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翻訳夜話 の商品レビュー

3.9

110件のお客様レビュー

  1. 5つ

    27

  2. 4つ

    42

  3. 3つ

    24

  4. 2つ

    4

  5. 1つ

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2014/08/30

小説家である村上春樹と東大の助教授である柴田元幸が翻訳家として、翻訳方法、原作者への思い入れ等を公開フォーラムを通して語っていく。翻訳モノというと硬い訳を想像しがちだが、作者の思いが訳を通じて、より理解しやすくなるというもう一つの言語としての魅力をもった文学だと感じた。次回から翻...

小説家である村上春樹と東大の助教授である柴田元幸が翻訳家として、翻訳方法、原作者への思い入れ等を公開フォーラムを通して語っていく。翻訳モノというと硬い訳を想像しがちだが、作者の思いが訳を通じて、より理解しやすくなるというもう一つの言語としての魅力をもった文学だと感じた。次回から翻訳モノをより作者の気持ちに沿って読めそうだ。

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2014/06/30

 この対談が行われた頃は、まだ村上が「キャッチャー・イン・ザ・ライ」の翻訳に取りかかっていなかったので、どうしても順番に読むというわけにはいかなかった。村上春樹訳「キャッチャー・イン・ザ・ライ」を読んだ後、それについて対談した「翻訳夜話2」を先に読んだので、後先になってしまったの...

 この対談が行われた頃は、まだ村上が「キャッチャー・イン・ザ・ライ」の翻訳に取りかかっていなかったので、どうしても順番に読むというわけにはいかなかった。村上春樹訳「キャッチャー・イン・ザ・ライ」を読んだ後、それについて対談した「翻訳夜話2」を先に読んだので、後先になってしまったのだ。これも村上春樹と柴田元幸の対談で構成されている。翻訳を志す学生を前に、二人が翻訳についてのエピソードや、それぞれのポリシーを語っている。一方的に語るのではなく、学生らの質問に答えながら進める対談は、もし現場で聞けたらかなり面白いに違いない。  また、同じ短編を、村上と柴田がそれぞれ訳して比較して討論しているのは大変面白いと思った。村上の訳はカジュアルで流れるような読み易さがあり、柴田の訳は学者だけあってとてもアカデミックだと感じた。翻訳家を志す人はもちろん、村上や柴田の翻訳本に少しでも興味を持っている人なら、「ここはどうしてこういう訳がついているのだろう?」と感じたことがあるだろう。そういう点を納得させてくれる対談だと思う。村上ファンは、続編の「翻訳夜話2」と併せて読んでおきたい。もちろん村上春樹訳「キャッチャー・イン・ザ・ライ」を読んでからの話だが…。

Posted byブクログ

2014/06/13

翻訳に興味がある人にはおすすめの本。翻訳に関してのお二人の考えがわかるし、おもしろい。また、2つの作品で二人の訳が載っているので、違いがわかってこんなにも翻訳する人で作品の雰囲気が変わるということがわかった。

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2014/02/20

『翻訳夜話2』を先に読んでいたのですが、翻訳にそれほど興味の無い私ですが、なぜかそれとは別の次元ですごく共感ができて面白いんですよね。 カーヴァ―、オースターを村上、柴田両氏がそれぞれ訳した短編が掲載されていて、読み比べると面白いですねえ。 村上さんは、翻訳をするときは、「と...

『翻訳夜話2』を先に読んでいたのですが、翻訳にそれほど興味の無い私ですが、なぜかそれとは別の次元ですごく共感ができて面白いんですよね。 カーヴァ―、オースターを村上、柴田両氏がそれぞれ訳した短編が掲載されていて、読み比べると面白いですねえ。 村上さんは、翻訳をするときは、「とにかく自分というものを捨てて訳す」そうですが、「自分というのはどうしたって捨てられない」そうです。 で、やっぱり出てるんですよね。村上色が。 柴田さんのスタイルもシンプルで好きなんですけど、 後に残る余韻が違いましたね。 それから、フィッツジェラルドとかの「華麗なるペルソナを翻訳者として被っちゃうと、ある程度華麗方向への欲求は解消されちゃう」とか、なるほどーと思いますね。 こりゃあ、村上訳で『グレート・ギャッツビー』読むしかないですね。 原著もどっかに転がってたはずなので、引っ張り出してみたいと思います。

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2013/12/01

最近本読んでなかったので軽いのから入ろうと思って対談本を選んだ。ポール・オースターのムーン・パレスがとても好きで、訳者の柴田さんの話を読んで見たいとおもっていた時に書店で本と目があったのがきっかけで。 さらさらっと読めて楽しかった。何かを期待して読んだわけじゃなくて、あまり考え...

最近本読んでなかったので軽いのから入ろうと思って対談本を選んだ。ポール・オースターのムーン・パレスがとても好きで、訳者の柴田さんの話を読んで見たいとおもっていた時に書店で本と目があったのがきっかけで。 さらさらっと読めて楽しかった。何かを期待して読んだわけじゃなくて、あまり考えずに活字を追いかけたかっただけなんだけど、一つ思いがけない収穫があった。 昔見た映画で、途中で寝てしまったけど味があってやけに印象に残ったスモークって映画があった。 本の中で訳されているオーギー・レンのクリスマス・ストーリーを読んでいたらふとその映画のことを思い出した。頭の中の情景が映画と似すぎてて、原作なんじゃないかと思ったらやっぱりそうだった。 この本読んでもっと本読みたくなればいいなと思って読んだんだけど、思いがけず映画も見たくなった。

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2013/11/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

収録の翻訳作品、村上春樹訳のカーヴァーは、元々の村上春樹の直訳調の文体が前面に出すぎてて体が受け付けない。直訳調の翻訳って、この訳者ほんとに理解してるのかな?、って疑心暗鬼になってしまう(この作品については大丈夫な気がするけど。自分の英語力、読解力では気がするくらいしか言えない。少なくとも訳文は英語の勉強には役に立つと思う)。 直訳調から来るまわりくどさのせいで、結局何の小説なのかわかりにくい。原文はそんなにまわりくどく書いてるような気はしないんだけど、これって、失業中(+奥さんとは死別または離婚していて(追記:訂正します。主人公はスレーター氏ではないかも))でただでさえ気分がさえない時に、押し売りだかなんだかわからないずうずうしいやつが押しかけてきて、踏んだり蹴ったりというか泣き面に蜂みたいな一日があったっていうだけの小説だよね? もっとこなれた日本語にしちゃっていいんじゃないかなと思った。それくらいシンプルな話だよね?

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2013/10/17

村上春樹と柴田元幸が、翻訳についてのあれこれ(技術・愛含む)を楽しく語る一冊。カーヴァーとオースターの短編を、それぞれに訳して並べているのが面白かった。同じ短編を訳しているんだけど、村上さんのほうを読んでも意味がよく分からないの。「難解だなあ不条理だなあ、でもそれが味、雰囲気は絶...

村上春樹と柴田元幸が、翻訳についてのあれこれ(技術・愛含む)を楽しく語る一冊。カーヴァーとオースターの短編を、それぞれに訳して並べているのが面白かった。同じ短編を訳しているんだけど、村上さんのほうを読んでも意味がよく分からないの。「難解だなあ不条理だなあ、でもそれが味、雰囲気は絶品」みたいな。で次に柴田さんのほうを読むと、すんなり理解できる。「それほど不条理でもないじゃん」って。ああー、村上春樹ってそういうことなのかも、と思った。絶対ないけど春樹作品を柴田さんに翻訳してみてほしい、日本語にw

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2013/10/09

いままで海外の文学作品を翻訳で読んで読んだつもりだった。でも原著と翻訳本は全く別の本になってしまうということだと、やはり原著で読みたいとおもった。オースターとか、英語ならなんとかいけるかな。

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2013/10/07

愛と情熱と知識に才能が加わった両者の翻訳に対する姿勢や考え方は、多くの翻訳家の卵たちにとって参考になるのかどうかわからないけど、翻訳という作業を知るのは楽しかった。 海彦山彦、おふたりそれぞれの翻訳がおもしろかった。同じテキストでもけっこう違うものなのですね。 この先自分が原...

愛と情熱と知識に才能が加わった両者の翻訳に対する姿勢や考え方は、多くの翻訳家の卵たちにとって参考になるのかどうかわからないけど、翻訳という作業を知るのは楽しかった。 海彦山彦、おふたりそれぞれの翻訳がおもしろかった。同じテキストでもけっこう違うものなのですね。 この先自分が原書で英語(ほか外国語)を読めるようになるとも思えないし(笑)、翻訳家の方たちにはぜひがんばって名翻訳を世に出していただきたいです。よろしくお願いします。

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2013/07/29

たしか、ある若手建築家のおすすめの一冊ということで読んでみました。 翻訳の世界を、二人の翻訳家が対談形式で語ります。 正直対談形式の文章は地の文が無いので読みにくいし、対談をそのまま本にするってどうなん? と思っていたのだが、以外に色んな情報が得られて良かった。 本書で一番...

たしか、ある若手建築家のおすすめの一冊ということで読んでみました。 翻訳の世界を、二人の翻訳家が対談形式で語ります。 正直対談形式の文章は地の文が無いので読みにくいし、対談をそのまま本にするってどうなん? と思っていたのだが、以外に色んな情報が得られて良かった。 本書で一番「面白い」と思った点は、同じ英文テキストを翻訳者が違うだけで、これほど印象の違いがあるものなのか!というのが驚きでした。 そして、両者の心の内から滲み出るような「翻訳LOVE」にほんと好きなんだな―と感心してしまいました 村上春樹さんが小説を書く前から翻訳をされていたのが驚き半分、納得半分でした。 翻訳夜話2も読んでみたいと思います

Posted byブクログ