秘密 の商品レビュー
もしかしたら再読だったかも知れない。でもそんなことはどうだってよかった。面白かった。一気に読んだ。不思議で、優しくて、暖かくて、そしてものすごく切ない。だけど、最後には華やかで気持ちのよいクロージングが用意されていた。 突然の事故で死んだ妻が、生き残った娘の中に蘇る。とまどいなが...
もしかしたら再読だったかも知れない。でもそんなことはどうだってよかった。面白かった。一気に読んだ。不思議で、優しくて、暖かくて、そしてものすごく切ない。だけど、最後には華やかで気持ちのよいクロージングが用意されていた。 突然の事故で死んだ妻が、生き残った娘の中に蘇る。とまどいながらそれを受け止める夫との不思議な生活が始まる。そんな二人の生活を描いていくが、ただそれだけに終わらせないのが東野圭吾。やがて事故を起こした運転手とその妻、さらにその前妻、その息子らが登場し、それぞれの人生が複雑に絡んでいく。物語作りの巧みさにうならされる。本当に上手い。よい作品。
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どんな秘密があるのかと期待しながら読んだ。 長野県でバスの事故により、何人もの被害者が出た。東京でそのニュースを見ていた平介は、妻子がそのバスに乗っていた事実を知る。駆けつけてみると、妻の直子が亡くなり、娘である藻奈美の体に妻の心が入り込むというあり得ないことが起こり、娘...
どんな秘密があるのかと期待しながら読んだ。 長野県でバスの事故により、何人もの被害者が出た。東京でそのニュースを見ていた平介は、妻子がそのバスに乗っていた事実を知る。駆けつけてみると、妻の直子が亡くなり、娘である藻奈美の体に妻の心が入り込むというあり得ないことが起こり、娘の体に心を宿した直子とそのまま何年も暮らしていくことになる。 何が一体秘密なの?もしかして、娘が妻のフリをしていたってこと?とか色々想像しながら読んだが、なるほど、そういう秘密だったのかと。 読み終えた時には、妻の直子がどういう思いで秘密を作ろうと思ったのかと考えたら切なくて切なくて。また、その秘密を知った平介がこれからこの秘密とどう向き合い生きていくのかと考えたら・・・。なんとも切ない『秘密』。
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切ない。ってまず、思いました。 タイトルの意味も最後まで読み終えて、すぐにわかりました。 読者の想像によって、大きく変わるかもしれませんが...。 平介にとっては、最愛の2人を...という解釈しか私には出来ないです。 お互いを想い合った結果だというのが、ますます悲しく思いま...
切ない。ってまず、思いました。 タイトルの意味も最後まで読み終えて、すぐにわかりました。 読者の想像によって、大きく変わるかもしれませんが...。 平介にとっては、最愛の2人を...という解釈しか私には出来ないです。 お互いを想い合った結果だというのが、ますます悲しく思います。
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何が本当の秘密なのか分かったとき、涙が止まらなかった。 最後の最後まで分からなかったこの秘密。 知った上で二度読むと散りばめられていた伏線や親の想いにまた涙する。
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平穏な日々に突然落ちた濁り。 バスの運転手の不注意からなる事故で、愛する妻と娘が事故にあう。 加害者と被害者が接点を持つ中で、どんどん加害者の世界にも触れる父であり夫である男。 幸い、娘は無事であったが、娘が目を覚ますとそこに居たのは娘の体に魂を入れた妻であった。 娘として生きる...
平穏な日々に突然落ちた濁り。 バスの運転手の不注意からなる事故で、愛する妻と娘が事故にあう。 加害者と被害者が接点を持つ中で、どんどん加害者の世界にも触れる父であり夫である男。 幸い、娘は無事であったが、娘が目を覚ますとそこに居たのは娘の体に魂を入れた妻であった。 娘として生きる妻、娘の人生に悔いないようにと第二の人生に努力を続ける妻。 夫として、父として、その振る舞いに限界が訪れ壊れる男。 一つの物事に関して、異常だと思いつつも冷静さをかいてしまう矛盾、そこに帯びる切なさ。 わかっていても止められないことがあるんだよなぁ。 ある日娘の魂が目を覚まし、妻は徐々に消えていく…最後の別れをした後、妻は戻ることはなかった。最後の最後に気づいた時には、遅かった。妻は妻の人格を殺すことで夫を守ったのだった。 娘の結婚相手を二発殴ることの苦しさ。 自分のことばかり考える自分、相手にとって何が一番いいのかを考えることの大切さ。自分には出来ないなと思った。
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こ、これはきっつい。 わかるよ。直子なりに平介を思いやった結果なのだろう。 でも私はそこにどうしても女の特徴、すなわち自己利益を最大化する狡猾さを認めてしまった。 平介はこれからどうやって生きていくのだろう。それこそ自殺してしまうのでは? 平介の人生に比べれば、私の人生などはるかに明るいものだ。 あまりの衝撃に呆然としている。何も手に付かない。 東野先生、えげつない作品、ありがとうございました。
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杉田平助は運転手の過労運転で、スキーバスが事故を起こし、妻と娘が巻き込まれる。 そして、妻の直子が死亡し、娘の藻奈美は妻が身を挺して助けて、奇跡的に回復する。 しかし実はその娘は・・・ 続きが気になって、一気読みしてしまいました。 そして、振り返って考えた時、これってミステリーなのかな?という疑問でした。 現実に起こりそうもないし、殺人事件が起こるわけでもないので、どう思ってもファンタジーの世界のような気がしました。 もう一度青春を手に入れた直子が、2度と後悔しないように、勉強を頑張って行く前向きな姿勢が良かったし、結婚指輪でばれてしまったけど、平介への思いやりでつくった「秘密」 そして、これからの未来を感じさせるハッピーエンドが良かったです。
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久しぶりに長編でした。あり得ない設定だと思いつつ色んな事が切なくて。最初から最後まで一気読みでした。どういう結末が皆にとって良かったのかは分からないし、最後の秘密も直子なのか、そうじゃないのかどちらにも取れるけれど、そこはうやむやが良いのかな…と思います。背中合わせの愛情と嫉妬。...
久しぶりに長編でした。あり得ない設定だと思いつつ色んな事が切なくて。最初から最後まで一気読みでした。どういう結末が皆にとって良かったのかは分からないし、最後の秘密も直子なのか、そうじゃないのかどちらにも取れるけれど、そこはうやむやが良いのかな…と思います。背中合わせの愛情と嫉妬。出生の秘密を知らずに恨む子供、それでも明かせない秘密。都合が良いような、仕方ないような。二つの秘密が絡みつつ、淡々と進むストーリー。面白かったです。
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妻と娘を乗せたバスが事故に。 妻は助からず、娘は助かった。 目が覚めた娘の中には妻が? 家族3人の生活が始まった。 妻は娘として努力し続けた、夫はそんな家族を支えた。 最後の最後に家族を待ち受けていたのは。
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妻と娘が乗ったスキーバスが運転手の過労で転落事故を起こした。 妻は大怪我で間も無く息を引き取り、娘は意識不明だった。 奇跡的に目を覚ました娘は、妻だった。 運転手の母娘、札幌の母息子、娘の成長とともに謎は解かれていき、皆が出した答えは…… よくありふれたSFのようで、最後は東野...
妻と娘が乗ったスキーバスが運転手の過労で転落事故を起こした。 妻は大怪我で間も無く息を引き取り、娘は意識不明だった。 奇跡的に目を覚ました娘は、妻だった。 運転手の母娘、札幌の母息子、娘の成長とともに謎は解かれていき、皆が出した答えは…… よくありふれたSFのようで、最後は東野圭吾のミステリーでまとめたという感じ。 最後の最後まで家事をしないところや物事の考え方が男って感じ。
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