ローマ人の物語(3) の商品レビュー
第一次ポエニ戦役戦後。高校時代に戦争名と年号だけを必死に記憶したが、その裏にこれだけの物語が隠されていたとは!イタリア半島を統一したばかりの新興ローマ連合と地中海の覇者カルタゴの第一ラウンドは、司馬遼太郎の『坂の上の雲』に出てくる日本海海戦を思わす。それにしても驚くのは、全権委任...
第一次ポエニ戦役戦後。高校時代に戦争名と年号だけを必死に記憶したが、その裏にこれだけの物語が隠されていたとは!イタリア半島を統一したばかりの新興ローマ連合と地中海の覇者カルタゴの第一ラウンドは、司馬遼太郎の『坂の上の雲』に出てくる日本海海戦を思わす。それにしても驚くのは、全権委任総司令官とでも言うべき執政官の任期が一年しかなかったこと。次から次へと新任官が現れては、その任を果たし、ローマへと帰って行く。兵士も一年で総入れ替え。そして当時のローマには国債や、国勢調査の制度もあったとか。当時、日本は弥生時代。 1カ月1テーマ限定の予定だったが、面白いので『ハンニバルセン戦記』に突入。筆者の文体に慣れ、筆者が再構成したローマ世界が日常の様に思えてくる。ジャンルは大きく異なるが、高野秀行のビルマ三部作のような感じ。あちらは一巻物だが、こちらは全43巻!戻ってこれなくなったらどうしよう。 2012年07月24日
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ようやく学校で習った単語登場といった感がある。20年以上にわたる戦争ってどんなんだ?、となんとなく思っていたが、回答がここに書いてある。冬季には休戦があるので、長くなりがちというのがその答えの一つ。 ともあれ、20年以上って1世代分に相当する人が戦い続けているんだから、普通に考え...
ようやく学校で習った単語登場といった感がある。20年以上にわたる戦争ってどんなんだ?、となんとなく思っていたが、回答がここに書いてある。冬季には休戦があるので、長くなりがちというのがその答えの一つ。 ともあれ、20年以上って1世代分に相当する人が戦い続けているんだから、普通に考えれば国家として成立しないんじゃないのか?、と思うがその部分の解はない。一応、全人口が戦闘しているわけではなく6分の1程度の地域から選ばれて戦闘するわけだが、6年に1度は回ってくるんで3回も繰り返そうものなら、かなりの死亡確率のはず。講和を結んだときのローマ市民の喜びようが目に浮かぶ。 5段櫂船なるものをはじめて知った。それを陸の民ローマ人がおたおた操作している姿を思うかべるとちょっとほほえましかった。
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ローマ市民の自由とともに義務を負う徹底した姿勢に感心した。毎年の執政官の選出や軍の編成方法、戦闘の指揮の当番制、宿営地の作り方などシステムも見事。敗将は敗北したが故に学んでいるはずという考え方が印象的。
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高校時代に読んだものを 文庫で再読 単行本だと分厚い印象だったけど 文庫だと薄いなあ ずいぶんハンニバルに苦しめられる 記憶があるけど 第1次ポエニ戦争は 結構すんなりローマ人勝っちゃうんだな 高校時代がんばって読んでたなあ
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第1次ポエニ戦役を書いた巻。シチリアをめぐるカルタゴとローマの戦い。海上での戦いや戦役後の国力強化、軍事制度が非常に興味深かった。
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シチリア島を舞台とした第一次ポエニ戦役から第二次ポエニ戦役開始前までの歴史。地中海の覇権をかけてカルタゴと戦った第一次ポエニ戦役では、シチリア島を勢力下に置くことに成功し、その後、北辺のガリア人をひとまず退ける。
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第一次ポエニ戦争の開始から戦間期まで。 最初のクライマックスまでもうすぐ。盛り上がって参りました。
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この巻は、23年におよぶ第一次ポエニ戦争とその戦後を書いている。第一次ポエニ戦争はシチリア東部の都市メッシーナ(イタリア半島からの距離は3km)が庇護を要請したことから始まる。シチリアでの戦闘、ローマのアフリカ侵攻の敗北などを経て、ローマによるシチリア・サルディニア・コルシカの確...
この巻は、23年におよぶ第一次ポエニ戦争とその戦後を書いている。第一次ポエニ戦争はシチリア東部の都市メッシーナ(イタリア半島からの距離は3km)が庇護を要請したことから始まる。シチリアでの戦闘、ローマのアフリカ侵攻の敗北などを経て、ローマによるシチリア・サルディニア・コルシカの確保で終わる。この戦闘でローマは海軍をもつことになり、カラスというフックつきの橋をつかって、水上戦を陸上戦に変え連勝するが、海そのものには不慣れで、6万人も死んだ海難事故を起こした。アフリカ戦線では象にさんざんやられたが、象を塹壕に追い落としてしとめる方法も実行した。後半は、敗れたカルタゴと報酬支払いを求める傭兵部隊との戦闘、リビアとの戦闘が起こる。シチリアで善戦しながらも、和平の使者とならざるを得なかったバルカ(雷光)家のハミルカルは、スペインに渡って、ノヴァ・カルタゴを建設し、銀鉱などを開発、本国の農場に投資するまでになる。ハミルカルはスペインに発つとき、幼子のハンニバルにローマへの復讐を誓わせた。一方、ローマはシチリア東部を同盟国、シチリア西部をはじめての属州とした。また、軍団の再編成をして、軍隊の中産階級化が起こった。この巻でローマは海戦を経験するが、敗将を本当に罰しない国である。「一回失敗したから学んだだろう」といって、また軍をあずけて出撃させるのである。また、同盟国の子弟を近衛隊にするなど、とにかく、人を信じる国である。ローマはギリシア人を支配するときも、ギリシア語を自分から覚えた。塩野氏はローマ人とカルタゴ人の差を外国人とのコミュニケーションを楽しむか否かといっている。ローマの軍隊や行軍の様子、宿営地の作り方などリアルに書いてあって面白い。
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「難しいと感じる本は、今の自分には合ってないだけ。いつかスラスラ読める時が絶対くる」って、頭ボサボサの芸人が言ってたけど、合点! 1・2巻は面白いけど苦戦して時間かかったけど、3巻は髪切るの待ってる間に読めた。外人の名前は本当に頭に入ってこないけど、そんなアホなワタシのような読者...
「難しいと感じる本は、今の自分には合ってないだけ。いつかスラスラ読める時が絶対くる」って、頭ボサボサの芸人が言ってたけど、合点! 1・2巻は面白いけど苦戦して時間かかったけど、3巻は髪切るの待ってる間に読めた。外人の名前は本当に頭に入ってこないけど、そんなアホなワタシのような読者を優しく包むように書いてくれている塩野さんにありがとう。
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図書館でかりて、ハンニバル戦記のみ3冊一気に読みましたが、途中退屈するところもありました。映画化してくれるといいのになぁ。時間があるときにもっとじっくりと時間をかけて読みたい本です。
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