翻訳夜話 の商品レビュー
個人的に最も信頼する…
個人的に最も信頼する二人の翻訳家の真摯な話にとても感動しました。
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自身が作家という表現…
自身が作家という表現者であり、本格的な翻訳の勉強をしたと言うわけではない村上春樹と、日本の受験社会を順当(?)に歩んで東大の助教授(現在は教授)になった柴田元幸。まったく違うバックボーンを持つ二人が、翻訳について語る。柴田が村上既訳のレイモンド・カーヴァーを、村上が柴田既訳のポー...
自身が作家という表現者であり、本格的な翻訳の勉強をしたと言うわけではない村上春樹と、日本の受験社会を順当(?)に歩んで東大の助教授(現在は教授)になった柴田元幸。まったく違うバックボーンを持つ二人が、翻訳について語る。柴田が村上既訳のレイモンド・カーヴァーを、村上が柴田既訳のポール・オースターを訳す企画は、微妙な違いが二人の個性として現れていて面白い。「翻訳論」なんていう堅苦しい考えではなく、気軽に読むことをおすすめします。
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柴田氏と村上氏という…
柴田氏と村上氏という個人的にもっとも信頼している翻訳家の真摯な話に感動しました。
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柴田さんの講義の特別…
柴田さんの講義の特別講師に村上さんが招かれて質問会、というスタイル。堅苦しくない翻訳の四方山話に仕上がっている。みんな真剣だけれど、質問者が一番真剣だったりして。同じ話を試しに訳しあってみるという趣向も面白い。
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翻訳の一般論ではなく…
翻訳の一般論ではなく、あくまで村上春樹と柴田元幸にとっての翻訳が話し言葉で書かれていて大変読みやすいです。ポール・オースターとレイモンド・カーヴァーそれぞれで、村上訳・柴田訳の読み比べもできます。
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翻訳家としても評価が…
翻訳家としても評価が高い人です。興味深い内容ですが、楽しく読むことができます。
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残念ながら柴田先生の講義を受ける機会に恵まれませんでしたが、翻訳者としての意見を本書で知ることができ、嬉しいです。翻訳について村上派か柴田派か、と聞かれれば、私は柴田先生を選びます。 大学にて翻訳理論、英文学翻訳、米文学翻訳の授業を受講していたのですが、各先生と柴田先生は、翻...
残念ながら柴田先生の講義を受ける機会に恵まれませんでしたが、翻訳者としての意見を本書で知ることができ、嬉しいです。翻訳について村上派か柴田派か、と聞かれれば、私は柴田先生を選びます。 大学にて翻訳理論、英文学翻訳、米文学翻訳の授業を受講していたのですが、各先生と柴田先生は、翻訳者の立ち位置について似たことを仰っていました。 改めて「翻訳者とは」を勉強した気持ちです。
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村上春樹さんと柴田元幸さんの3回に渡る聴取からの質問に対する対談をまとめた本作。 お二人の考え方の違いが面白い
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翻訳本が苦手に感じるのは、 作品が面白ければ面白いほど、 ひとつずつの言葉の表現に直接触れてみたくなるから。 つまり、原著で読めるのならば原著のままで読みたいのだ。 物語の本質はひとつずつの言葉ではないところにあっても、 翻訳者の中を通ったものは、 すでに純正ではなく(劣化する...
翻訳本が苦手に感じるのは、 作品が面白ければ面白いほど、 ひとつずつの言葉の表現に直接触れてみたくなるから。 つまり、原著で読めるのならば原著のままで読みたいのだ。 物語の本質はひとつずつの言葉ではないところにあっても、 翻訳者の中を通ったものは、 すでに純正ではなく(劣化するという意味ではない)、 二重性が大前提になってしまう。 そこに、さらに読者としての私の解釈も入り込むと、 誰の、何に影響されたものなのか難しくなってくる気がするので、 だから翻訳本を苦手だと感じていた。 とはいえ、ポール・オースターが大好きで、 『オーギー・レーンのクリスマス・ストーリー』が読みたくて、 村上春樹と柴田元幸がそれぞれ訳しているだなんて、 興味深すぎると思い本書を手にした。 読み終えてみて、 翻訳という営みは、 精神分析という営みと本質的に大切な事柄を共有しているという大事な発見があったことが最大の収穫であり、 これからは翻訳本は苦手と言わずに済みそうだ。 あと、専門書でもそうなのだが、 どうしても言語的に理解しにくい翻訳があったら、 それは翻訳が下手くそなのだと思おう(笑)。
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柴田元幸と村上春樹の対談(フォーラム)を書き起こしたもの+カーヴァーとオースターの作品をそれぞれが訳したもの。翻訳はそのテキストが第一で、それに対する偏愛が大事なんだなと。凝った訳や綺麗な訳をしようとするよりも、その作品を誰よりも理解しているという自負と作品への愛が分かった。
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