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翻訳夜話 の商品レビュー

3.9

110件のお客様レビュー

  1. 5つ

    27

  2. 4つ

    42

  3. 3つ

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  4. 2つ

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2020/04/04

柴田元幸と村上春樹の対談(フォーラム)を書き起こしたもの+カーヴァーとオースターの作品をそれぞれが訳したもの。翻訳はそのテキストが第一で、それに対する偏愛が大事なんだなと。凝った訳や綺麗な訳をしようとするよりも、その作品を誰よりも理解しているという自負と作品への愛が分かった。

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2020/03/19

Kindle購入したけど、これは紙の方が良かった。 後の方に英文があり、村上春樹版と柴田元幸版の両方の訳の読み比べができるのが面白い。

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2020/02/11

信じられないくらい久しぶり(10年ぶりくらい?)に読んでふと気づいたのだけれど、わたしは文芸評論とまっっったく相性がよくなくて、いまだにおもしろいなあと思って読める文芸評論は数が少ないのだけれど、もしかして、これこそがわたしの求めていた文芸評論なのではないか、と。世の中はというか...

信じられないくらい久しぶり(10年ぶりくらい?)に読んでふと気づいたのだけれど、わたしは文芸評論とまっっったく相性がよくなくて、いまだにおもしろいなあと思って読める文芸評論は数が少ないのだけれど、もしかして、これこそがわたしの求めていた文芸評論なのではないか、と。世の中はというか、日本の文芸業界は、この本や柴田元幸と村上春樹の営みのことを文芸評論とみなしていないとわたしは認識していたので、わたしも高校生のときも「面白いなあ」と思いつつ、雑談というかエッセイみたいなものとして読んでいたんだけれど、まず、これはある種の、日本の伝統の形式にはあまり沿っていないが確かな文芸評論なのでは? そして、これが文芸評論であるならば、わたしはやはり文芸評論が好きだし、それは素晴らしい営みだと感じる。このペアはやはり、優れた小説家・翻訳家であると同時に、かなり優れた批評家だと感じるのだけれど、あまりそう言っている人を目にしたことはない。

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2020/01/02

翻訳家・村上春樹と柴田元幸の対談。 翻訳の世界も小説と同じようにセンスが求められる。村上は小説家として、柴田は文学者として翻訳を行っているが、それぞれ背景となる世界が違っているので、翻訳にもそれが現れる。翻訳に対する自分の流儀、好みの作家など翻訳に関する色々な話が紹介されていて面...

翻訳家・村上春樹と柴田元幸の対談。 翻訳の世界も小説と同じようにセンスが求められる。村上は小説家として、柴田は文学者として翻訳を行っているが、それぞれ背景となる世界が違っているので、翻訳にもそれが現れる。翻訳に対する自分の流儀、好みの作家など翻訳に関する色々な話が紹介されていて面白かった。

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2019/11/15

村上春樹と柴田元幸が、翻訳について語った三回の講演やフォーラムなどをまとめた本です。さらに「海彦山彦」と題された章では、オースターとカーヴァーの短編小説を二人がそれぞれ訳したものが収められています。 第一回は東京大学でおこなわれた柴田の授業に村上が参加したときの記録、第二回は翻...

村上春樹と柴田元幸が、翻訳について語った三回の講演やフォーラムなどをまとめた本です。さらに「海彦山彦」と題された章では、オースターとカーヴァーの短編小説を二人がそれぞれ訳したものが収められています。 第一回は東京大学でおこなわれた柴田の授業に村上が参加したときの記録、第二回は翻訳学校の生徒たちを相手に両者が質問にこたえるというもの、第三回は若手の翻訳者からの質問を二人が受け付けるというかたちになっており、著者である二人の翻訳についての考え方を知ることができるのみならず、翻訳に関心のあるさまざまな水準の受講者たちがいだく疑問にかんしても、興味をもって読むことができました。 村上は彼の文体をかなり意識的に選択しているのかと思っていたのですが、じっさいにはそうではなかったと語られているのは意外に感じられました。村上はこの問題について、自分で使うことばよりもむしろ自分ではけっして使わないことばがあるというところに焦点をあててこたえており、そこにスタイルを形成することについての興味深い考えが含まれているのではないかという気がしています。

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2019/03/16

競訳。英語の授業でもなければ、なかなか2つの訳を読み比べることはないので、それだけでもとても面白かった。まして、翻訳の大御所と言われるこの御二方でも、こうも原文の雰囲気の捉え方が異なるのかとわかり、驚き。それほど、本は作者の手から離れたあとは誰のものでもないということだ。そして、...

競訳。英語の授業でもなければ、なかなか2つの訳を読み比べることはないので、それだけでもとても面白かった。まして、翻訳の大御所と言われるこの御二方でも、こうも原文の雰囲気の捉え方が異なるのかとわかり、驚き。それほど、本は作者の手から離れたあとは誰のものでもないということだ。そして、翻訳の際は文章の声にひたすら耳を傾けている、と、村上氏。身に染みます。

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2018/12/22

 かなり面白かった。翻訳の持つ妙味が想像できた。  おかしかったのは、小説家でもある村上氏が「自分の小説を英訳された英文を読んだときに、『けっこう上手く書けているじゃないか』と思ってみると、自分の作品だった」というのが多々ある、ということ。  この人の自分の小説に対する距離感はわ...

 かなり面白かった。翻訳の持つ妙味が想像できた。  おかしかったのは、小説家でもある村上氏が「自分の小説を英訳された英文を読んだときに、『けっこう上手く書けているじゃないか』と思ってみると、自分の作品だった」というのが多々ある、ということ。  この人の自分の小説に対する距離感はわりに不思議で、「若い人たちのための短編小説」でも、「自分の小説だからといって、自分の解釈が唯一無二で正しい訳ではない」といった風なことを述べていたのと通じるな〜と、感じた。  「キャッチャー・イン・ザ・ライ」はまだ読んでいないので、読んでから、翻訳夜話2を読んでみたい。

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2018/11/18

ワタシの中で「名訳者」の地位をゆるぎないものにしているお二人が出した本が、面白くないはずがない。あまりにハマってしまって、電車を乗り過ごしてしまいそうになった。 本書が出るきっかけとなった、柴田さんの持つ大学の授業への村上さんの登場がフォーラム1。聴衆を翻訳学校の生徒に換えて行...

ワタシの中で「名訳者」の地位をゆるぎないものにしているお二人が出した本が、面白くないはずがない。あまりにハマってしまって、電車を乗り過ごしてしまいそうになった。 本書が出るきっかけとなった、柴田さんの持つ大学の授業への村上さんの登場がフォーラム1。聴衆を翻訳学校の生徒に換えて行ったのがフォーラム2。そして、お二人によるカーヴァーとオースターの短編競訳をはさんで、それについて若手翻訳者を前に語ったのがフォーラム3。 お二人の口から出てくる言葉や、そこから読み取れる感性がとても心地いいし、気づきも与えてくれる。特に競訳とそれについて語ったフォーラム3は秀逸。12年近く前に出た一冊だけれど、中味は全然古びていない紛れもない良書。 蛇足: 村上さんは翻訳を「言うなれば"遊び"でやっているんだけど、それと同時にやっぱり何かを真剣に学びとろうと思って」やっているんだとか。ワタシと読書の関係もこれだ。

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2018/03/26

As long as there's one person to believe it, there's no story that can't be true.

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2017/10/17

最近の自分的外文ブームにうってつけの本新書。しかも春樹・柴田共著となると、もう読むしかないってことで。期待に違わぬ内容で、翻訳のイロハの部分とか、ちょっと垣間見れた気になっちゃいました。他の著作でも触れられていたと思うけど、”翻訳には耐用年数あり”っていうのには全面的に賛成。新し...

最近の自分的外文ブームにうってつけの本新書。しかも春樹・柴田共著となると、もう読むしかないってことで。期待に違わぬ内容で、翻訳のイロハの部分とか、ちょっと垣間見れた気になっちゃいました。他の著作でも触れられていたと思うけど、”翻訳には耐用年数あり”っていうのには全面的に賛成。新しい訳で読めば良かった!って思ったことも結構あり、最近では専ら一番新しい訳にこだわってたりもする。そう考える中でふと思ったのが、外文は100年経ったものでも新しい訳で生まれ変われるんだから、日本の古典的文学作品も、50年とか経ってるものは誰かが書き直せば良いのに、ってこと。夏目、森、芥川など諸々。新しい言葉に置き換えられたら楽しめたって人、多分結構いると思うけど。ってか、そう思うなら自分でやれば良いのか。

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