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中国行きのスロウ・ボート の商品レビュー

3.8

235件のお客様レビュー

  1. 5つ

    51

  2. 4つ

    70

  3. 3つ

    65

  4. 2つ

    11

  5. 1つ

    1

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2015/12/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

村上春樹の短編小説。村上春樹は短編集も多いけど、やっぱり長編が面白いね。 『土の中の彼女の小さな犬』 で男性が女性のプロフィールを予想で当てていくシーンが憎い。(p211) 『午後の最後の芝生』にはとても丁寧に芝刈りをする男が登場する。村上春樹作品でよく描かれる「日常的な行動を丁寧にこなす人」だ。料理や掃除を丁寧に行うシーンがよくある。 --- memo 107 「テレビには少なくともひとつだけ優れた点がある。」「好きな時に消せる」 268 「この世界には、たぶんあなたは御存じないと思うのですが、約三千人の羊男が住んでおります」と羊男は言った。

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2015/11/03

『午後の最後の芝生』が一番かな、村上春樹らしく奇妙な設定でありながら自然に読めて確固たる結末を用意はしない。 全体として後半収録作の方が良い。逆に言うと前半は何というか村上春樹であっても団塊の世代なのかと思わせる頭で走った感が強い。要するに余り褒められたものでは無いんですが、徐々...

『午後の最後の芝生』が一番かな、村上春樹らしく奇妙な設定でありながら自然に読めて確固たる結末を用意はしない。 全体として後半収録作の方が良い。逆に言うと前半は何というか村上春樹であっても団塊の世代なのかと思わせる頭で走った感が強い。要するに余り褒められたものでは無いんですが、徐々にこの作家の孤高性が現われつつあるのが感じ取れます。 村上主義者であるなら必読作品集かもしれない、と非村上主義者は思う訳で。

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2015/10/24

村上春樹作品の中では大人しい部類に入る本だが、どの短編も素晴らしい出来である。特にカンガルー通信が面白かった。あれを受け取った人はどうするのだ?

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2015/09/03

若い時の作品だなあという印象。 オチがはっきりしないのは、若い時の作品だからか、純文学故の宿命か(特に前半の話)。 純文学はなにか一つの事件(出来事)を通じて人生を書き出す。 しかし、人生はその事件のあとにも続くし、その前から続いてきたものだ。 それを全部書ききるのは不可能だ(そ...

若い時の作品だなあという印象。 オチがはっきりしないのは、若い時の作品だからか、純文学故の宿命か(特に前半の話)。 純文学はなにか一つの事件(出来事)を通じて人生を書き出す。 しかし、人生はその事件のあとにも続くし、その前から続いてきたものだ。 それを全部書ききるのは不可能だ(それこそ対象の人物を殺しでもしないと)。 と考えると、どうしてもオチはどこか弱い感じになるのは仕方がないのかもしれない。 ミステリー小説やエンタメ小説だと事件が主軸だから、事件が終わればはい終わりって感じなんだけど。 午後の最後の芝生は泣きそうになりました。 青春時代って本当に後悔の歴史ですね。

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2015/08/17

図書館で。 私小説なんだかフィクションなんだかその辺りはよくわからないのですが村上春樹は中華料理がキライだって聞いたことがあるから多分創作なんだろうなあ。 この人のお話って物凄い感覚的な話が多いので合う・合わないがあるなあとしみじみ思いました。終始、だから?とか頭に疑問符を浮か...

図書館で。 私小説なんだかフィクションなんだかその辺りはよくわからないのですが村上春樹は中華料理がキライだって聞いたことがあるから多分創作なんだろうなあ。 この人のお話って物凄い感覚的な話が多いので合う・合わないがあるなあとしみじみ思いました。終始、だから?とか頭に疑問符を浮かべながら読んでいた感じです。最初に出会った中国人だから何?とか。(曲のタイトルだそうですがその曲聞けばわかるんだろうけど…という感じだしな)そして貧乏な叔母さんがそれまでの人生で存在しなかった僕がなんでそんなタイトルで文章を書かなきゃならないんだ、とか。大体、貧乏な叔母さんの生涯をいずれ貧乏な叔母さんになるための少女の人生と位置付けてる辺りで物凄い上から目線というか差別してるなあ。確かに「僕」は貧乏な叔母さんにはならないだろうし、作中の印象からすると貧乏にもならなそうだものな。誰も貧乏なんかなりたくないってのに。 まあ作中にもありましたが1980年代という時代の小説なのかなあとも思いました。最後の羊男の話はちょっと面白かったですが何でシドニーの私立探偵は漢字が読めるとか読めないとかにこだわるのかなあと少し不思議に思いました。

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2015/08/22

氏にとっての最初の短編集で、1980〜82年に発表されたうら悲しい物語が続きます。30年前の文章とは思えないほどに瑞々しくて、しかもかっこいい。 この本に限らず、村上春樹さんの本にはまっている期間は食生活が変わるような気がします。簡単な料理を作って食べたくなるし、サンドウィッチも...

氏にとっての最初の短編集で、1980〜82年に発表されたうら悲しい物語が続きます。30年前の文章とは思えないほどに瑞々しくて、しかもかっこいい。 この本に限らず、村上春樹さんの本にはまっている期間は食生活が変わるような気がします。簡単な料理を作って食べたくなるし、サンドウィッチも恋しくなる。冷蔵庫にビールがないと落ち着かない。 特に、と選ぶのは難しいですが、「午後の最後の芝生」は本当に沁みます。沁みるんです。 <収録作品> ・中国行きのスロウ・ボート ・貧乏な叔母さんの話 ・ニューヨーク炭鉱の悲劇 ・カンガルー通信 ・午後の最後の芝生 ・土の中の彼女の小さな犬 ・シドニーのグリーン・ストリート

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2015/06/28

もともと、村上 春樹を読む気はあんまりなかった。 たしか、まだ大学生ぐらいだった頃に「風の歌を聴け」を読んで、まったくピンとこなかったというか、まったくストーリーも、登場人物も、読んだ後に残らないというすごい経験をして以来、まあ、わたしには関係のない作家なんだと思ってきた。 それ...

もともと、村上 春樹を読む気はあんまりなかった。 たしか、まだ大学生ぐらいだった頃に「風の歌を聴け」を読んで、まったくピンとこなかったというか、まったくストーリーも、登場人物も、読んだ後に残らないというすごい経験をして以来、まあ、わたしには関係のない作家なんだと思ってきた。 それは、「ノルウェイの森」でベストセラー作家になった後も一緒で、まあときどき大塚 英志とかが紹介しているので、「読む?」とちょっと目に入ってきたりしていたのだが、珍しく買うまところのまでいかなかった。 今回、もう1回、村上 春樹を読んでみよう。それも、「ノルウェイの森」でもなく、「ダンス・ダンス・ダンス」でもなく、「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」でもなく、この「中国行きスロウボート」という短編集を読んでみようと思ったのは、古川 日出男の「二〇〇二年のスロウボート」を読むための知識として、これを読んでおかないといけないような気がしたから。 そして、今、この文章を書いているのは2つ目の短編の「貧乏な叔母さんの話」を読み終わった後ですが、1作目の「中国行きスロウボート」の話は、ほとんどわたしのなかに残っていない。 まったく、大学時代に読んだ「風の歌を聴け」と同じ印象。 まあ、感想を一言でいうなら、「なんじゃ、こりゃ」。 「貧乏な叔母さんの話」は、きのう読んだところなので、まだちょっと印象が残っている。でも、多分これも、数日したら、まったく忘れちゃうような話。 出だし、叔母さんが出現するあたりは、ちょっと面白くて吹いた。 でも、その「叔母さん」が、ものを考える「ぼく」の思考かなにかを遠回しに表しているだけで、それで、「ぼく」に叔母さんがひっついていることで友達がうっとしがって離れていって、でも、そのおかげで有名になってテレビに出てくだらない質問に、くだらない答えをして、叔母さんがいる「ぼく」はそんなにいやじゃないというか、むしろ積極的に素敵、と最後に自己肯定してしまうこの話は、アホかと。 どこまで、自分のこと好きなんや。他人のこと、どうでもいいと思っているやろうという感想しかでてこないのです。 いや、もしかしたら、もっと深い話かもしれないですが、わたしは頭が悪のでこんなことした感じなかったです。 うーん。古川 日出男は、村上 春樹のどこに衝撃を受けたんだろう。 「カンガルー通信」まで読みました。 これは、ひたすら気持ち悪かったです。 自分が女子で、こんな手紙が来たら、迷わずに警察に行くと思います。 怖い。 なんか、ラストで「あぁ」というオチがあるのかと思ってがんばって読みましたが、結局、なにもなかった。 わたせ せいぞうとかに感じる、空っぽなおしゃれな感じがするんですよねぇ。 あれ、おもしろいか? そして、おしゃれとも思えない。いやもちろん、わたしにおしゃれを語れるだけのなにかがあるとは思えないけれど。 うーん。主人公がダメダメな片岡 義男? 片岡 義男は、最近は小説書いてないのかな。けっこう好きでした。 なんのかんのいって、投げ出してしまうほど読みにくくはない。 でも、読んでいる最中も、読んだ後も、心になんにも残らない感じ。 時間を無駄にした感じがなぁ。 と思って読み進めていきましたが、最後の「シドニーのグリーン・ストリート」だけは、けっこう面白かった。 この作品が、他の作品とどこが違うのかはわからないけど。 もしかして、1冊読んでいるうちに、村上 春樹に慣れてきた? そして思ったのは、この「シドニーのグリーン・ストリート」だけ、 村上 春樹ファンからは、すごく評価低かったりしないだろうか? あっ、今、「中国行きスロウボート」で、中国人のカールフレンドが泣くシーンをフラッシュバックみたいに思い出した。 あれ、主人公、ナチュラルにいじわるしているんだよねぇ。そして、自分がいじわるしたことすら気づいていないという描写なんだろうか。 でも、そこで読者であるぼくの感じる気持ち悪さは、 「実は、作者すらその悪意に気づいてないんじゃない?」 という気持ち悪さと、それにもかかわらず、意味深げにそのシーンを切り出しているんじゃないかという気持ち悪さが、ないまぜになっています。 これが、村上 春樹の処女短編集。 あと、家には読んでいない村上 春樹が2作品あります。 うーむ。読む機会はあるかなぁ。

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2015/05/25

なつかしい初期の短編集。古本屋で購入したところ、雑誌の切り抜きが挟まっていた。ハイヒールを履いた女性の足元の写真。いかにもこの作品に登場しそうな謎めいたビジュアルだった。持ち主はなにかのメッセージを伝えるために意図的に挟んだのだろうか?と、これまた村上春樹的な世界を想像してしまう...

なつかしい初期の短編集。古本屋で購入したところ、雑誌の切り抜きが挟まっていた。ハイヒールを履いた女性の足元の写真。いかにもこの作品に登場しそうな謎めいたビジュアルだった。持ち主はなにかのメッセージを伝えるために意図的に挟んだのだろうか?と、これまた村上春樹的な世界を想像してしまう。このころはすこし文体とか小説のつくりに固さを感じるけれども、それもいいなぁと思う。

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2015/04/14

全体的によくわからない話ばかりだけど、なんか癖になる。文体や比喩が独特で、くすりと笑える。表題作が一番好き。また読み返したいな。

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2015/04/08

村上春樹にとって最初の短篇集だというので読んでみた。 「ノルウェイの森」「風の歌を聴け」「スプートニクの恋人」など読んできたが「靄のなかを歩きつづける文章」や「どの作品を読んでもまったく同じ人物に感じられてしまう『僕』」がどうにも好きになれずにいる。 最初の短篇集ならちがった村...

村上春樹にとって最初の短篇集だというので読んでみた。 「ノルウェイの森」「風の歌を聴け」「スプートニクの恋人」など読んできたが「靄のなかを歩きつづける文章」や「どの作品を読んでもまったく同じ人物に感じられてしまう『僕』」がどうにも好きになれずにいる。 最初の短篇集ならちがった村上春樹がいるのかもしれないと期待して読んでみた。 いつもの村上春樹だった。 収められている「カンガルー通信」一遍のヘンタイな『僕』以外は。 国内外とわず人気である彼の物語のどの部分が読者を惹きつけるのかおおいに興味があるのだけれど、今回も答えはわからなかった。 ロマンチックな部分が好かれているのかな?圧倒的に女性読者が多いならわかるんだけど、男性読者も同等にいるみたいだしな。多くの作品の『僕』は女の子にモテて勉強も仕事もできそうなハイスペック野郎だから、男性読者が自身と比較してムカついたりしないのかな。 いつも思うのは読むとかるく気持ちが落ちるんだよな。

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