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日蝕 の商品レビュー

3.4

87件のお客様レビュー

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    10

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2010/05/22

この小説が世に問われたとき、平野氏は「三島由紀夫の再来」だと謳われたらしい。確かに、文体あるいは物語に対する美意識などは通ずるものがあるだろう。しかし、解説で四方田氏が主張しているように、この小説は三島の単なる模倣ではなく、文学の反復である。文学とは反復とずらしによって生み出され...

この小説が世に問われたとき、平野氏は「三島由紀夫の再来」だと謳われたらしい。確かに、文体あるいは物語に対する美意識などは通ずるものがあるだろう。しかし、解説で四方田氏が主張しているように、この小説は三島の単なる模倣ではなく、文学の反復である。文学とは反復とずらしによって生み出されていくものではないか、この小説を読んでそう考えた。

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2010/04/26

主人公が見たものは、自分のシャドウ(影)だったのではないか。自分は修道僧であるが、禁忌となる錬金術にふれ、アンドロギユノスに出会う。  自分は修道僧で、その禁忌を犯すことはできないが、犯してみたい。そんな葛藤があるのではないか。主人公はずっとシャドウに犯されるのだろうか。それとも...

主人公が見たものは、自分のシャドウ(影)だったのではないか。自分は修道僧であるが、禁忌となる錬金術にふれ、アンドロギユノスに出会う。  自分は修道僧で、その禁忌を犯すことはできないが、犯してみたい。そんな葛藤があるのではないか。主人公はずっとシャドウに犯されるのだろうか。それとも、またいつか禁忌を犯してみたいと思ってしまうのか。そこまではわからない。  なぜ、このような文体になったのかは不明。思想的なものは感じられなかった

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2010/04/02

神に近づこうとする者の罪と 問題意識を同じくしながら、生き延びてしまった者の後ろめたさ 全共闘的なものへのコンプレックスを、 文体によって過去に押し流そうとする試み ・・・というのは穿ちすぎだな

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2010/03/04

もともと近代文学が好きで、森鴎外や幸田露伴などを好んで読んでいないと面白いとは感じられないと思う。 読了には時間はかかるが、それだけの価値はあり、まさに「芥川賞作品」と感じさせられる。 なお、文庫だからと言って電車の中で読もうとすると挫折してしまう可能性あり。

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2010/03/02

高校の頃に挫折した本にリベンジ。今度は読み切ることができた。 以前の印象とは異なり、さほど取っつきにくさは感じなかった。

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2011/04/28

驚くほど面白くないんだけど、すごい。焚刑に処するところの描写は圧巻。もう何がなんだか。この人は何を見て生きてきたんだろう。

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2017/05/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

評価××。 読んでいて読み進む感覚なし。読むのが辛かった。もう一度読むことはない。 なんだ、この古めかしい文体は。この小説の時代を想起させるテクニックとして使っているのか? しかし、そのせいであまりに読み難い。最後のクライマックスも魅力半減以下。 読者のことを考えているか? この文体を読者に押しつけるのは、作家のエゴに思える。 ※'17/5/1(?)売りに出す

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2011/09/04

平野 啓一郎氏がときどきラジオやTVにでてましたので、じゃあデビュー作から。。。ということで、呼んでみました。むずかしい単語をつらつらと並べていますが、いちいち細かいところを理解しようとせず、流れを読んでいくと、独特の世界観があるように感じました。旅人と錬金術師の出会いみたいな感...

平野 啓一郎氏がときどきラジオやTVにでてましたので、じゃあデビュー作から。。。ということで、呼んでみました。むずかしい単語をつらつらと並べていますが、いちいち細かいところを理解しようとせず、流れを読んでいくと、独特の世界観があるように感じました。旅人と錬金術師の出会いみたいな感じで、はなしが進んでいきます。

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2009/10/04

かなりの漢字好きの私が、 その難解なルビの漢字の多さにギブアップ。 普通なら、すぐに読破できそうな薄い文庫なのに、 なかなか読み進まなかった。 正直、内容もよくわからず終い。 作者が大学生のときに芥川賞を取った作品というのはすごいと思うが、 感想はそれだけ。(苦笑)

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2009/10/04

肥え太った聖職者の唱える神の威光と 新しい神の創造を試みる「異端」的錬金術師。 遠藤周作とはまったく違った感のある異端語りだけど、これはこれで熱い。 大学生でこれを書いた作者は神。語彙力がすごすぎ。

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