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日の名残り の商品レビュー

4.3

628件のお客様レビュー

  1. 5つ

    258

  2. 4つ

    200

  3. 3つ

    93

  4. 2つ

    9

  5. 1つ

    1

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2022/10/17

2022/10/17 2022年25冊目。 昔読んだことのある本だけど、改めて。 映画もまた見直したいな。

Posted byブクログ

2022/10/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

職業的第二人格は、自分みたいな性格(本当はオープンな人間)は仕事の上で役に立ちそう。(勘違いされることもなさそうだからら) →品格につながるのでは。 また意見交換の時などはスティーブンスやダーリントン卿のように紳士的にリスペクトを持って対応する。

Posted byブクログ

2022/10/05

ロシアがクリミアを併合し、1930年台のヨーロッパのようだ、と言われ始めたちょうど今とその時の時代を合わせながら読んだ。そしてちょうどコテンラジオでヒトラーの特集を聴きなおさら。 それと合わせて、自分の年齢や過去の恋愛、そんなことまでが見事にリンクして、読後に長く感情が残った。...

ロシアがクリミアを併合し、1930年台のヨーロッパのようだ、と言われ始めたちょうど今とその時の時代を合わせながら読んだ。そしてちょうどコテンラジオでヒトラーの特集を聴きなおさら。 それと合わせて、自分の年齢や過去の恋愛、そんなことまでが見事にリンクして、読後に長く感情が残った。とても良い小説でした。

Posted byブクログ

2022/09/29

久しぶりに読書を通して新鮮な体験をすることができました。イギリス貴族の執事を懸命にしてきたある男性のお話。時代、文化を体験できる。穏やかで優しい文体が印象的。原書も読みたいと思いました。

Posted byブクログ

2022/08/29

3日間で一気に読んだ。いやあ、すてきな時間を過ごすことができた。イシグロのどの作品も、格調高いというのか、感情が高ぶることが少ないように思う。そのなかでも特にこの作品は、主人公の執事自身が常に冷静であり、全体として落ち着いた雰囲気を醸し出している。しかし、女中頭との会話の中では若...

3日間で一気に読んだ。いやあ、すてきな時間を過ごすことができた。イシグロのどの作品も、格調高いというのか、感情が高ぶることが少ないように思う。そのなかでも特にこの作品は、主人公の執事自身が常に冷静であり、全体として落ち着いた雰囲気を醸し出している。しかし、女中頭との会話の中では若干感情的になってしまうこともある。それは、あれだけ突っかかって来られれば致し方ないだろうとも思う。とても仕事がやりにくかったことだろう。でも全般的には、どちらもがそれぞれの仕事をしっかりこなしていて、お屋敷の中はうまく回っていたということだろう。その女中頭が辞めて結婚し、そして手紙が届く。どうも結婚生活がうまくいっていないのではないかと思って会いに行く。場合によっては仕事に復帰してもらおうとさえ思う。ということは、やっぱり嫌ではなかったのだろうかなあ。素直に自分の感情を出せなかっただけで、どちらもが好意を抱いていたのかもしれない。そうでないと、女性の方も手紙を書いては来ないだろうし。さて、この執事という仕事、自分が日々やっている仕事にずいぶん似ていると思えた。もっと大人数の上に立つとすれば、全体に目を行き届かせることはできないから、一段階下の人々に伝え、それがまた一段階下に伝えられということになるのだろう。しかし、この執事は全体の仕事を把握し、それぞれに分担し、それがうまく回っているかどうか気をつかいながらも、自分の仕事、つまり最も重要な直接的なお客様への対応をしている。芝居で言うと、舞台監督のようなものだろうか。縁の下の力持ちというわけだ。トラブルが発生したときは、臨機応変に自分の判断でまわりに指示を与えないといけない。僕がちゃんとできているかどうかは別として、いつも全体に意識をやって、何かあれば自分が動いたり人を動かしたりしないといけないというような点では、何だか似た仕事だなあと思ったわけだ。それから、二つの世界大戦の間のヨーロッパの状況がなんとなく分かったし、保守的で堅実なイギリス社会となんというかアメリカ人の大ざっぱな感じが読み取れた。そして、どうも著者がこだわっているようにも見えるジョークの話で最後を締めくくるというところがまた興味深い。それから、本書を読んでいて無性にイギリスに行ってみたくなった。シェイクスピアとビートルズを除いて文化・芸術も料理もたいして良いという印象はないのだけれど、イギリスの丘の雰囲気とかそういうものを味わってみたくなった。

Posted byブクログ

2022/08/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

様々な階級の人々の違いを違和感なく感じさせてくれる訳が見事。 解説の中で、丸谷才一氏はスティーブンスを鈍感と判じているように読み取れるが、果たしてそうなのだろうか? 屋敷の主人やそこを訪れる一人一人の細かな要望に応えてきた彼が、旅先のバーで酒を飲む農夫の一団の様子をつぶさに察知したり宿屋の主人の気分を害したのではと翌朝考える彼が、果たして鈍感といえるのだろうか? 個人的には、答えは否であると思う。 スティーブンスは、全て分かっていたのではないだろうか? 分かっていながら、受け入れるのに時間がかかった父の老いのように(彼は気付かないふりも上手なのだ) 分かっていながら、戸惑い、ときにうろたえ思い悩み、そして、 それまであり続けてきた自分を、歴史の波に翻弄されながらも、変わらず全うすることを自ら選択したのではないだろうか。 黄金時代が過ぎ、戦後多くの執事が仕事を失ったらしいことが行間から読み取れる。 そんな中で、自分の熱意が足りなかったのではと自省し、気持ちも新たに今の主人を喜ばせることを考えるスティーブンスは、減りゆく本物の執事の貴重な生き残りであり、本人もそれに気づいているはずである。 彼の選択は、失ったものもありながら、満足のいくものだったのではないだろうか? これは不器用な一人の男の生き様の物語とも言えると思う。

Posted byブクログ

2022/08/21

『わたしを離さないで』、『わたしたちが孤児だったころ』、に続いて、イシグロ作品3作目。 英独融和に努め、結果、戦中戦後に対独協力者として社会から抹殺された伯爵に献身的に仕えた「偉大」で「品格」ある執事のお話。 勿体ぶった話し方をする生真面目な執事は、最も身近な女中頭の恋心にす...

『わたしを離さないで』、『わたしたちが孤児だったころ』、に続いて、イシグロ作品3作目。 英独融和に努め、結果、戦中戦後に対独協力者として社会から抹殺された伯爵に献身的に仕えた「偉大」で「品格」ある執事のお話。 勿体ぶった話し方をする生真面目な執事は、最も身近な女中頭の恋心にすら気付けず、かつ自分の好意にも気付かないまま蓋をしていた。 そこまでして誠実に尽くした伯爵は報われず、陽気なアメリカ人が新しいオーナーとなり、ジョークの練習を決意するミスタースティーブンス。 大英帝国と伯爵と執事の三重同心円が斜陽の中でキラッと光を見せる感じ。 登場人物の中では、三日目夜から四日目朝のドクターカーライルがいい味を出してる。

Posted byブクログ

2022/08/20

京大の過去問に冒頭が出題されたことやノーベル賞を受賞されたことをきっかけに購入しましたが、素晴らしい小説でした。内容的な展開も時間的な展開も巧みで面白く、イギリスの誇りを改めて知って背筋が伸びる思いです。

Posted byブクログ

2022/08/13

暗に示されたメッセージがたくさん仕込まれていて、間接的にじわじわと伝わってくる。何回も読み直して咀嚼したくたなる感覚。文学に関しては完全に素人なので、詳しい技法とかはよく分からないが、こんな書き方ができるのかと少し鳥肌が立つくらい。

Posted byブクログ

2022/08/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

なんの予備知識も無いまま、プロローグを我慢して読み進めると、「一日目、夜」からは先が気になって一気に読み進みました。なんと素晴らしいラストの情景、そして切なさ。でも前向きになって良かった。単純な感想だけど、好きな小説の1冊になりました。

Posted byブクログ