中国行きのスロウ・ボート の商品レビュー
久しぶりに村上春樹の作品をまとめて読んだと思う。しかも、初期の作品を。 やっぱり、いいなぁ。 もう無条件に好きな作家なので作品についていろいろ語るつもりもないのだけど、あえて言うと、わたしは最近の作品より初期の作品の方が好きみたいだ。
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あまり時間を使わずに始めから終わりまでしっかりと読み切れる作品が集まっており、どの一篇どの一文にも豊かすぎる比喩が用いられている。現実をちょっとした奇想へ転化するメタファーが身体に満たされるのを心地よく感じながら、主人公を務める男らの孤独や青春の葛藤を読む。そしてそれらは他ならぬ...
あまり時間を使わずに始めから終わりまでしっかりと読み切れる作品が集まっており、どの一篇どの一文にも豊かすぎる比喩が用いられている。現実をちょっとした奇想へ転化するメタファーが身体に満たされるのを心地よく感じながら、主人公を務める男らの孤独や青春の葛藤を読む。そしてそれらは他ならぬ平凡な日常に根付くものであったことに気づかされる。著者による大いなる意志のさりげないセンテンスへの忍ばせ方を楽しむ短編集ではないだろうか。
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ぱらぱらと読む。 読んだそばから忘れていく。でも読んでいるうちは引き込まれる。 今は自分に余裕がないから感想とかでてこない。でも読んでいると時間が過ぎてくからよい。
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もちろん時は全ての人々を平等に打ちのめしていくのだろう。 彼らはもう何時間もそのように待ち続けていた。闇が少しずつ現実を溶解させていたった。何もかもがずっと昔に、どこか遠い世界で起こったことであるように思えた。あるいは何もかもがずっと先に、どこか遠い世界で起こりそうなことである...
もちろん時は全ての人々を平等に打ちのめしていくのだろう。 彼らはもう何時間もそのように待ち続けていた。闇が少しずつ現実を溶解させていたった。何もかもがずっと昔に、どこか遠い世界で起こったことであるように思えた。あるいは何もかもがずっと先に、どこか遠い世界で起こりそうなことであるようにも思えた。
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ひさびさの村上春樹作品。長篇はすべて読んでいるのに、どういうわけか著者初の短篇集である本作はまだ読んでいなかった。あいかわらず独特の世界が展開していて楽しいが、なかでもとくに嬉しかったことは、あの「羊男」が登場することだ。まったく予想していなかったのでビックリしたが、調べてみると...
ひさびさの村上春樹作品。長篇はすべて読んでいるのに、どういうわけか著者初の短篇集である本作はまだ読んでいなかった。あいかわらず独特の世界が展開していて楽しいが、なかでもとくに嬉しかったことは、あの「羊男」が登場することだ。まったく予想していなかったのでビックリしたが、調べてみるとどうも、ほかの未読作品にもいくつか登場しているようである。そちらも随時読み進め、羊男の魅力を存分に味わいたい。さて、本作の話に戻るが、個人的には「カンガルー通信」や「午後の最後の芝生」が好きだ。言葉にしてうまく語るのは難しいけれど、とにかく独創性に満ち溢れていて読んでいてすごく心地が良い。やっぱり、わたしは村上春樹が好きなのだ。
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初の短編集。 表題作である「中国行きのスロウ・ボード」はザ・村上春樹て感じで合わない人にはとことん合わないだろうなと思った。 ちょっと前に読んだはずなのにほとんど話を思い出せない。 「午後の最後の芝生」が一番お気に入り。
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タイトルの話が一番よかった。せっかく彼女ができて、次回会う約束をしたのに、結局ほんの些細な自分の不注意で、二度と会えなくなってしまったという人生の不条理そのもの。「午後の最後の芝生」は、主人公の芝刈りという仕事に対する態度に好感が持てた。「シドニーのグリーン・ストリート」はピザ屋...
タイトルの話が一番よかった。せっかく彼女ができて、次回会う約束をしたのに、結局ほんの些細な自分の不注意で、二度と会えなくなってしまったという人生の不条理そのもの。「午後の最後の芝生」は、主人公の芝刈りという仕事に対する態度に好感が持てた。「シドニーのグリーン・ストリート」はピザ屋で働いている女友達のちゃーりーのキャラクター、特に主人公の私立探偵が金持ちだと知らないけれど、彼の事が好きなところが気に入っている。
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すっきり読めました。 さらっとした感じで書かれている短編。 書かれた時代にもよるのでしょうか。 交わされる会話が素敵。
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初期の村上春樹氏の短編集で、まさかの未読本。 どうしてこの本を今まで読んでいなかったのか不思議でならないのだけれど、今あらためて若き日の村上春樹氏の作品に出会えることに大きな幸せを感じる。カンガルーも羊男もここにいたなんて! どの短編も好きで何度も読み返したい。「貧乏な叔母さんの...
初期の村上春樹氏の短編集で、まさかの未読本。 どうしてこの本を今まで読んでいなかったのか不思議でならないのだけれど、今あらためて若き日の村上春樹氏の作品に出会えることに大きな幸せを感じる。カンガルーも羊男もここにいたなんて! どの短編も好きで何度も読み返したい。「貧乏な叔母さんの話」「午後の最後の芝生」「土の中の彼女の小さな犬」が特によかった。
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