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ローマ人の物語(3) の商品レビュー

4.1

137件のお客様レビュー

  1. 5つ

    39

  2. 4つ

    49

  3. 3つ

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2018/10/20

前半は、スキピオの祖父やハンニバルの父親たちが紀元前264年から前241年にかけてシチリア島を奪い合う第一次ポエニ戦争の戦記。後世から見ればハンニバルらが活躍する第二次ポエニ戦争の前史であるが、当事者たちは、戦争が始まる時も終わる時も、まさかこんな因縁の対決となるとは誰も思ってい...

前半は、スキピオの祖父やハンニバルの父親たちが紀元前264年から前241年にかけてシチリア島を奪い合う第一次ポエニ戦争の戦記。後世から見ればハンニバルらが活躍する第二次ポエニ戦争の前史であるが、当事者たちは、戦争が始まる時も終わる時も、まさかこんな因縁の対決となるとは誰も思っていなかっただろう。海軍を持つどころか、海での戦いなどついぞ経験したことがなかった陸のローマと、既に西地中海を手中に治めていた経済大国カルタゴ。数字だけ見ると有利であったカルタゴを、戦続きで洗練された戦術を持ったローマが幾多の海難事故に見まわれつつも撃破していく戦歴はまさに痛快。そしてついにはローマの勝利で一旦は両者とも矛を収めるが、それでおしまいとならないのが人の戦争の歴史というものか。 恨みつらみを背負ったまま、スペイン征服により力を蓄えるハンニバル一族。西に続き、東のアドリア海と北のケルト人領土で戦火を広げるローマ。いよいよ本番ともいえるハンニバル戦記本戦は、次巻に持ち越し。後半で語られるのは、さらに発展が進むローマのシステム。 シチリア・コルシカ・サルデーニャと支配領域が増えたことによって拡張される連合方式と、街道のインフラ整備。選挙と抽選でバランシングした軍団編成のシステム化。そして編成方法はもちろん、同盟軍の編入単位から戦列の組み方、軍規や賞罰、宿営地建設方法にまで至る、徹底されたマニュアル化。軍のトップから一兵卒に至るまで、一年単位で離散集合を繰り返すことから必要とされた共和国ならではのこのシステム化・マニュアル化こそ、人類が獲得すべくして獲得した現代にまで続く”システム"という考えの発端なのではないかとさえ思わさせられる。 しかし、そんな大企業のような内部の変化には強いシステム化・マニュアル化が、ベンチャーのようなマニュアルを必要としない熟練達と、それを率いる天才に如何に苦しめられ、またそれを克服するのか。因縁の対決は次巻に続く。

Posted byブクログ

2014/03/12

本が薄くてサラッと読めるけど、それは筆致のなせる業であって、内容は全然薄っぺらくない。世界史を殆ど学んでないから、ポエニ戦役って言われても全くピンとこないけど、何となく流れは見えてきた。シチリア島をめぐるローマ対カルタゴの合戦なんですね。俄仕立てに思える海軍で勝利しちゃったり、い...

本が薄くてサラッと読めるけど、それは筆致のなせる業であって、内容は全然薄っぺらくない。世界史を殆ど学んでないから、ポエニ戦役って言われても全くピンとこないけど、何となく流れは見えてきた。シチリア島をめぐるローマ対カルタゴの合戦なんですね。俄仕立てに思える海軍で勝利しちゃったり、いかにも古代って感じの戦果が目白押しだけど、これから有名人とかが台頭して、いよいよ戦略が大事になってくる、って流れなんでしょうか。

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2013/09/24

ここから3巻は、『ローマ人の物語』序盤の華「ハンニバル戦記」だ。全編を通しても、「ユリウス・カエサル」に次ぐ面白さだろう。ただし、序章にあたるこの巻には、まだハンニバルは登場して来ない。彼の父親のハミルカルと、それ以前の時代だが、地中海の覇権をかけて、ついにローマとカルタゴが第1...

ここから3巻は、『ローマ人の物語』序盤の華「ハンニバル戦記」だ。全編を通しても、「ユリウス・カエサル」に次ぐ面白さだろう。ただし、序章にあたるこの巻には、まだハンニバルは登場して来ない。彼の父親のハミルカルと、それ以前の時代だが、地中海の覇権をかけて、ついにローマとカルタゴが第1次ポエニ戦役を闘うのだ。この時から、陸の王者であったローマも海軍を持つことになった。「カラス」の発明など、前半は躍動感に溢れるが、それだけにローマ軍団の説明となる後半は、幾分かの退屈は免れない。しかし、いよいよハンニバルの登場だ。

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2013/09/22

ローマが、時代の大きな流れの中、地中海の覇権国家へとなってく大きなきっかけを扱う巻。当時一流の大国家カルタゴを敵に回すことになり、戦いの場が、地上から海上へ移り行く。戦いの中で、ローマの最大にして最強の敵ハンニバルが生まれることになる。

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2013/08/21

ハンニバル戦記上。ローマの力が大きくなり、地中海シチリアにさしかかる。当時の地中海の大国といえばカルタゴ。カルタゴとの戦争を紡いだ巻の上巻である。海とは関わりを持たなかったローマが海洋都市国家であるカルタゴと、見よう見まねで海戦をしたり、いきおい勝ってしまったり、無知からくる極端...

ハンニバル戦記上。ローマの力が大きくなり、地中海シチリアにさしかかる。当時の地中海の大国といえばカルタゴ。カルタゴとの戦争を紡いだ巻の上巻である。海とは関わりを持たなかったローマが海洋都市国家であるカルタゴと、見よう見まねで海戦をしたり、いきおい勝ってしまったり、無知からくる極端な海難事故で痛手をこうむり、おしつおされつ、しかし確実に力をつけ国家にまで成長するところ。ハンニバルが登場する前まで。  ローマ人がなぜ特別だったのか、いろいろ考えつつ読み進めるが、ここでもいろいろと見えてくる。著者も強調しているが、ローマの価値観の第一は名誉であるというところ。それなので物質的な損得以上のものが市民を突き動かしていたというところが特別だ。戦争は勝つこともあれば、負けることもある。ローマもしかり。しかし名誉心からくる、犠牲精神と寛容さがローマを戦争の時代をして特別たらしめたと感じることができる。 13/8/21

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2013/08/10

 イタリア半島を統一したばかりのローマがカルタゴと戦ったポエニ戦役のうち,最初の第一次ポエニ戦役とその戦後の両国の対応までが物語られています。  はじめて海軍を作り,海戦に訴えたローマと,当時の一大経済大国で海軍国,海運国であったカルタゴの違い,そしてローマが勝ち,シチリアを支配...

 イタリア半島を統一したばかりのローマがカルタゴと戦ったポエニ戦役のうち,最初の第一次ポエニ戦役とその戦後の両国の対応までが物語られています。  はじめて海軍を作り,海戦に訴えたローマと,当時の一大経済大国で海軍国,海運国であったカルタゴの違い,そしてローマが勝ち,シチリアを支配下に置き,はじめて「属州」を作ったローマの飛躍などがこの作品での読みどころです。  ハンニバルとスキピオ・アフリカヌスが活躍する第二次ポエニ戦役の前哨戦としての物語として面白く読めると思います。

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2013/05/21

結論だけ書いてしまえば短い歴史だが、経過を追っていくと、第一次ポエニ戦争だけでも非常に深くて面白いと感じた。

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2015/11/09

3~5巻までのサブブタイトルがハンニバル戦記だけど、3巻にはほとんどハンニバルは出てこない。終わりごろになってやっと少し出てきたくらい。カルタゴとの戦いはハンニバル以前から壮絶だった。主役?もしくは準主役?のハンニバ前ルのエピローグに1冊費やすなんて、やっぱり歴史は奥が深い。寅さ...

3~5巻までのサブブタイトルがハンニバル戦記だけど、3巻にはほとんどハンニバルは出てこない。終わりごろになってやっと少し出てきたくらい。カルタゴとの戦いはハンニバル以前から壮絶だった。主役?もしくは準主役?のハンニバ前ルのエピローグに1冊費やすなんて、やっぱり歴史は奥が深い。寅さんのいない男はつらいよ、浜ちゃんのいない釣りバカ日誌なんてあり得ないよ。ハリーポッターなんて赤子も同然だな。

Posted byブクログ

2013/03/31
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

どんどんおもしろくなってきます! いよいよローマとカルタゴの戦い! ハンニバルに興奮するぜ!

Posted byブクログ

2013/02/18

いよいよカルタゴとの第1次ポエニ戦役である。 地中海の制海権を得るために必要となるシチリア。 シラクサ僭主ヒエロンとの講和は相変わらずローマのうまさを感じさせた。 いよいよローマも本格的な海軍を設立するわけであるが、カルタゴの船を真似て大量生産をしてしまうことにも驚かされる...

いよいよカルタゴとの第1次ポエニ戦役である。 地中海の制海権を得るために必要となるシチリア。 シラクサ僭主ヒエロンとの講和は相変わらずローマのうまさを感じさせた。 いよいよローマも本格的な海軍を設立するわけであるが、カルタゴの船を真似て大量生産をしてしまうことにも驚かされる。 度重なる台風で多くの損害をこうむりながらもカルタゴと講和を結んでしまうローマには脱帽である。 いよいよ次はスペインへ入植したハミルカルの息子・ハンニバルの登場である。 この第一次ポエニ戦役は、ハンニバルとの戦いである第二次ポエニ戦役のための前ふりのようである。 次が楽しみだ。

Posted byブクログ