パレード の商品レビュー
東京という無機質な世界に住む者たちの心の闇。 まず物語を進行する上のカメラワークが面白い。 また読みやすくそれぞれの思いや感情が折り重なり楽しく読めた。 この物語は東京を舞台に、性別年齢や職業がバラバラな5人がルームシェアをする物語。 話全体は5人の掛け合いや行動が面白く楽し...
東京という無機質な世界に住む者たちの心の闇。 まず物語を進行する上のカメラワークが面白い。 また読みやすくそれぞれの思いや感情が折り重なり楽しく読めた。 この物語は東京を舞台に、性別年齢や職業がバラバラな5人がルームシェアをする物語。 話全体は5人の掛け合いや行動が面白く楽しく読めた。 しかし5人ではなく1人の描写に物語のスポットが当たると、 これが歪みや心の闇を全面に押し出している印象を受ける。 ただの明るく楽しいルームシェアの話ではない。 ルームシェアを円滑に進める上で自分自身がそれぞれ割り振られた役を演じなくてはならない。 自分自身の本来の素を家族や恋人でもない人たちにはさらけだせない。 そんな心の叫びさえ感じる。 最終章で明かされた1つの真実には静かな沈黙が流れた。 どんな人間でも心に闇を持っている。 そんな人間たちが1つ屋根の下で、それぞれの真実を語らず知らぬ間に暮らしていること。 その歪みと滑稽さを人は愛おしいと呼ぶのだと思う。
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狭いアパートをルームシェアする4人+1人のお話。 それなりに楽しそうな日常だけど、みんなはぐれ者っぽくてなんかこう、いたたまれない感がある。
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淡々と、というほどでもないけれど、けっしてドラマチックというわけでもない。みんな、ほどよく理解できそうな人々の、ちょっとだけ理解しがたい共同生活。うん、そこから何も起きることなく、物語を閉じることはできなかったのだろうか・・・
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う~ん、なんか消化しきれない。 映画公開当時(観ていない)、結構話題になっていて、 その時、ちょっと怖い、後味の悪そうな・・・感じ がしたのですが、小説も・・・ 続きは、長くなるので、よかったらこちらを・・・ http://tschuss12.jugem.jp/
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ルームシェアをする若者たちの「チャットのような」人間関係を描いた作品。ラストの衝撃的な展開が賛否両論あるのは否めないが、お互いが自分というものを演じつつ、人の秘密にも無関心を装いながら成り立っている人間関係のぞっとするような怖さを垣間見ることができたような気がした。
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「もっとミステリー調が良かった」というレビューを多く見たが、この小説はそこじゃないよな?と思う。 確かにドンデン返しに期待はしたが、振り返ってみると1章目から淡々と興味深い。 特に2章「大垣内琴美」 「すぐに興味の持てそうなものが思いつくわけでもないし、慌てて考えてみたところで...
「もっとミステリー調が良かった」というレビューを多く見たが、この小説はそこじゃないよな?と思う。 確かにドンデン返しに期待はしたが、振り返ってみると1章目から淡々と興味深い。 特に2章「大垣内琴美」 「すぐに興味の持てそうなものが思いつくわけでもないし、慌てて考えてみたところで、浮かんでくるのは、興味が持てそうなことじゃなくて、興味を持ったらきっと周りが羨ましがるだろうなってことばかりだった。」 ラスト一歩手前まで、彼らは同じ屋根の下で基本的に繋がっているのだとばかり思っていた。 しかし上記の琴美の台詞や他の心情描写を思い返すと、彼らの繋がりなんぞ最初から無かったことに気付く。 5者5様違う個性を描写しているのにも関わらず、そこだけはそれぞれの人物からしっかり匂わしていることに驚きました。 吉田修一、他の作品も読んでみたい
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9年ぶりに、読み返し。 最後のオチだけ強烈に覚えてたけど、あとはすっかり忘れていて 楽しめました。男女5人のシェアハウス生活で、 そこそこ優しくて、そこそこ無関心で、居心地良さそう。 3人以上で住むのは、そういうところいいかもしれない。
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頭の悪い私は、結局この結末にどういう楽しみ方が出来るのか見出せぬまま本を閉じました。 ゾッともできなかった。もったいない。
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【ストーリー】 5人の若者の奇妙な2LDK共同生活を描いた青春小説。いつの時代も現実は厳しい。でもふさわしい自分を演じればそこは、誰もが入れる天国になる。杉本良介21歳、H大学経済学部3年。大垣内琴美23歳、無職。小窪サトル18歳、「夜のお仕事」に勤務。相馬未来24歳、イラスト...
【ストーリー】 5人の若者の奇妙な2LDK共同生活を描いた青春小説。いつの時代も現実は厳しい。でもふさわしい自分を演じればそこは、誰もが入れる天国になる。杉本良介21歳、H大学経済学部3年。大垣内琴美23歳、無職。小窪サトル18歳、「夜のお仕事」に勤務。相馬未来24歳、イラストレーター兼雑貨屋店長。伊原直輝28歳、インディペンデントの映画配給会社勤務。5人の生活がオムニバスで綴られる。
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アマゾンのレビューで「怖い」とか言われてたけど、じわじわくる怖さなのかなーと思った。 でも、オチが読めていた上に、なんか尻切れトンボで微妙な終わり方。余韻を残す終わり方、といえば聞こえはいいが、美咲が今の彼氏を連れてなんでマンションに入ったのか不明だし、いろいろなものが宙ぶらり...
アマゾンのレビューで「怖い」とか言われてたけど、じわじわくる怖さなのかなーと思った。 でも、オチが読めていた上に、なんか尻切れトンボで微妙な終わり方。余韻を残す終わり方、といえば聞こえはいいが、美咲が今の彼氏を連れてなんでマンションに入ったのか不明だし、いろいろなものが宙ぶらりんのまま。 最終章まではそれなりに笑いながら読めたので、☆は3つで。
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