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僕のなかの壊れていない部分
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 光文社/ |
発売年月日 | 2002/08/25 |
JAN | 9784334923631 |
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商品レビュー
3.5
62件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
15年ぶりくらいの再読。 本作、何といえばいいか。そう、ダメンズの『僕』こと、松原直人の独壇場とでも申し上げておきましょう。 ・・・ この御仁、とにかく性格が良くない。 素直じゃないというか、ああいえばこういう。しかもその辛辣さは仲のよい彼女とかに対して一層高まる。読んでいてもこちらがムッと来る。文学系ウンチクを繙き上から目線で『お前知らないだろうけど』という風にディスるのも超一流。 海外旅行に行くのってそんなに意味あるの?とか、趣味へのディスりもヤバ目。他人の趣味にそこまで言うか?的な。 ・・・ 更に、それほど性格が良くないのに、結構モてる。 作中でも、そこらのモデルよりも美しいといわれる枝里子と付き合い、シングルマザーの朋美といい中になり、30過ぎでご無沙汰となっている大西夫人と褥を共にする。 でもって、これまた性豪かというくらいガンガン。どこで覚えたんだよ。 ・・・ 極めつけは、これでいて某T大卒業、三十前後で1000万プレーヤーとのこと。容姿については書かれていませんが、どんだけうまくいっているんだ?って感じ。 ・・・ でもやっぱり性格が悪くて結局は一人に戻ってゆくと。 後半に向けて、貧しい家に生まれ、片親に育てられるも捨てられた経験があり、それがトラウマになっていることが仄めかされます。とはいえ、他人はどこまで斟酌するべきか。 私的には、枝里子の父親が枝里子に言ったように、あれはおかしいと思います。ない。娘を持つ親となった今、一層そう感じます。 表紙の帯に絶賛云々とありましたが、個人的にはそこまでかという印象でした。 ・・・ ということで久方ぶりの白石氏の再読でした。 村上春樹氏の作品でも度々でてくる『僕』も、独自な感性と洒脱な言葉遣いで相当我が道を行きますが、今回の『僕』こと直人くんは結構強烈だったと思います。題名の壊れていない部分がどこだったのか分かりませんが、大分壊れちゃっている気がしました。 単行本で読みましたが、文庫で解説付きで読んだ方が良かったかと今更ながら少し後悔。
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見えるものばかり追いかけてばかりいたら、人はどんなことにでも絶望するしかなくなってしまう。過去のトラウマにより、驚異的な記憶力を持つ、非凡な青年。彼には、才色兼備のスタイリストの恋人と、子持ちのバーのママである愛人、SMプレイ相手の人妻という女性関係があり、さらに家庭教師の元生徒...
見えるものばかり追いかけてばかりいたら、人はどんなことにでも絶望するしかなくなってしまう。過去のトラウマにより、驚異的な記憶力を持つ、非凡な青年。彼には、才色兼備のスタイリストの恋人と、子持ちのバーのママである愛人、SMプレイ相手の人妻という女性関係があり、さらに家庭教師の元生徒だった少女と、たまに泊まりに来る弟のような青年という疑似家族がある。 愛について、生と死について、突き詰めて考えずにいられない彼の内面を通して、作者は「何が一番大切なのか」を問いかける。 デビュー作『一瞬の光』で注目を集め、村上春樹にも比較される異才の最高傑作。書き下ろし。
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死の受容は、一切皆苦であり、輪廻の中に人は存在していて、全ての物事は然程意味の無い事である。過激な性描写も然り。親からの愛情を受けない環境で育った主人公は、典型的な回避依存であり、去るなら、近寄るな。これでもかと傷付けても尚、自分を求めるのであれば、今度こそ離れないと確信出来る。...
死の受容は、一切皆苦であり、輪廻の中に人は存在していて、全ての物事は然程意味の無い事である。過激な性描写も然り。親からの愛情を受けない環境で育った主人公は、典型的な回避依存であり、去るなら、近寄るな。これでもかと傷付けても尚、自分を求めるのであれば、今度こそ離れないと確信出来る。無意識に試さずにいれない。去られるのが怖いし、傷付けるから、先に離れたくなる。自分が愛される事を信じていない。本当は必要とされたい。それが、拓也との河原での場面に現れている。
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