兎の眼 の商品レビュー
あれ? バーコードで登録したのに全く違う表紙が出てきたぞ。 ま、こっちの方がいいや。 小学校の新任教師、小谷芙美が生徒たち、その親、同僚と接する中で、互いに成長してゆく物語。 昭和初期~中期かな、貧しくとも逞しい子供たちに接するうちに、お嬢様だった主人公が逞しくなり、子供...
あれ? バーコードで登録したのに全く違う表紙が出てきたぞ。 ま、こっちの方がいいや。 小学校の新任教師、小谷芙美が生徒たち、その親、同僚と接する中で、互いに成長してゆく物語。 昭和初期~中期かな、貧しくとも逞しい子供たちに接するうちに、お嬢様だった主人公が逞しくなり、子供たちにも良い影響を与えるようになってゆく。 楽しかった。 これもブグログでどなたかのレビューを読んで購入した作品。 ありがとう。
Posted by
祖父母世代の学校、先生、生徒のリアル。 先生には今よりもずっとプライベートはないし、 学校と生徒、保護者の距離もかなり近い。 だからこそぶつかるし、協力して助け合って生きていく。 22歳の箱入り娘の小谷先生が、全力で鉄三やみな子ちゃんにぶつかっていくのが愛おしい。 今となっては考...
祖父母世代の学校、先生、生徒のリアル。 先生には今よりもずっとプライベートはないし、 学校と生徒、保護者の距離もかなり近い。 だからこそぶつかるし、協力して助け合って生きていく。 22歳の箱入り娘の小谷先生が、全力で鉄三やみな子ちゃんにぶつかっていくのが愛おしい。 今となっては考えられないけれど この時代の方々のおかげでいまの日本、いまの教育があるんだと思えた!
Posted by
とある経営者の方がお勧めしていたため、興味を持って読んでみた。本の中で、小谷先生や足立先生が子供たちのために奔走する姿は見ていて応援したくなる。また、子供たちの純粋さには思わず涙しそうになった。 また、マネジメントの視点からこの本を考察してみると、優秀なリーダーとは、異分子を排除...
とある経営者の方がお勧めしていたため、興味を持って読んでみた。本の中で、小谷先生や足立先生が子供たちのために奔走する姿は見ていて応援したくなる。また、子供たちの純粋さには思わず涙しそうになった。 また、マネジメントの視点からこの本を考察してみると、優秀なリーダーとは、異分子を排除するのではなく、異分子の特性を理解し、組織の中で上手く作用させることができるリーダーなのではないかと感じた。小谷先生は鉄三やえつこを排除することなく、組織の中で上手く作用させて、クラスを盛り上げていた。リーダーとはかくあるべきだと改めて思った。
Posted by
母に勧められて読んだ本でしたが多分今までに読んだ本で一番泣きました。気軽に読める本ではありませんが読むべき本だな、と思いました。
Posted by
尖り狂っていた自分と、恩師を投影して読んでしまいました。足立先生は松本大洋の「サニー」で出てきてるような気がして嬉しいです。
Posted by
全ての登場人物が主役であった。 自分の知らない世界で生きる立場を理解しない大人達がそれぞれの都合で発言する。 それを澄んだ心の子供達が正しい道を教えていく。 力を合わせ努力をすれば道は開ける事を。 自分が動かなければ何も動かない事を。 歳を取ってから読み返しても心に響くものがあっ...
全ての登場人物が主役であった。 自分の知らない世界で生きる立場を理解しない大人達がそれぞれの都合で発言する。 それを澄んだ心の子供達が正しい道を教えていく。 力を合わせ努力をすれば道は開ける事を。 自分が動かなければ何も動かない事を。 歳を取ってから読み返しても心に響くものがあった。 「小谷先生は自分にラクをさせないつもりだった」 その後に必ず嬉しい事が起こるから。 古くなっても心に染みる良い小説です。
Posted by
正直今の学校じゃこんな事出来ないだろうなぁ。とは思うけれども色んな子供が居て、色んな環境で生きていてそんな子供達が「同じ学校」にいる事の難しさ。けれどもだからこそ生まれる面白さをしみじみ感じることが出来ました。 先生たちのキャラクターもとても良く、「真面目な学校のお話」とお堅いイ...
正直今の学校じゃこんな事出来ないだろうなぁ。とは思うけれども色んな子供が居て、色んな環境で生きていてそんな子供達が「同じ学校」にいる事の難しさ。けれどもだからこそ生まれる面白さをしみじみ感じることが出来ました。 先生たちのキャラクターもとても良く、「真面目な学校のお話」とお堅いイメージを持たずに(勿論凄く真面目ですが…)話の展開もテンポ良く読み易いので是非読んでみて欲しいです!!
Posted by
人に一緒に添うような優しさを持ちたいと思う。 ※カバーデザインは異なる 1998.9.19読書開始 1998.9.20読了 売却済み
Posted by
理論社刊の、とても古いものを読みました。涙が止まりませんでした。 私は教師ではありませんが、一人の親として、身近な子供たちを見守る立場として、何をして来たんだろう… 私は子供を信じてきたのか、自問自答してしまいました。 まだ、人生、あと少しあります。 これからでも、遅くないです...
理論社刊の、とても古いものを読みました。涙が止まりませんでした。 私は教師ではありませんが、一人の親として、身近な子供たちを見守る立場として、何をして来たんだろう… 私は子供を信じてきたのか、自問自答してしまいました。 まだ、人生、あと少しあります。 これからでも、遅くないですよね。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
1974年。昭和の「今の人々」から忘れ去られようとしていた大事なこと。 「一人で生きているのではない」というメッセージを含んでいる文章に思えた。 きっとそれは「忘れ去らた」のではなく、「なかった」ことにされようとしている。そう感じる。 ゴミ処理場に住む子供たちと家族が、代弁するのは「不幸」でも「貧富」でもない。 「共同体で生きている」という紛れもない事実が、様々な登場人物とエピソードで、パズルのピースのように紡がれて、全体像を作っている。 無口な鉄三は、「ハエを飼う」ことで、現実では得られなかった家族との繋がりをそこに見出そうとする。 知恵遅れのみな子は、学級の中で、古谷先生、子どもたちと繋がり、逆に、みんなを一つに繋ぎ合わせる。 鉄三のお爺さんは、旧友の金龍生を亡くし、妻と娘と婿を亡くしたが、亡くなった人々と、鉄三によって生かされている。 足立先生は「死んだお兄ちゃんの命を食べていた」と、生かされていることを身をもって知っている。 ゴミ処理場の移転が、人々を繋げて行くシーンで幕を閉じる。 『兎の眼』に特徴的なのは、何一つ登場人物達の抱える問題は解決されていないということ。 めでたしめでたしと、乱暴にはならないところが、現実に生きる私たちの眼には、真実に映る。 実話なのかと思った程だった。 でも、実話のような気がする。 私たちの住む国の遠くない過去のどこかで、実際に生きていた人の話。 意外と近くに。 そんな親密感と既視感が相まって、訥々と胸に響き、考えさせられる。 「自分さえよかったら他人はどうなってもええか」 恥ずかしさが8割、不安が2割で最後の頁を閉じた。 古谷先生たちとゴミ処理場の子供たちからの宿題を手渡されて。
Posted by