砂糖の世界史 の商品レビュー
これは良書。子供ができたら読み聞かせたい。そしてこんな風に歴史を物語る学者に出会えたことを幸福に思う。知の面白さを知っている人の紡ぐ物語だ。
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砂糖を通して、世界史をみるという視点が、 優れている。 世界システム論と歴史人類学の手法で、サトウの世界史を編集する。 ポルトガル、スペイン そしてイギリスへと覇権が移って行くなかで、 砂糖が、重要な商品として扱われた。綿と共に、世界商品だった。 それは、奴隷制と不可分に砂糖があ...
砂糖を通して、世界史をみるという視点が、 優れている。 世界システム論と歴史人類学の手法で、サトウの世界史を編集する。 ポルトガル、スペイン そしてイギリスへと覇権が移って行くなかで、 砂糖が、重要な商品として扱われた。綿と共に、世界商品だった。 それは、奴隷制と不可分に砂糖があった。 カリブ諸島で、サトウキビが、プランテーションとして、 作られるようになる。 イギリスから、綿布、鉄砲、ビーズ。➡アフリカ西海岸 奴隷 ➡ カリブ諸島 サトウキビ。 サトウがイギリスへ。の三角貿易が確立。 砂糖の貿易が、産業革命の基礎になる。 なぜ、カリブ諸島だったのだろうか。奴隷が逃げられない? 海の近くの方が、連作障害が起こらない。 そして、お茶が、イギリスで、砂糖とつながる。 医薬品から、嗜好品へ。ステイタスシンボルとして、お茶とサトウ。 お茶に砂糖をいれる。 コーヒーハウスが、イギリスで広がったが、イギリスには、 コーヒーを作る植民地がなかった。 イギリスのそのころ(1773年)の貿易は、四分の一以上が砂糖だった。 フランスもサトウがあったが、ワインを主に飲んでいたので、 茶とサトウは広がらなかった。 アメリカは、イギリス風の生活がステイタスだった。 それが、イギリスの関税があり、アメリカは急速にイギリス離れした。 ボストン茶事件(1773年)がおこり、 生活スタイルが、コーヒーとコカコーラに変わって行った。 イギリスは、奴隷制で成り立っていたサトウキビのプランテーションを、 奴隷制を認めない動きの中で、変化して行く。 1807年にイギリスは、奴隷制を廃止。 1833年には、イギリス領植民地で、奴隷制を廃止。 さらに、関税を下げていった。 朝食を無税にというスローガンは、達成されて行く。 サトウで、奴隷制の成り立ちから、廃止を語る。
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「難しいことをわかりやすく書く」という、とっても難しいことをしてのけた稀にみる名著。 「砂糖」に焦点をあてながらウォーラーシュタインの世界システム論をひもといていく。 ジュニア新書だが内容は大学レベル。わかりやすさは絵本並。河北先生すごし。 そもそもコーヒーや茶に砂糖をぶちこむ...
「難しいことをわかりやすく書く」という、とっても難しいことをしてのけた稀にみる名著。 「砂糖」に焦点をあてながらウォーラーシュタインの世界システム論をひもといていく。 ジュニア新書だが内容は大学レベル。わかりやすさは絵本並。河北先生すごし。 そもそもコーヒーや茶に砂糖をぶちこむ必然なんてなかった。 文化史の観点からも、「植民地」が引き起こしたインパクトがうかがえる。
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砂糖のことばかりかと思っていたらそうではなく、植民地支配やら奴隷貿易やら、イギリスのコーヒーハウスの話やらへ広がって、思い出したように砂糖が登場します。ジュニア新書にしてこの読み応え。地元の図書館は児童コーナーに配架していましたが、ちょっと無理じゃないかな。
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高校受験のときにこの本に出会っていれば…。 三角貿易、植民地、プランテーション、ティーパーティ事件、ヴードゥー教と、そういえば習ったバラバラの事象が砂糖の流れで見ると全部繋がってくるのね~。 白人であることの罪悪感(White Guilt)にも興味がわいた。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
アマゾン評価がズバ抜けて高い作品。 「世界商品」である砂糖のスポットライトを当てて、 近代の世界史をみよう。そして歴史をひもとくことによって、 現代の世界がどのように成り立ち、繋がっているのか それをみようというのが本書のテーマ。 中高生に語りかけるような、平易な文体で書かれているのも 素晴らしい特徴。子供から大人まで楽しめる良書ではないでしょうか。
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中高生向けで優しい語り口。奴隷制度に支えられた砂糖きびプランテーションがどうやって形成され,変容していったのか。西洋にもたらされた大量の砂糖がどのように消費されたか。その流れをつかめる良本。 砂糖きびは原産地がインドネシアのようだ。この作物の,膨大な人手がかかる,地力を衰えさ...
中高生向けで優しい語り口。奴隷制度に支えられた砂糖きびプランテーションがどうやって形成され,変容していったのか。西洋にもたらされた大量の砂糖がどのように消費されたか。その流れをつかめる良本。 砂糖きびは原産地がインドネシアのようだ。この作物の,膨大な人手がかかる,地力を衰えさせる,という特性は,強制労働と新しい土地を常に必要とした。このことの必然的な帰結として,カリブ海を中心とする大規模な奴隷労働プランテーションが形成される。 本書のエピローグは「モノをつうじてみる世界史」。砂糖に限らず,生活必需品を中心にした歴史の流れを見ることで,人々の生活の歴史や,輸送・通信によってもたらされた世界のつながりの歴史が明らかになることを強調している。こういう視点はとても大事。中高生向けの本としては特にそうだと思った。
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ネーデルランド カトリックのスペインの支配下にあったが、17世紀初めに北部の7州が独立 南部にあったアントウェルペン(アントワープ)は没落 北部のアムステルダムが勃興 三角貿易 ヨーロッパ、カリブ、アフリカ 鉄砲、ガラス玉、綿織物ー奴隷ー砂糖 1720 南海泡沫 サウスシーバブル...
ネーデルランド カトリックのスペインの支配下にあったが、17世紀初めに北部の7州が独立 南部にあったアントウェルペン(アントワープ)は没落 北部のアムステルダムが勃興 三角貿易 ヨーロッパ、カリブ、アフリカ 鉄砲、ガラス玉、綿織物ー奴隷ー砂糖 1720 南海泡沫 サウスシーバブル イギリスとフランス 7年戦争でイギリスが勝 フランス領の砂糖植民地を手に入れたが、ジャマイカの砂糖プランターが困るので、返してかわりにカナダを手に入れた イギリス領の植民地ではコーヒーがとれず ボイコット 厳しすぎて小作人からボイコットされたアイルランドのイギリス人地主 ボイコット大佐が由来 1878 風月堂 貯古齢糖 砂糖あるところに奴隷有り 薩摩藩 砂糖の専売で財力を得た 讃岐、阿波の日本特有の精白糖を和白糖 「和三盆」 主食とおかずの区別のあるくには世界中でむしろ少ない 奴隷制度がなくなると、インド人、インドネシア人、日本人などのアジア人の契約労働者に切り替えた 日本語 サトウキビー甘藷 砂糖大根ー甜菜(てんさい)
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「砂糖の世界史」と言いながら、著者が本当に語りたいのは「奴隷の、あるいは被支配者の世界史」なんだと思う。 確かにそれらは人類の歴史を語るうえで避けて通れない部分ではあるのだけれど、僕が個人的に期待していたものとは違った。 図書館にて。
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すごくいい本だった。地域毎にぼんやりとしか理解してなかった世界の歴史が繋がったかんじ。こういう本もっと読みたいなあ。
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