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日蝕 の商品レビュー

3.4

87件のお客様レビュー

  1. 5つ

    10

  2. 4つ

    24

  3. 3つ

    35

  4. 2つ

    7

  5. 1つ

    4

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2014/10/18

芥川賞受賞作品ということで、図書館で借りて読了。 面白い。もともと泉鏡花の作品が好きなので、擬古文には慣れていたが、根底に流れるものも、それに近く感じられた。 他の作品も読んでみたいと思わせる。

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2020/02/26

平野さんの作品を遡って読んでいます。かつて難しそう…と敬遠していた「日蝕」、漢字や文体は難解ですが文章自体はわかりやすく、慣れてくるとその美しさとテンポに心地よさを感じ、後半はのめり込むようにスルスルと読めました。 洞窟のシーンや処刑のシーンはその情景がまるで絵画を観ているかの...

平野さんの作品を遡って読んでいます。かつて難しそう…と敬遠していた「日蝕」、漢字や文体は難解ですが文章自体はわかりやすく、慣れてくるとその美しさとテンポに心地よさを感じ、後半はのめり込むようにスルスルと読めました。 洞窟のシーンや処刑のシーンはその情景がまるで絵画を観ているかのごとく、ありありと描かれる筆力。また読み返したくなるような余韻を残す作品でした。

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2014/08/22

文章をパラ見したときは「中二病みたいだな」と。話だけ追うにも高尚な文体が邪魔して回りくどかったです。重要でありそうな部分は結局なんかぼかされたカンジでした。

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2014/04/27

4/27 読了。 洞窟の中で見たアンドロギュノスの描写で宇月原晴明『安徳天皇漂海記』を思い出した。小説の狙いが解説で四方田犬彦の指摘するようなものだとすると、宇月原晴明との連想は案外外れてもいない気がする。

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2014/03/09

同世代なんだよね、在学中に書いたんだよねと、思いながら読み始めた。でもこんな歳になっても、やっぱり難しくって、挫折しそうです。

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2014/03/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

うん、なかなか読み辛かったです(笑) 「擬古文」というのでしょうか?これがどうも読み進める上で邪魔をしました。 けれど内容は・・・というと、それほど難しいものではありません。むしろ、かなりファンタジーっ気が強いです。 洞窟の中でのできごとと、タイトルの意味する場面が 強烈な印象を与えます。 もっと自分が、この時代のキリスト教について詳しかったら、この作品についての感想はまた違ったと思います。無学なもので・・・ (「トマス主義」とか知らんがな、と)

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2013/09/26

1998年下半期芥川賞受賞作。作家の文壇への登場は、実にセンセーショナルなものだった。それは無名の学生からの「新潮」への投稿に端を発した。受けた方も驚いただろう。その結果は、本編が「新潮」8月号の巻頭を飾ったことに明らかだ。さらに同年の芥川賞まで浚っていった。漢字と漢語を縦横無尽...

1998年下半期芥川賞受賞作。作家の文壇への登場は、実にセンセーショナルなものだった。それは無名の学生からの「新潮」への投稿に端を発した。受けた方も驚いただろう。その結果は、本編が「新潮」8月号の巻頭を飾ったことに明らかだ。さらに同年の芥川賞まで浚っていった。漢字と漢語を縦横無尽に駆使した文体は、新人離れの域を遥かに超えているだろう。ルネサンス期に置かれた物語も重厚そのものだ。表題となった「日蝕」の作中での効果もまた圧倒的だ。しいて難を言うならば、此処に描かれているのはまぎれもなく異端だということだろう。

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2013/09/19

文章が難解。 テーマもあまり興味のもてないものだったので、文章を追うのが精一杯で、内容を真面目にたのしむことができなかったのがもったいなかった。でももういちど読む元気はないです… それでも平野啓一郎の文章は所々にはっと印象に残るような映像のある場面がある。ものすごい。私にとって...

文章が難解。 テーマもあまり興味のもてないものだったので、文章を追うのが精一杯で、内容を真面目にたのしむことができなかったのがもったいなかった。でももういちど読む元気はないです… それでも平野啓一郎の文章は所々にはっと印象に残るような映像のある場面がある。ものすごい。私にとっては今回は、洞窟の中で両性具有者を発見する場面と、最後のジャンの姿。 クライマックスの勢いには舌を巻く思いだったが、もうすこし深く考える余裕はないまま、でももういちど読む元気はない…もったいない…

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2013/07/04

いつのことやら。 数ページで挫折。 これほどの圧倒的挫折は初めてだった。 頭が良くなりたいと思った。 いや、頭よりも根性の問題かもしれない。 わからない、知らない言葉を、 こつこつ辞書をひきながら、頑張ってよみすすめることで、 教養を得るのだろう。 最初から、なんだこの圧倒的語...

いつのことやら。 数ページで挫折。 これほどの圧倒的挫折は初めてだった。 頭が良くなりたいと思った。 いや、頭よりも根性の問題かもしれない。 わからない、知らない言葉を、 こつこつ辞書をひきながら、頑張ってよみすすめることで、 教養を得るのだろう。 最初から、なんだこの圧倒的語彙不足・教養不足を痛感させてくる高尚でイヤミな芥川賞受賞作品はこの野郎、などと卑屈にならずに、 もう少し、くらいつけばよかったのかもしれないが。 そんな教養と根性がなかった。 というわけで、決して本書と著者が悪いわけじゃない。 正直、この作品のイメージで 平野啓一郎=私には無理、と思ってた。 その後、モノクロの表紙がエヴァ的な「決壊」を本屋さんで見つけて、あれからどんなもの書いてるんだろう、とちら見してみた。 ら、なんてことない、普通に読みやすい文章で書かれていた。 読みやすかった。 違う作品を、また読んでみたい。

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2013/06/09

15世紀頃、キリスト教の敬虔なお坊さんが 信仰書籍を求めてフランスからイタリアに旅に出る物語。 読了までにめちゃくちゃ時間がかかった。 独特の擬古文的文体は決して読みやすくはないが、 本作で描かれている「人間の求める聖性と業の表裏一体」は 確かにこういった文体でなければ表現で...

15世紀頃、キリスト教の敬虔なお坊さんが 信仰書籍を求めてフランスからイタリアに旅に出る物語。 読了までにめちゃくちゃ時間がかかった。 独特の擬古文的文体は決して読みやすくはないが、 本作で描かれている「人間の求める聖性と業の表裏一体」は 確かにこういった文体でなければ表現できないところとも思う。 京大在学中に発表し芥川賞を受賞した当時は賛否両論だったようで、 大きな「否」の論拠は作品が衒学的である、という点。 確かに物語全体を通して訴えたいことは理解できたが、 それが作者の真に言いたいことなのかどうかは判然としない。 その意味で、衒学的と言われてしまうのかもしれないが、 濃淡の差はあれど、人間の表現活動全般に 衒学的要素は内包されるのであって、そこだけを論われるのは 論評としてフェアではないと思う。 登場する敬虔なお坊さん、研ぎ澄まされた寡黙な錬金術師、 錬金術師に使える畸形の下男、下男の妻は村の堕落した司祭に孕まされ、 生まれた子供は唖、更には洞窟に囲われる謎の生物と設定はド変態の極み。 人間の業が聖性を生み、聖性が新たな業を生むというスパイラル。 そのスパイラル自体の業性と一気にすべてを破壊する奇跡。 衒学的だろうが、ここまで描ききれば見事と思う。

Posted byブクログ