動物化するポストモダン の商品レビュー
サブカルチャーと現代…
サブカルチャーと現代思想を行き来してきた著者による、オタク文化論。メインテーマはオタク文化を読み解くことであるが、本書はそれにとどまらずオタク文化をポストモダン社会の代表例として説明している。非常に荒削りな印象を受けるが、オタク文化を特別な現象として扱わずに、社会現象の一つとして...
サブカルチャーと現代思想を行き来してきた著者による、オタク文化論。メインテーマはオタク文化を読み解くことであるが、本書はそれにとどまらずオタク文化をポストモダン社会の代表例として説明している。非常に荒削りな印象を受けるが、オタク文化を特別な現象として扱わずに、社会現象の一つとして一般化している点で評価できる。
文庫OFF
「萌え」に関する記述…
「萌え」に関する記述も有り。着眼点がユニークだと思いました。
文庫OFF
(2024/08/20 2h) 旧版の表紙で読んだものだから、バーコードを読み取ってオシャレな表紙に驚いた。 オタクの文化から紐解くポストモダン。 哲学門外漢でも読みやすく、かつ豊富な資料群に楽しく読了。
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図書館でたまたま見つけたので読了。 日本に深く根付くオタク文化とそれに伴う消費活動の推移やポストモダン的な文化社会の変化を解説していてサブカルチャーが好きな身としては面白かった。「オタク君こういうのが好きなんでしょ〜?」という言葉がタグ付けされた文化の要素的なものばかりを愛してし...
図書館でたまたま見つけたので読了。 日本に深く根付くオタク文化とそれに伴う消費活動の推移やポストモダン的な文化社会の変化を解説していてサブカルチャーが好きな身としては面白かった。「オタク君こういうのが好きなんでしょ〜?」という言葉がタグ付けされた文化の要素的なものばかりを愛してしまっているオタク君たちに当てはまっているなと読んでいて思った。 ただなんとなく尻すぼみというか着地点を見失っていた気がする。
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ポストモダンで読み解くオタク文化の本。「大きな物語」に支えられた時代が終わり、「物語消費」から「データベース消費」に移行していくと指摘している。
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オタクたちは自分の好む萌え要素や自分の好む演出を単純に求めている。そうした個別の事柄に対する自分の意見や主張(好み)は、他人と共有されることなく、自分の欲求を孤独に満たすものでしかない。彼らは情報交換や作品評価については掲示板やオフ会で積極的に他人とつながるが、それは親族や地域共...
オタクたちは自分の好む萌え要素や自分の好む演出を単純に求めている。そうした個別の事柄に対する自分の意見や主張(好み)は、他人と共有されることなく、自分の欲求を孤独に満たすものでしかない。彼らは情報交換や作品評価については掲示板やオフ会で積極的に他人とつながるが、それは親族や地域共同体のような現実に基盤をもつものではなく、ある作品(情報)への関心だけで支えられている表面的なもの。自分にとって有益な情報が得られなければ、他人とのかかわりから離れてしまう。いまや、生きる意味や欲求は人間関係の中で生まれるものではなくなり、他人とのかかわりなしに、ひとりで孤独に満たされるようになっている。
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オタクの出現を【大きな物語】が失われた後の【ポストモダン】で捉えている。 出版から20年以上が経ち、【オタク】という言葉の使われ方も意味合いも変化しつつあるがそれでもその本質は変わっていない。今でも読むべき名著。
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モダンは大きな物語があった。この大きな物語とは技術的革新による科学や工学の信仰、社会的イデオロギーの信仰などのことを指し、簡単にいえば万人に共有された思想や観念のようなものである。 その大きな物語が上手く機能しなくなり、社会全体としてまとまりが無くなる。この大きな物語の凋落後...
モダンは大きな物語があった。この大きな物語とは技術的革新による科学や工学の信仰、社会的イデオロギーの信仰などのことを指し、簡単にいえば万人に共有された思想や観念のようなものである。 その大きな物語が上手く機能しなくなり、社会全体としてまとまりが無くなる。この大きな物語の凋落後をポストモダン(近代の後)と定義し、ポストモダンでは、どのような社会の形が残っているのか。オタク系文化に共通する事柄から、ポストモダンに残った社会の形、そして今後の社会の姿をを紐解いていく本。
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知人から面白い本だと紹介され本書を手に取りました。哲学史のテキストならまだしも哲学書には壁を感じており、壁を乗り越える意味も込めて読みました。 著者はオタク系文化はポストモダンの社会構造をよく反映しているとしており、ポストモダンの考え方を現代(当時)のオタク文化に当てはめるこ...
知人から面白い本だと紹介され本書を手に取りました。哲学史のテキストならまだしも哲学書には壁を感じており、壁を乗り越える意味も込めて読みました。 著者はオタク系文化はポストモダンの社会構造をよく反映しているとしており、ポストモダンの考え方を現代(当時)のオタク文化に当てはめることで分析を試みています。そこではオタクたちがコンテンツを鑑賞する方法を「データベース消費」と命名し、その枠組みをもとにオタクのみならず現代の日本人の思考方法そのものをも分析しています。最終的にはコジェーヴが定義した人間と動物の差異に基づいてオタクたちの行動が「動物化」していることを指摘し、書名の伏線が回収されます。 本書は論の運び方が(納得できるかどうかはさておき)非常に明快で内容を理解しやすく、整理された論説文の書き方になっています。具体例があまりにオタクオタクしており、その点も私には理解しやすい点です。また本書では思想家や評論家の論旨がしばしば引用されますが、そのたびに内容を咀嚼して本書の論の構成に位置付けて説明されており丁寧です。 本書で解剖されてしまった行動様式は一匹のオタクとしての私にも実感を持って理解できる部分が多く、自分の考え方の根源を考えるよい機会になりました。また、あまり詳細を知らなかったポストモダンに関しても少し知ることができ、現代思想の理解を深めるよい機会となりました。
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東さんが自分の中でトレンドになりつつあるので、初期の代表作を手に取る。90年代のオタクの閉塞的な空気と何となくネガティブな印象とポストモダン的な社会を結びつけて論じられている。人間関係の希薄さがとやかく騒がれてた時代の雰囲気をおおよそマッチしてるかな。 2023年のオタクはどう...
東さんが自分の中でトレンドになりつつあるので、初期の代表作を手に取る。90年代のオタクの閉塞的な空気と何となくネガティブな印象とポストモダン的な社会を結びつけて論じられている。人間関係の希薄さがとやかく騒がれてた時代の雰囲気をおおよそマッチしてるかな。 2023年のオタクはどうなのか、結構オタクの障壁はだいぶ優しくなって日本人の大部分がオタク的要素は持ち合わせているのではないでしょうか。しかし、90年代とは違いもっとライトな日常生活に溶け込んだ印象を受けます。昨今の小さい物語消費への動物的消費傾向は続いていると思うし、インターネットやSNSによる拡散効果でその餌食となる人数が昔に比べてはるかに多いように感じる。あとは、データーベース構造からのシュミラークルなんてものは、今はYouTube台頭の時代もあってそういった作品群が溢れかえっている。そこには〈萌え要素〉の流用による動物的消費の過剰摂取が見て取れる。 筆者の主張は現代加速している面と、より広範な人々が対象になっていてもはや気にもしないレベルに浸透しているのでは、そこには少なからず危惧すべき点があるのではと悶々としちゃう。 擬似社会でのいつでも降りられる関係性における社会性をオタクは築いており、本来の社会的な営みには参加していないといった主旨があるかと受け取ったが、それこそツイッターやらLINEやらの似非社会であったものが本当の社会生活で大きなウェイトを占めはじめて久しいし、この点では次のステージに移行してる感もある。 少し前の作品ですが、だからこそ当時の社会のあり方、現代のあり方を比べながら読み進めてみると今読んでも中々刺激的だなと。
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