日の名残り の商品レビュー
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なんの予備知識も無いまま、プロローグを我慢して読み進めると、「一日目、夜」からは先が気になって一気に読み進みました。なんと素晴らしいラストの情景、そして切なさ。でも前向きになって良かった。単純な感想だけど、好きな小説の1冊になりました。
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とにかく文字数の多い小説。 英国執事の本質が理解できるし、今の時代こんな職業できないなとつくづく感じさせてくれる。 スティーブンスは執事として職業を極めたことは確かだけど果たして幸せだったのだろうか? ミス・ケントンの愛を受け入れる事を考えたことはなかったのだろうか? なかったの...
とにかく文字数の多い小説。 英国執事の本質が理解できるし、今の時代こんな職業できないなとつくづく感じさせてくれる。 スティーブンスは執事として職業を極めたことは確かだけど果たして幸せだったのだろうか? ミス・ケントンの愛を受け入れる事を考えたことはなかったのだろうか? なかったのなら鈍過ぎる?
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没落していく一族の美しさが描かれている。同様のテーマは、太宰治の斜陽、チェーホフの桜の園でも描かれている気がするが、またそれぞれちがった没落する者たちの美しさが描かれていて良い。
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初めて読んだイシグロ作品。もう少し難解なものと思っていましたが、訳が良いのか大変読みやすかったです。老執事が若き日の活躍を振り返りながら旅をして、最後に現実の悲哀に浸る…寂しいお話だけど、しみじみと読めて良かったです。
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スティーブンスが過去の出来事を回顧しながら、旅をする。凄く生真面目で、思慮深くて、自分の仕事にプライドを持ち洗練された感じがする。ストーリーも落ち着いた雰囲気で淡々と進んで行くがそこはまだ自分が足りないかな、少し退屈に思う瞬間も多々あった。 ミス ケントンを送った後、老人のセリフ...
スティーブンスが過去の出来事を回顧しながら、旅をする。凄く生真面目で、思慮深くて、自分の仕事にプライドを持ち洗練された感じがする。ストーリーも落ち着いた雰囲気で淡々と進んで行くがそこはまだ自分が足りないかな、少し退屈に思う瞬間も多々あった。 ミス ケントンを送った後、老人のセリフがこの物語のハイライトか。タイトルも納得。心休まる物語でした。
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初めて読んだカズオイシグロ作品 お屋敷や旅の中の情景が頭に浮かんできて楽しめた、が、今の自分にはまだこの作品の良さを理解しきれてないなと思った。数年後にもう一度読みたい。
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風景と心情を巧みに織り交ぜた日常のワンシーンが印象的。地面を見つめながら石段を上り下りする父親や、窓から差し込む冬の日が卿の身体をすっぽり包み込む様子など、心に残る描写が多かった。 当書の内容を忘れたとしてもこういったシーンはなぜか覚えていて、ふとした瞬間に浮かんでくるような、不...
風景と心情を巧みに織り交ぜた日常のワンシーンが印象的。地面を見つめながら石段を上り下りする父親や、窓から差し込む冬の日が卿の身体をすっぽり包み込む様子など、心に残る描写が多かった。 当書の内容を忘れたとしてもこういったシーンはなぜか覚えていて、ふとした瞬間に浮かんでくるような、不思議な感覚をもたらしてくれる作品。
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柔らかいけれども話の進め方が巧みであっという間に読み進められる文体。仕事人間が晩年に家族を顧みなかったことをふりかえる、っていう心情に似てるような。信じていたものが結果正しくはなかった、けれどもそれを正すことはスティーブンスの仕事ではなかった。執事という仕事に品格を求め続けたゆえ...
柔らかいけれども話の進め方が巧みであっという間に読み進められる文体。仕事人間が晩年に家族を顧みなかったことをふりかえる、っていう心情に似てるような。信じていたものが結果正しくはなかった、けれどもそれを正すことはスティーブンスの仕事ではなかった。執事という仕事に品格を求め続けたゆえに残ったものはなんだったのか?
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前半、なじみのない執事の話で長く感じていたが、後半に登場人物の人生があらわになり非常におもしろかった。 タイトルの日の名残りはいいタイトルだと思いました。
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カズオイシグロの中でも特におすすめ。主人公の執事が以前の主人との日々を旅しながら回想していく。品格を求める仕事人間の主人公。最後には何も残らず…
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