ビジョナリーカンパニー(2) の商品レビュー
リーダーの本棚 フィデリティ投信社長 チャック・マッケンジー氏 日本経済新聞 朝刊 読書 (27ページ) 2018/3/3 2:30 経営をバスに例えています。適切な人を乗せて適切な席に座らせ、その後に目的地を決めればいいというのです。まずビジョンを示すという常識と真逆でした。社...
リーダーの本棚 フィデリティ投信社長 チャック・マッケンジー氏 日本経済新聞 朝刊 読書 (27ページ) 2018/3/3 2:30 経営をバスに例えています。適切な人を乗せて適切な席に座らせ、その後に目的地を決めればいいというのです。まずビジョンを示すという常識と真逆でした。社員の管理の仕方も、働きぶりに満足がいかない社員のパフォーマンスを上げようと努力するより、適切な人を連れてくるべきだと説きます。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
自身のビジネス経験を基に書かれた本は数多あるが、徹底的に行った客観的な調査に基づいて、普遍的法則をあぶり出している点で、この内容は、非常に信頼できる。 謙虚さを持って、チームのために野心を燃やす。第五水準のリーダーシップ。 最初に人を選び、その後に目標を選ぶ。 厳しい現実を直視する。どうやって意欲を引き出すかに努力はいらない。現実を無視することは、意欲を挫く行動である。 針鼠の概念 不適切な人をバスから降ろせば、人を管理するための規律はいらない。三つの円が重なる部分に集中するためのシステムを守る規律が必要。このシステムを管理し、人にはその中で自由と責任を与える。 技術は起爆剤ではなく促進剤。 劇的な転換はゆっくり進む。決定的な行動や魔法の瞬間はない。一貫性を持って一つの方向に押し続けていれば、弾み車に勢いがつく。 継続している偉大な企業は、基本的な価値観.目的を維持しつつ、世界の変化に絶えず適用している。
Posted by
素晴らしい本。いわゆる成功者の話や思想と異なり、キチンとした差異分析に基づいた結果をまとめている。それぞれの原理原則はシンプルなものだが、徹底して実行するのが簡単ではない。針鼠の概念に集中しようと思っても、不安になり色々と手を出してしまったり、誰をバスに乗せるかを徹底できなかった...
素晴らしい本。いわゆる成功者の話や思想と異なり、キチンとした差異分析に基づいた結果をまとめている。それぞれの原理原則はシンプルなものだが、徹底して実行するのが簡単ではない。針鼠の概念に集中しようと思っても、不安になり色々と手を出してしまったり、誰をバスに乗せるかを徹底できなかったりする。この本は自分のステージにより異なる気づきが得られる。また読み返したい一冊。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
良い企業が偉大な企業になるためには、その共通要素はなんなのかということを莫大な調査のもと明らかにしたものをまとめた本。もちろん簡単ではないが、参考になる部分は少なくなく面白い。 <メモ> ・第五水準のリーダーシップ 個人としての謙虚さと職業人としての意思の強さを兼ね備えたリーダー。 ・最初に人を選び、その後に目標を選ぶ。 ・厳しい現実を直視する。(勝利への確信は失わない) ・ハリネズミの概念 ・規律の文化 規律ある人材に恵まれていれば階層組織は不要なはず。規律の文化と起業家の精神を組み合わせれば、偉大な業績を生み出す魔法の妙薬になる ・促進剤としての技術 ・はずみ車と悪循環 巨大で重い弾み車を一つの方向に回し続けるのに似ている。 ・ハリネズミの概念 情熱を持って取り組めるもの+経済的原動力になるもの+自社が世界一になれる部分 この三つが重なる部分に資源を集中させる。 ・中核事業で世界一を目指す。
Posted by
この本を読むきっかけが何だったかを思い出せない。マインドフルネス関係でやたらと引用されていたんだっけ?
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
Good企業がGreat企業へ飛躍できるか否かの違いを記した著。 飛躍した企業は、「してはならいこと」と「やめるべきこと」を重視している。 飛躍した企業は、「規律ある人材」を揃えれば「モチベーションアップ」は不要。 飛躍した企業は、経営者が「謙虚さ」と「不屈の精神」を兼ね備えている。 偉大なリーダーは、適切な人を乗せ、不適切な人を降ろしてからバスを出発する。 偉大なリーダーは、困難は必ず乗り越えられると信じるが、厳しい現実も直視する。 偉大なリーダーは、中核事業に世界一になれるものを据える。 偉大なリーダーは、リーダーシップ頼みや神頼みにはしない。
Posted by
・良好(グッド)は偉大(グレート)の敵である。偉大だといえるまでになるものがめったにないのは、そのためでもある。 ・飛躍を指導したリーダーは万事に控えめで、物静かで、内気で、恥ずかしがり屋ですらある。個人としての謙虚さと、職業人としての意思の強さという一見矛盾した組み合わせを特...
・良好(グッド)は偉大(グレート)の敵である。偉大だといえるまでになるものがめったにないのは、そのためでもある。 ・飛躍を指導したリーダーは万事に控えめで、物静かで、内気で、恥ずかしがり屋ですらある。個人としての謙虚さと、職業人としての意思の強さという一見矛盾した組み合わせを特徴としている。 ・偉大な企業への飛躍を指導したリーダーは、まずはじめに新しいビジョンと戦略を設定したのではなく、最初に適切な人をバスに乗せ、不適切な人をバスから降ろし、適切な人がそれぞれにふさわしい席に座ってから、どこに向かうべきかを決めている。「人材こそがもっとも重要な資産」という格言は誤り。人材が最重要の資産なのではなく、適切な人材こそがもっとも重要な資産なのだ。 ・第5水準の指導者は成功を収めたときは窓の外を見て、成功をもたらした要因を見つけ出す(具体的な人物や出来事が見つからない場合には、幸運をもちだす)。結果が悪かったときは鏡を見て、自分に責任があると考える(運が悪かったからだとは考えない)。 ・偉大な企業になるには、3つの円(経済的原動力になるもの、自社が世界一になれる部分、情熱をもって取り組めるもの)が重なる部分を深く理解し、単純明快な概念を確立する必要がある。その際のカギは、自社が世界一になれない部分はどこかを理解すること(世界一に「なりたい」分野ではない)。 ・経済的原動力になるのが何かを見つけ出すには、最大の影響を与えるひとつの分母を探し出すべき(企業ならX当たり利益)。 ・規律の文化には二面性がある。一方では一貫性のあるシステムを守る人たちが必要だ。しかし他方では、このシステムの枠組みのなかで、自由と責任を与える。 ・飛躍した企業は技術の流行に乗るのを避けているが、慎重に選んだ分野の技術の利用で先駆者になっている。技術は適切に利用すれば業績の勢いの促進剤になるが、勢いを作り出すわけではない。 ・技術の変化にどう対応するか、動機の違いを見事に示す。偉大な企業は思慮深く、創造性豊かに対応し、自社の可能性を実現したいとの動機によって行動する。凡庸な企業は受身になって右往左往し、取り残されることへの恐怖によって行動する。 ・偉大な企業への飛躍は、外部からみれば劇的で革命的だと見えるが、内部からみれば、生物の成長のような積み重ねの課程だと感じられる。最終結果がどれほど劇的であっても、偉大な企業への 飛躍が一気に達成されることはない。決定的な行動、壮大な計画、画期的な技術革新、たったひとつの幸運、魔法の瞬間といったものはない。 ・第5水準のリーダーたちが行った経営の本質は、「適切な人材」の選別、確信と現実直視、世界一戦略、規律文化の醸成に集約される。彼らの戦略は「どんな困難にぶつかっても最後には必ず世界一になれるのだという確信をもつと同時に、自分がおかれている現実を直視する」ということと、「規律ある人々との徹底的な対話を通じて自分たちが世界一になれる分野となれない分野を見極め、なれる分野にエネルギーと情熱を傾注する」という2つの原則を軸に構成されている。そして同時に、事業の原動力として最も重要な数値をわかりやすく指標化し、それを基に事業展開する体制を作り上げている。未来を信じると同時に現実を直視し、自らの強みと弱みを熟知した上で、単純で実行可能な戦略を地道に行動に移すことを第5水準のリーダーたちは着実に実践した。規律の文化と起業家精神を併せもつことが、偉大な業績の原動力となる。規律の文化=型。型は人を枠にはめるが、すぐれた型を体得すれば、動きに無駄がなくなり自由が保証される。型は獲得するだけで終わりではない。型には不断のフィードバックを通じて革新し続ける「守破離」という自己超越プロセスが組み込まれている。このような意味で、グレートカンパニーに飛躍した企業では優れた型が共有されていたということには納得がいく。偉大な企業を創造した経営者はカネ以外の社会的な使命感によって経営を行い、その結果資産を得たのでありその逆ではなかった。アメリカ型の経営というと、我々はすべてを分析的に捉え、「競争に勝つ」という相対価値を飽くことなく追求する経営スタイルを連想しがちだが、グレートカンパニーになった企業の指導者たちからは、一貫して「社会に対する使命」という絶対価値を追求する強い意志力が伝わってくる。 by野中郁次郎氏
Posted by
「ビジョナリー・カンパニー」のレビューを書いたので、ついでにその続編のほうも。 この本も、「ビジョナリー・カンパニー」同様のスタイルで、きわめて、しっかりした研究デザインのもと、インタビュー調査、定量分析、そして研究チームでのディスカッションのもとに書かれていて、見事というほ...
「ビジョナリー・カンパニー」のレビューを書いたので、ついでにその続編のほうも。 この本も、「ビジョナリー・カンパニー」同様のスタイルで、きわめて、しっかりした研究デザインのもと、インタビュー調査、定量分析、そして研究チームでのディスカッションのもとに書かれていて、見事というほかない。普通なら、研究助手がデータ分析をやって、それに基づき教授が一人で考えて書くというスタイルになりそうだが、非常に意欲の高いチームがさまざまなアイディアや解釈を戦わせながら、研究を進めていることがにじみ出ていて、共感した。 内容的には、この本は、「ビジョナリー・カンパニー」の続編というより、実は前編だったといったことが、書いてあるのが印象的。つまり、普通に「良い」会社がいかに「偉大」になるのかという話。そういう意味では、「ビジョナリー・カンパニー」よりテーマ的に地味。だけど、普通の会社に勤める大多数の人にとっては、より実用的かな。 偉大になるということは、ある一つのことがきっかけでなるというわけではなく、極めて小さなアクションがどんどん積み重なった結果として誰もどうしてこういうことになったのか分からないほどの変化を生みだすというもの。喩えとしては、重い弾み車をまわすようなもので、最初は回っているのかどうか分からないのだけど、回り始めると誰にも止められなくなる。 最後のほうに、どうして「良いではなく、偉大にならなければ、ならないのか」という素朴な質問への解答が書いてあって、答えは「人生の充実」というもの。結局、そういうことなんだな。
Posted by
アメリカのビジネス書を読んでいると、やたらこの「ビジョナリー・カンパニー2」への言及が出てきます。 「なんで2なの?1じゃないの?」という疑問とともに本著を手に取ったのですが、なるほど。1は偉大な企業についての分析、2は普通の企業が偉大な企業に変化した要因を分析したもので、確かに...
アメリカのビジネス書を読んでいると、やたらこの「ビジョナリー・カンパニー2」への言及が出てきます。 「なんで2なの?1じゃないの?」という疑問とともに本著を手に取ったのですが、なるほど。1は偉大な企業についての分析、2は普通の企業が偉大な企業に変化した要因を分析したもので、確かに2の切り口の方が面白い。 1を読まずに2から読んでいいのかな…とも思ったのですが、別に問題無さそうです。(読んでおくに越したことは無いのでしょうが)原題は「GOOD TO GREAT」でナンバリングされてません。 何を売るかよりも「誰をバスに乗せるか(=誰と一緒に仕事をするか)」がまず大事、その上で考え抜いて単純明快な戦略を創り上げて進んでいく。行き当たりばったりでお買い得だからと企業買収をしてもダメってコトか。 カリスマ経営者を外部から招聘した企業よりも、一見地味に見える生え抜きの経営者の方が偉大な企業になっていて、見かけの華々しさにとらわれても意味がない。地道に弾み車を回して、回し続けて勢いをつけていく取り組みが大事だと。 さすが色々な本で言及されるだけのことはある名著。考えさせられます。ついつい自分の今の勤務先とも照らし合わせながら読んでしまいました。
Posted by