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パレード の商品レビュー

3.5

161件のお客様レビュー

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    16

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第16回「山本周五郎賞」受賞。

2LDKの部屋をシェアして暮らす、5人の男女。彼らの間に漂う優しい嘘、本音と建前に満ちた生活は、一見穏やかだが……。人の心に隠された毒が、随所できらりと光る。第16回「山本周五郎賞」受賞。

zxc

2024/09/13

都会の若者のルームシェアってこういうものかと、 大学生良介の語りから始まり、青春モノかと思いきや奇異さが際立ってくる。各章一人称で読みやすかったが、未来の章で付いて行き辛くなった。 日常を淡々と、そして情報量の多さにまどろっこしくなってしまった。予想してしまったからか、そこまでこ...

都会の若者のルームシェアってこういうものかと、 大学生良介の語りから始まり、青春モノかと思いきや奇異さが際立ってくる。各章一人称で読みやすかったが、未来の章で付いて行き辛くなった。 日常を淡々と、そして情報量の多さにまどろっこしくなってしまった。予想してしまったからか、そこまでこわさを感じなかった。再読すれば、違うこわさを感じるのだろうが、体調が良く、自分的に頭が冴えているとき読むべきだと思った。冒頭の、他人との距離を車の運転になぞらえる場面はけっこう印象深い。 自分を演じれば、そこは誰もが入れる天国になる。

Posted byブクログ

2024/07/14

5人の若者の奇妙な2LDK共同生活を描いた青春小説。いつの時代も現実は厳しい。でもふさわしい自分を演じればそこは、誰もが入れる天国になる。杉本良介21歳、H大学経済学部3年。大垣内琴美23歳、無職。小窪サトル18歳、「夜のお仕事」に勤務。相馬未来24歳、イラストレーター兼雑貨屋店...

5人の若者の奇妙な2LDK共同生活を描いた青春小説。いつの時代も現実は厳しい。でもふさわしい自分を演じればそこは、誰もが入れる天国になる。杉本良介21歳、H大学経済学部3年。大垣内琴美23歳、無職。小窪サトル18歳、「夜のお仕事」に勤務。相馬未来24歳、イラストレーター兼雑貨屋店長。伊原直輝28歳、インディペンデントの映画配給会社勤務。5人の生活がオムニバスで綴られる。 若者の奇妙な共同生活。家主は、恋人と暮らしていた直輝。そこへ未来が転がり込んできて、恋人は去っていく。そして、直輝の後輩の後輩である良介がやって来て、未来の友人の琴美がやってくる。なんというか、本当に不思議な関係性だった。 だけど、なんというか楽しそうというか楽というか少し羨ましくなった。未来は、何かを飲みつぶれて帰ってきて、琴ちゃんはリビングでドラマの再放送見ながら、人気俳優となった彼氏からの連絡を待っているし、良介はお世話になっている先輩の彼女に夢中だし、直輝も直輝でこの生活を楽しんでいるようなかんじ。 そんな4人の生活にサトルが入ってきて、何かが変わりそうな雰囲気はするけど、ずっと4人でいたときと変わらぬ生活。本当に、これって若者のなんとなく過ごしている生活の話なんかなって思ってしまうけど、なんでか分からないけど引き込まれてしまう不思議さがった。 この作品が出た頃が、2000年代初めの頃みたいで、なんだか懐かしのワードが出てくる。琴ちゃんがリビングで見ている「ナースのお仕事」は、懐かしすぎたし、私も見てたなぁって思ってしまった。そして、琴ちゃんが言っていた「インターネットの掲示板みたいな生活」。あの頃、趣味や好きなことで語り合う掲示板。たまに現れる荒らしの人もいるけど、大抵はいつもそこにいる常連さんと慣れ合うかんじで話す。いつ掲示板を出て行っても入っていっても「どうぞ」ってかんじ。あのかんじの生活。不思議だ。 ずっと続くと思っていた若者たちの生活。だけど、最後の章の後半になってから少し雰囲気が変わる。急になんだか怖くなる。みんな彼がやっていることには気がついてるけど、あえてそれについては言及しないし、生活は続いていく。ちょっと怖い。なんだか、今まで読んできた彼らの奇妙な生活が、姿を変えて見えた。なんなの?マジで。今まで読んで来たあれはなんだったの?ってなった。 あの5人の生活は、きっとあのまま続いていく。誰かが出て行っても、何事もなかったみたいに。もう怖い。若者の青春小説の顔をした何かだよ、この物語は。 2024.7.14 読了

Posted byブクログ

2023/08/27
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※このレビューにはネタバレを含みます

上司に勧められて読んでみたけど、まさかの大ドンデン返しに驚いた。色んな意味でもう一回読みたい。別の作品も読んでみたいと思えた。読み終わった後に小説の世界に取り残される感覚がある。コンディション良い時に読んでほしいな。

Posted byブクログ

2022/10/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

吉田修一著『パレード』(幻冬舎) 2002.2発行 2017.3.11読了 第15回山本周五郎賞受賞作  ここでの共同生活は、求められる役割を演じることによって成立している。ここではシリアスな役割は求められない。それは、あたかもビデオテープに映像を上書きするように、善意で乱暴に上塗りされた空間。まるで真実味のない空間に居心地の良さを感じる彼らは、何が起きても共同生活の秩序を維持しようとする。もとをただせば、直輝の身勝手な理由から始まった共同生活だが、思惑とは裏腹に、変化は悉く裏切られ予定調和の現実から逃れられない。さながら直輝はチャット上の荒らしであり、テレビのザッピングであり、彼らにとって迷惑な存在なのだ。  社会生活を送っていると、場の空気を壊す人と遭遇することがある。私は同調を嫌うタイプなので、どちらかといえば壊す側かもしれないが、ムードに同調するのも嫌いなタイプ。要は友達が少ないタイプ(笑)。私に分かることは、場の空気で押し潰さんとする暗黙裡というものは恐ろしいということ。直輝とは別の狂気を感じる。 URL:https://id.ndl.go.jp/bib/000004323584

Posted byブクログ

2022/03/01

「国宝」で吉田修一さんのファンになり、著者の山本周五郎賞受賞作「パレード」と芥川賞受賞作「パークライフ」を読んでみたが、どちらもイマイチ入り込めなかった。映画「怒り」は良かったので、もしかしたら映画を観たほうが心が動くのかも。著者の旅エッセイはとても好き。

Posted byブクログ

2020/11/18

ラストに2度驚くと触れ込みアリで期待して読むと、ああ、なるほどそんなもんかと思ってしまうけど。 それ以上に、登場人物一人一人の心理描写や科白が胸にきます。特に「みんなが知ってるサトルなんて、誰も知らないんだよ。そんな奴、この世には存在しないの。」

Posted byブクログ

2019/12/20

適度な距離感を保ちながら共同生活を続ける男女5人の、それぞれの目線から語られる数日間の話。二十代の若者の些細な日常を描いた読みやすそうな物語だと思い手に取ったが、読み始めて2日目に最後のページの最後の一行がたまたま目に入ってしまったために、わたしはある疑問を持ちながら先を読み急ぐ...

適度な距離感を保ちながら共同生活を続ける男女5人の、それぞれの目線から語られる数日間の話。二十代の若者の些細な日常を描いた読みやすそうな物語だと思い手に取ったが、読み始めて2日目に最後のページの最後の一行がたまたま目に入ってしまったために、わたしはある疑問を持ちながら先を読み急ぐ羽目になった。 途中から感じるある違和感のせいで、その言葉がだれのものだったのか気がつく。 都合のよい他人との心地よい関係なんて、この世に存在しない。そこにあるのは、無関心からくる残酷さだけだ。この本を読む自分自身もその一員となりながら、唐突に終わるこの話を読み終えて、わたしさえもが世界に取り残されたような気持ちになった。

Posted byブクログ

2018/03/05

映画を観て、補完すべく読みました。 5人の若者がそれぞれの問題を抱えて同居するも、 それを前面には出さず、ほどよい距離感で 過ごしてる生活が描かれています。 映画を観てしまったからなのか 正直なにも読み取れませんでした。

Posted byブクログ

2018/01/03

個性的な五人の共同生活をのぞいている感じがページをめくる勢いを掻き立てます。 ラストは意外すぎて。。。

Posted byブクログ