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僕のなかの壊れていない部分 の商品レビュー

3.5

62件のお客様レビュー

  1. 5つ

    9

  2. 4つ

    22

  3. 3つ

    17

  4. 2つ

    8

  5. 1つ

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2011/07/13

白石一文さん、 ちょっとスピリチュアルなものが作品から感じられたりして好きで(性描写がすごくて、学生時代はじめて読んだ時はちょっとひいた部分もあったけど)、 「そういえばこれは読んだことがなかったなー」と思って、 借りて読んでみました。 あらすじは、 ちょっとささっとは書けない...

白石一文さん、 ちょっとスピリチュアルなものが作品から感じられたりして好きで(性描写がすごくて、学生時代はじめて読んだ時はちょっとひいた部分もあったけど)、 「そういえばこれは読んだことがなかったなー」と思って、 借りて読んでみました。 あらすじは、 ちょっとささっとは書けないような感じだなー。 うーん。 主人公は29歳の編集者・直人。 直人は家庭に恵まれずに成長していて、頭はいいけど相当厄介な性分をしている。 直人の周りには恋人の枝里子、 懇意にしている子持ちのホステス・朋美、 体の欲求不満を時々会っては解消してやっている大西夫人といった女性たちがいる。 その他、直人と同様家庭に恵まれず育った元教え子(直人は以前家庭教師をしていた)のほのかや、 議員の息子で絶世の美青年だけど、世の中に斜めな姿勢をとっている雷太などが出てきて、 とにかくそういう人々とのやりとりの中で、 合間合間に直人が色々思いを巡らせるような話。 話があとの方になってだいぶマシになったけど、 とにかく直人が厄介で、 「私はこんな男の人イヤだ」と思った。 枝里子さんには頭が下がる。 枝里子の実家に挨拶に直人を連れ帰った時、 またまた厄介な性分を発揮した直人を見た枝里子の父親が、 あとでこっそり、 「女性にとって一番大切なことは、自分の幸福だけを考える集中力のようなものだ。現実を見つめ、手に収まる分だけの幸福を確保する姿勢だ」 って諭すシーンがあったけど、 私はこの言葉にうんうんって頷けた。 でもそういう思考は、 主人公の直人にとって大嫌いで忌むべきものらしく、 この人はどうやったら心穏やかに幸せに生きていけるのかしらねー、と不安になった。 『僕の中の壊れていない部分』 このタイトルが意味するところは、一体直人のどこなんだろう。 たしかに直人は壊れているように見える。 直人にしてみれば、自分の生い立ちに沿って自然と獲得した考え方や筋みたいなものが断固としてあるんだろうけど、 それに沿わない枝里子の好意や言動を論理でやりこめる様子なんか、ちょっと私にはひどく映る。 でも、直人は誰かを愛するってことは親が子を愛するようなことだと思っていて、 その理想と周りの女性たちとの関係の間にギャップを感じていて、 失望しているようにも見える。 そういうとこはピュアだととっていいのかな(厄介だけど)。 あと、子供に対する自然な愛情。 それは直人の「壊れていない部分」なのかもしれない。 直人が「壊れていない部分」を持っているのなら、 直人は過去を許し憎しみを手放せば、もっと楽に穏やかに生きていけるんじゃないかなーと思いました。 そういうのは、 誰にでも言えることかもしれないけどね。

Posted byブクログ

2011/03/16

カバーが気になっていたから、内容を知らないで読んでみた。この主人公の考えていることも分かる部分もあるけど、それを周りに撒き散らしているあたりが面倒だし子供だと思ってしまう。周りは自分とは違うって知っているのに、違うことをぶつけることで解決させようとしているような。こんな風に考える...

カバーが気になっていたから、内容を知らないで読んでみた。この主人公の考えていることも分かる部分もあるけど、それを周りに撒き散らしているあたりが面倒だし子供だと思ってしまう。周りは自分とは違うって知っているのに、違うことをぶつけることで解決させようとしているような。こんな風に考える私は、ある意味冷たいのかな。 昔はどうして生きるのか考えてたけど、今は全く考えていなくなっていたことを思い出した。 この作者ってこんなこと考えているのかな、生きるの大変そうだなぁ。

Posted byブクログ

2011/03/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

久々に小説にのめりこめた。ちょうど舞台となっている地域になじみが深いのもあるけど。 ここじゃないどこかが存在する、という信念は『逃げ』でしかないし、「いまここ」にしか世界はないという枝里子の言葉の方が共感できるのだけど、そう考えなきゃ生き続けることができない、という妥協の産物こそが「いまここ」なんだろうなぁ。 主人公の結論には共感できないけど、そこへ至る様々な思考には共感できるところも多い。

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2011/01/19

絶対こんな男イヤだ、とイライラしながら読んでた。が、だんだんわけのわからない壊れた行動の奥にある心理について考えることができた。生きることの意味に触れることができる。 真知子さんの言葉が印象的。 死ぬっていうのは、抜けることなのね。 日々に行きゆく姿は、日々に死にゆく姿だ...

絶対こんな男イヤだ、とイライラしながら読んでた。が、だんだんわけのわからない壊れた行動の奥にある心理について考えることができた。生きることの意味に触れることができる。 真知子さんの言葉が印象的。 死ぬっていうのは、抜けることなのね。 日々に行きゆく姿は、日々に死にゆく姿だと思えば、ものみな有り難い。活き活きと生きゆくことが、活き活きと死にゆくことだと納得すれば、心やすらぐ。

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2010/12/19

自分を納得させることができるだけの生きる意味というものをずっと探しているが、歳を取るにつれて、そんなことを考えている人間の数は本当に微々たるものだということを知った。 最近、それは死ではないかとおぼろげに感じることが多くなったが、この本は久しぶりにひとりよがりさに警笛をならし、...

自分を納得させることができるだけの生きる意味というものをずっと探しているが、歳を取るにつれて、そんなことを考えている人間の数は本当に微々たるものだということを知った。 最近、それは死ではないかとおぼろげに感じることが多くなったが、この本は久しぶりにひとりよがりさに警笛をならし、なおかつ共感を与えてくれるものだった。 ぐいぐいと心地よい緊張を感じる作品。

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2010/12/14

ハードカバーで一度読んでいるので詳しく書くと再読なのですが、こんなに読み応えあったっけ、うん、確かにあったな、という作品。著者の作品の中では多分一番主人公が壊れていて、意見が分かれる作品だと思う。 最初に読んだのはもう5年前になることが判明して、その頃は私も独身で、絶対こんな男嫌...

ハードカバーで一度読んでいるので詳しく書くと再読なのですが、こんなに読み応えあったっけ、うん、確かにあったな、という作品。著者の作品の中では多分一番主人公が壊れていて、意見が分かれる作品だと思う。 最初に読んだのはもう5年前になることが判明して、その頃は私も独身で、絶対こんな男嫌だと思った反面作品自体はとても好きで、これはどうしたものかとずっと引っかかっていた。 ふとしたきっかけで読み直そうと思い、5年経った今また読み直してみたのだが、主人公の年齢に近付いたからか、自分も壊れているからなのか、またこの作品が好きだということに気付かされた。 確かに引用文が多いのは若干気になるところではあるけれど、それを上回る主人公の内面の壊れっぷりとどこか見捨てられないところが読み応えのある作品です。 いやぁしかし引用してみましたが、この引用文相当病んでいるなぁ。分かるんだけどね。すごく。

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2010/10/06

生後数ヶ月で、赤ん坊を保育園に預けることについて、『・・・もし赤ちゃんが口がきけて自分の意志を伝えられたら、どんな子でも冗談じゃないって言うに決まってるようなことです』(88) <ーーこの夏頃(2才8ヶ月)から、瑞希も急速に喋るようになり、自分の思いが伝えられる様子を見るにつけ、...

生後数ヶ月で、赤ん坊を保育園に預けることについて、『・・・もし赤ちゃんが口がきけて自分の意志を伝えられたら、どんな子でも冗談じゃないって言うに決まってるようなことです』(88) <ーーこの夏頃(2才8ヶ月)から、瑞希も急速に喋るようになり、自分の思いが伝えられる様子を見るにつけ、まさに、”ダメ”と言うだろうなと感じる。 『僕のなかの壊れていない部分』白石一文 保育施設拡充の予算において、肝心要のクライアント(顧客)をはき違えていたみたい(91) 『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』

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2010/09/15

うーん、なんというか壊れてる。 それでも共感できることがあった。 ということは僕も壊れている部分があるということかな。

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2011/11/16

今度は良い。作品によって評価がかなり違う。でも、良い評価の作品は主題が似てる。嫌な予感がするのは私だけ?

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2010/09/10

過剰な部分、無意味な部分をカットして中篇にして欲しい。登場人物が持論をぶつけ合って、結局は矛盾し歪になる。丁寧で疲れるというのは、性描写でも言える。単語に抵抗を感じながらの読み流しになってしまうし、主人公にまったく感情移入出来ない。じゃ面白くないかと言えば、設定の重さに引きこまれ...

過剰な部分、無意味な部分をカットして中篇にして欲しい。登場人物が持論をぶつけ合って、結局は矛盾し歪になる。丁寧で疲れるというのは、性描写でも言える。単語に抵抗を感じながらの読み流しになってしまうし、主人公にまったく感情移入出来ない。じゃ面白くないかと言えば、設定の重さに引きこまれたりもする。結局、アンバランスな感じ。もう少し気軽、シンプルな作品を書いてくれないかな~

Posted byブクログ