのは後半に多い・「頭悪い奴には分からなくていい」というようにも思えてしまう

2009/10/04

主人公は理屈っぽくて冷静すぎて頭が良すぎて不愉快な男だ。彼が軽蔑する考えの浅い平凡な人々にわたしが当てはまっちゃうから読みながら反発してしまう。一方で一生懸命働いてる人が損してしまう社会なのは指摘の通りで、時々いやになってしまうのは確か。最後に主人公が「どっちでも同じ」みたいなこと言ってるけど、そんなふうにいろんな価値観を否定しない（受け入れてるわけではない）ように自分も変われたらいいと思った。

2009/10/04

白石一文の著作で一番最初に読んだ本。
当時受験生だったため、ほかの著作を積極的に探そうという気にはなれなかったが、それを除いてもこの作品からこの作家に入るのはどうかと思うが…
読後感はよくなかった。どうにも煮え切らない感じがして…　それを許容できるなら、自身の哲学やら倫理観を前面に押し出してくるこの人の作風には好感が持てる。
正直似たような作家がいないのが惜しいくらいだ。

2009/10/04

この主人公に共感できるのはふつうなのかな？
それともおれもいろいろ壊れているのかもしれない。さいきんよくそう思う。
生きるとか、死ぬとか何が現実とか、虚構とか信じるとか疑うとか考えだすときりがなくて、でもそういうことに自分なりの答えを見つけようとすることが好きなので、この本は好きです。
なにも得られねー、つまんねー
と思う人もたくさんいると思う。

後半になるにつれて壊れていない部分がやけに強調されていることが意味ぷーだったけど。

2009/10/04

オビには『どうして僕は自殺しないのだろう』。よし、分かった。これを読んだら僕は絶対鬱になる。
という風に、ある程度覚悟して読んだため疲労＆鬱感はさほどではありませんでした。主人公は東大法学部卒の超エリート。語学堪能。一度読んだ本は、内容を隅々まで精緻に暗記できる、というスタンドじみた能力を備える。おまけに３高（高身長、高容姿、高収入）。どんなクリーチャーやねん。
という、主人公ならびに登場人物にはツッコミを入れざるを得ない設定なのですが、内容的にはやはり『死』『生きるとは』という題材を手を変え品を変え披露してました。