パレード の商品レビュー
ルームシェアする5人の男女の物語。思わずクスリと笑ってしまうほど会話は軽妙なのに、なぜか5人全員に「見せてない裏面」を感じずにはいられない。物語の構成からみてどうもあの人が事件に関わっているのではないかとは想像がついたものの、その結末は意外だった。それでいて彼らならそうくるだろう...
ルームシェアする5人の男女の物語。思わずクスリと笑ってしまうほど会話は軽妙なのに、なぜか5人全員に「見せてない裏面」を感じずにはいられない。物語の構成からみてどうもあの人が事件に関わっているのではないかとは想像がついたものの、その結末は意外だった。それでいて彼らならそうくるだろうなと納得できた。だって共同生活の極意とは、場に適応できる「この部屋用の私」を各自が用意すること。・・そして「害」が自らに及ばない限り深入りしないこと、なのだから。
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それぞれの個性はそれなりに面白いこともなくはない だけど、あまりに希薄すぎる繋がりが、 (この希薄な関係性がこの物語を貫くのだろうけども) まったく上滑りな感じがした。 確かに昨今の若者達の関係性って希薄で見えているところだけの 「話して良い話における」繋がり、って側面も多いだ...
それぞれの個性はそれなりに面白いこともなくはない だけど、あまりに希薄すぎる繋がりが、 (この希薄な関係性がこの物語を貫くのだろうけども) まったく上滑りな感じがした。 確かに昨今の若者達の関係性って希薄で見えているところだけの 「話して良い話における」繋がり、って側面も多いだろうけど、 こんな感じじゃないんじゃないか。 また、最終章の唐突さはどう解釈も出来ない。 あんなもんだ、と言えばあんなもんかもしれないが。 観ていないが、映画ではどうなって終わったんだろう。
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すべてラストにさらわれました。 最初はおかしくって読みながら笑っちゃったりもしたんだけど、 ラストに心をさらわれ空っぽになりました。 怖いと思いました。 わらっていいとものくだり最高だった。 伏線がわかりやすっ
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「パレード」 吉田修一 http://www.amazon.co.jp/gp/aw/images/4344001559/ref=aw_imgblk_0?ie=UTF8&selIdx=0 これは読む人によって印象が違うだろうなー。 私の場合は、読み終えた直後は何が何だ...
「パレード」 吉田修一 http://www.amazon.co.jp/gp/aw/images/4344001559/ref=aw_imgblk_0?ie=UTF8&selIdx=0 これは読む人によって印象が違うだろうなー。 私の場合は、読み終えた直後は何が何だか良く分からなくて、ネットで調べていろんな人の感想も読んだけどイマイチしっくり来なくて、だから、これが小説の中の出来事ではなく、もし本当に、実際に起こったとしたら・・・そう考えると途端に恐ろしくなって、フィクションで良かった、そう安堵するような、そういう感じの怖さなのかな、と自分なりに解釈して終わりました。 よく作り込まれたミステリー小説というよりは、もっと感覚的な怖さというか。ついいつものくせでこれがこの伏線でーとか理論づけしたくなってしまうけど、この小説でそれやり出すと途端につまらなくなる。肌で感じて、あれこれ考えず、感じたままに慄くのが一番良いと思う。 ★★★☆☆ 以下、内容(「BOOK」データベースより) いつの時代も現実は厳しい!でも相応しい自分を演じれば、そこは誰もが入れる天国になる。先の見えない五人の微妙な2LDK共同生活。
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反復の効果を上手く使っているとおもう。 ある事柄を誰が、どのタイミングで語るのか、作中でそれは何度語られるのか。 それから、なくてもよいエピソードの軽さと重さ。 そこに期せずしてぞっとしたりする。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
面白かった。 ルームシェアの話というのは、映画の宣伝などで知っていたけど、こんなふうなオチになっているとは。 「世界」に対する変化を求めたがゆえの行動という占い師の言葉とか、伏線がいろいろあって、よく考えると怖い。 また、タイトル「パレード」の意味も知恵袋での意見で納得できた。 一見、一番先頭で行進している者が、全体を引っ張っているように 見えるけど、でも、果たして本当にそうなのか? 「先頭の人間は、後ろの者たちに押されてるだけなんじゃないのか?」 主導権を握っているのは、ホントは誰なんだ? ・・・なるほど。奥が深い。 参考 http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1360651583
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みんな、なんかしらもんだいを抱えつつも、ほのぼの日常系だなぁと読み進め。 最終章でえっ!? うそ!? いい裏切られ方でした。 おもしろい。
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女二人と男三人が共同生活を送るこの2LDKは、何ともいえない不思議な空間だ。それぞれが「この部屋用の自分」を創り出している、ゆえにこの部屋には「実際の自分」は誰もいないことになる…?住人の一人、未来はそう逡巡する。 それぞれの日常は、表面のからりとした明るさの中に、痛々しさが時折...
女二人と男三人が共同生活を送るこの2LDKは、何ともいえない不思議な空間だ。それぞれが「この部屋用の自分」を創り出している、ゆえにこの部屋には「実際の自分」は誰もいないことになる…?住人の一人、未来はそう逡巡する。 それぞれの日常は、表面のからりとした明るさの中に、痛々しさが時折見え隠れする。そのバランスが、よくある青春ドラマになりがちなところを、いかにも現代風で新しい感じにしている。 ☆山本周五郎賞
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同じ部屋に住む5人の男女。 それぞれがそれぞれに悩みを抱え、それぞれの思いを抱き、生活する、そんな姿をそれぞれの視点で描いていく。 ほのぼのした日常生活が淡々と描かれていたなぁという印象。 読みやすかったが、ラストもあっさり終わっていってしまった感。
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(2006年に読了したときの感想) 「東京湾景」が結構面白かったので、続けて読んでみた。 あるマンションの一部屋に住む、男女5人。 ふぬけの大学生・恋愛依存症の女・自称イラストレーターのおこげ・健康おたくのジョギング野郎そして、「夜の仕事」をしている18歳のサトル。 一章ごとに...
(2006年に読了したときの感想) 「東京湾景」が結構面白かったので、続けて読んでみた。 あるマンションの一部屋に住む、男女5人。 ふぬけの大学生・恋愛依存症の女・自称イラストレーターのおこげ・健康おたくのジョギング野郎そして、「夜の仕事」をしている18歳のサトル。 一章ごとにそれぞれ一人称で書かれているため、とても読みやすく、また自分で思う自分と他人が思う自分とのギャップが興味深い。 ストーリーも、それぞれの視点で書かれているのに時間軸がしっかりと繋がっていて伏線となっていてうまい。 それぞれが「自分」を客観的にみつめつつ、「うそ」をついて生きている、うそを嘘と知りつつ、それがいつの間にか居心地よく感じてくるあたりが怖い。 中盤は結構笑える場面もあって、ストーリーに引き込まれたが、最終章で突然明かされた事実に驚いてしまった。 最後はなんだか中途半端に終わってしまったけれど、これはあくまでフィクション。フィクションだから楽しめるのだ・・・と自分に言い聞かせたような小説。 吉田修一という作家、好きになったぞ! ★★★★
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