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日の名残り の商品レビュー

4.3

638件のお客様レビュー

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「品格ある執事」の道…

「品格ある執事」の道を長年追求してきた名執事が、老年になり、過ぎ去りし過去を回想します。滅私奉公に人生を費やした男の、誇りと悔恨が苦いすばらしい小説です。特に最後の夕陽のシーン。哀しくもユーモアのある、何ともイギリスらしいシーンです。

文庫OFF

滑稽なほど丁寧に、職…

滑稽なほど丁寧に、職務にまっとうに、世間に対して真摯に、そしてすべてにおいて責任を背負っていきてきた執事の人生。それはある意味滑稽なほどに生真面目で、時代にほんろうされる様子があわれだ。ラストシーンが深い味わいを残す作品。傑作です。

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国最高の文学賞、ブッ…

国最高の文学賞、ブッカー賞受賞作した作品。映画にもなってるそうですが、映画は見てないのでなんともいえません。

文庫OFF

2025/01/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ダーリントン家に従事した品格を追求する主人公、スティーブンスが新しい主人であるアメリカ人、ファラディから休暇をもらい高級車、フォードで旅する物語。20年ぶりに再開するミス・ケントンからもらった手紙を何度も咀嚼しながら執事としての責務を追求する半生を振り返る旅路。それだけだが、この堅物とも言える主人公の人柄やエピソードに興味が湧くと共に、ミス・ケントンとの再会に期待しながら楽しく読み進めた。再会の結果はいささか残念な結果ではあったが主人公の、最後まで自分の主張を抑えた態度に切なさを感じる。最後、過去の後悔から、前を向く気持ちへ切り替えようとする主人公の、これからの生き方に期待する。 全体的に抑えた静かな雰囲気が素敵です。

Posted byブクログ

2025/01/29

イギリスに行くことになった時に、同じ大学だよと友人に渡された本を久々に読み返した。淡々と語られるので、夢中になったり感情が揺さぶられたりすることはないが、中々に切ない優秀な品格のある執事の人生だったと思う。品格のある執事であることの素晴らしさは理解できるが、なりたいとは全く思えな...

イギリスに行くことになった時に、同じ大学だよと友人に渡された本を久々に読み返した。淡々と語られるので、夢中になったり感情が揺さぶられたりすることはないが、中々に切ない優秀な品格のある執事の人生だったと思う。品格のある執事であることの素晴らしさは理解できるが、なりたいとは全く思えない。

Posted byブクログ

2025/01/26

日本語がとてもきれい。上級社会の隅でプライドを持って仕事に生きて来た執事。人生の終わりに差し掛かって振り返る過去と旅の景色とを交互に織り込んだ織物みたい。派手さはないけれど、人生ってそれでいいんだなあとじんわり来る、上品な作品だった。さらに年齢を重ねてまた読み直したい。

Posted byブクログ

2025/01/17

執事の道を追求することに全てをかけすぎて、それ以外の何もかもが見えていなかった男の話。男は主人のために「冗談」を習得しようと頑張ることも、読み終わった今となっては、男の人間味の無さとして表れているようでもあると感じた。

Posted byブクログ

2025/01/02

主人公の語る今、昔、更に昔。過去と今を行き来しながらも読者が混乱することは無いであろう。 翻訳の素晴らしさもあってか私は読み迷うことはなかった。構成もよくどなたにもお勧め。 初めて手にした著者の作品、次はどれにしようかな。

Posted byブクログ

2025/01/02

最後の余韻、素晴らしかった。 自分の人生を決定づける瞬間、その一瞬一瞬に、別の選択をしたら、人生の方向が変っていたかもしれない。 たとえ今がとりたて不幸ということでなくとも、どんな充実した日々を重ねたとしても、人生の折り返し地点にたったぐらいから、スティーブンと同じような感覚を持...

最後の余韻、素晴らしかった。 自分の人生を決定づける瞬間、その一瞬一瞬に、別の選択をしたら、人生の方向が変っていたかもしれない。 たとえ今がとりたて不幸ということでなくとも、どんな充実した日々を重ねたとしても、人生の折り返し地点にたったぐらいから、スティーブンと同じような感覚を持つ人は多いかなと思う。 よりよい人生とは、なんなのか。 模索して歩いたその先に、何が自分を待ち受けているのか。 そんな期待と後悔を持ちながらも、これまでの覚悟と選択の中でもたらされた巡りあいに、自分なりの誇りと充足感を感じる。そんな人生はとても美しいものなんだと思えた。

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2024/12/31

伝統的なイギリス上流社会が垣間見ることができる小説。語り手の職業が執事だからこそならではで、世界史の資料と照らし合わせながら読んでみるのも面白いかも。 プロ意識を持って執事という仕事に熱心に取り組んできた主人公。だけどラストになって仕事に全振りしたのに、仕事もプライベートに大き...

伝統的なイギリス上流社会が垣間見ることができる小説。語り手の職業が執事だからこそならではで、世界史の資料と照らし合わせながら読んでみるのも面白いかも。 プロ意識を持って執事という仕事に熱心に取り組んできた主人公。だけどラストになって仕事に全振りしたのに、仕事もプライベートに大きな失敗をしていたことに気づいた瞬間が切ない。後悔って、こういうことを言うんだろうなぁというのを文章でまざまざと見せつけられたよう。 意識を高くもって物事に臨むのは大事だけれど、自分の人生はスティーブンスにならないように、自分の感情というものをおざなりにしてはいけないと感じた。

Posted byブクログ