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日の名残り の商品レビュー

4.3

628件のお客様レビュー

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    258

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2023/09/18

母の友人(終活中)から回ってきた一冊。 ノーベル賞授賞後、いつかは読みたいと思っていたので、これを機会として初カズオ・イシグロに挑戦。 ダウントン・アビーを見ていたので、イギリスの執事の話という点ではイメージはしやすかったですが、私には読みにくい文体で、読むのに時間がかかりました...

母の友人(終活中)から回ってきた一冊。 ノーベル賞授賞後、いつかは読みたいと思っていたので、これを機会として初カズオ・イシグロに挑戦。 ダウントン・アビーを見ていたので、イギリスの執事の話という点ではイメージはしやすかったですが、私には読みにくい文体で、読むのに時間がかかりました。 前の主人(貴族)とその友人が、執事に政治談義を吹っ掛けて、庶民には政治なんてわからない、とバカにする場面が印象に残った。

Posted byブクログ

2023/09/11

世界的な名著 だが、何がそこまで凄いのかさっぱり分からなかった。 イギリスの執事の話で、日本人にしては全く馴染みのない文化を丁寧に、そして哀愁を持って理解させてくれる。 面白く読めるのだけど、死ぬまでに読め!みたいな風潮の凄みは分からなかった

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2023/08/05

誰もがぼんやりと過去の何気ない思い出にふけったり、あの時ああしていればみたいな後悔や自己嫌悪に陥ったりする瞬間を、とても上手く切り取って描写がされていると素直に感心した。 この普遍性とノーベル文学賞受賞にはやはりどこかに接点があるのかなとも勝手に解釈した。 2023.08.05読...

誰もがぼんやりと過去の何気ない思い出にふけったり、あの時ああしていればみたいな後悔や自己嫌悪に陥ったりする瞬間を、とても上手く切り取って描写がされていると素直に感心した。 この普遍性とノーベル文学賞受賞にはやはりどこかに接点があるのかなとも勝手に解釈した。 2023.08.05読了

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2023/07/14

執事の品格を追求してきたスティーブンス。二つの世界大戦の間の緊迫した国際情勢の渦中にある雇主ダーリントン卿の傍らで、完璧な仕事をしてきました。父が倒れても、ユダヤ人の使用人に不当な扱いがあっても、女中頭ミス・ケントンが心を寄せても。そして、戦後、ダーリントン卿が失意のうちに世を去...

執事の品格を追求してきたスティーブンス。二つの世界大戦の間の緊迫した国際情勢の渦中にある雇主ダーリントン卿の傍らで、完璧な仕事をしてきました。父が倒れても、ユダヤ人の使用人に不当な扱いがあっても、女中頭ミス・ケントンが心を寄せても。そして、戦後、ダーリントン卿が失意のうちに世を去っても、新しい雇主ファラディ様にちょっとついていけなくても、まだ品格ある執事であろうとする。そういう生き方が淡々と語られました。「大英帝国」らしさいっぱいですが、ジーヴズとは真逆ですね。

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2023/07/08

品格のある執事を目指す、スティーブンスと女中頭のミスケントン。二人の絶対に噛み合わない関係、わざとやっているのかと思えるほど、向いている方向の違い。まるで漫才のような、ツッコミを入れて欲しいのかというくらいのボケ具合がなんか面白かった。大きな展開があるのではなく、過去の思い出を巡...

品格のある執事を目指す、スティーブンスと女中頭のミスケントン。二人の絶対に噛み合わない関係、わざとやっているのかと思えるほど、向いている方向の違い。まるで漫才のような、ツッコミを入れて欲しいのかというくらいのボケ具合がなんか面白かった。大きな展開があるのではなく、過去の思い出を巡りながら、最後まで向き合わない。そんな不思議な関係。はっきり書かれない「思い」がいっぱい。

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2023/07/04

2017年のノーベル文学賞に選ばれた著者。長崎市出身の日本人で、現在はイギリス国籍でSir.の称号を持つ。この「日の名残り」はもともと英文で、原文は本場の英国人も驚くような格調高い文体を使っているそう。翻訳版では執事が丁寧な言葉遣いをしており、うまいこと日本語で原文の雰囲気を表し...

2017年のノーベル文学賞に選ばれた著者。長崎市出身の日本人で、現在はイギリス国籍でSir.の称号を持つ。この「日の名残り」はもともと英文で、原文は本場の英国人も驚くような格調高い文体を使っているそう。翻訳版では執事が丁寧な言葉遣いをしており、うまいこと日本語で原文の雰囲気を表している。内容は非常にイギリスらしい。主人公である執事が過去の経験を通して深い自己認識を得るもので、イギリスならではの階級意識が強く反映された物語。

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2023/06/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ダーリントン卿に仕える執事の一人語り。 主人公スティーブンスについて、最初は良き執事と感じ、読み進めるが、徐々にモヤモヤしてくる。 スティーブンスの言動に共感できないのだ。 過去が甦るにつれ、彼の執事としての栄光と闇が見えてくる。 確かに執事としての仕事を忠実に全うしたのだろう。だが、実直過ぎて、柔軟性に欠けるというか、思慮が足りないというか… ターニングポイントはいくつかあり、違う行動に出れば、結果は違っていたと思う。 最後の夕暮れの場面で、スティーブンスは涙ぐむ。人生を後悔し、やっと人間らしい正直な感情が表出された。 この先、彼はどうなるのかなぁ、まさか…最悪の終わり方なのか?と、心配したのも束の間、 新しい主人の為に、下手なジョークの練習をしようと切り替えるくだりで、ズコーっと転けてしまった。(笑)そして安心した。 最後まで、愚直さを貫き通す姿に正真正銘の品格ある執事だと納得した。 そして良くも悪くもイギリスらしさを感じた。

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2023/06/07

主人公の語り口が独特 品格とはなにか考えさせられた 起承転結はないが読んでて心地よかった イギリス旅行に行く前に手に取った本

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2023/05/29

イギリスの田園風景の品格。わかりやすいドラマや「見せ場」がないからこそ偉大。美しさの持つ落ち着き、慎ましさ。自らの美しさと偉大さをよく知っているので、大声で叫ぶ必要がない。

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2023/05/21

230521*読了 執事と言えば、やはりイギリス。 英国紳士、英国貴族のダーリントン卿に仕えた執事が、一人旅を通して、過去を回想する。同じく執事だった父親との最期、女中頭とのエピソード、彼女の想い、卿の過ちとも言える政治的交流など。 それだけと言えばそれだけなのだけれど、それをこ...

230521*読了 執事と言えば、やはりイギリス。 英国紳士、英国貴族のダーリントン卿に仕えた執事が、一人旅を通して、過去を回想する。同じく執事だった父親との最期、女中頭とのエピソード、彼女の想い、卿の過ちとも言える政治的交流など。 それだけと言えばそれだけなのだけれど、それをここまで濃密に美しく文章にできるところがカズオ・イシグロさんの素晴らしさだと思う。 旅のエピソードと過去の出来事が混在しているのに、ごちゃごちゃしないのも巧みな文章力の賜物。 この優雅な物語の流れの中に起きるさざなみ、感情の揺れ、切なさ。それがたまらない。 そして、至って真面目な執事が真面目であるが故にジョークか?と思うような行動、発言をするところもいい。こんなに真剣にジョークを学ばなければ、と考えて実行しちゃう人はそうそういないのでは。 カズオ・イシグロさんの小説を今年はたくさん読みたい。

Posted byブクログ