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中国行きのスロウ・ボート の商品レビュー

3.8

235件のお客様レビュー

  1. 5つ

    51

  2. 4つ

    70

  3. 3つ

    65

  4. 2つ

    11

  5. 1つ

    1

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2017/11/29

相当前に読んだ本。久しぶりに読み直しました。 みんなそれぞれ面白い。何かが解決されたわけではない。でも形にならない何かが心の中で溶けて吸収されていく感じ。 楽しい時間でした。

Posted byブクログ

2017/11/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

村上春樹最初の短編集。 個人的には収録順に面白くなっていった。 シドニーのグリーン・ストリートは大人向け絵本って感じでとても好き。挿し絵もついてるし。物語通してどこかコミカルなんだよなあ。村上春樹の長編でもクスッとくるところが結構あって、同じ種類のコミカルさだった。 やっぱり短編って作者のエッセンスが詰められてるんだなあって思う。 村上春樹の小説って音楽と酒とセックスは必ず出てくるけど、動物も準レギュラーかもと思った。動物園もけっこう出てくるし。 あと、人物の描写の仕方は作者が人をどう見てるかってところに繋がると思うのだけれど、村上作品って服装の描写が丹念だなあと思った。魅力的な人(特に女性)は品のいい着こなしをしていて、モブとかつまらない人は無難だったり品のない服を着ている傾向にある気がする笑

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2017/07/15

村上春樹の初期の短編小説七篇を収めている。 「中国行きのスロウ・ボート」が一番かな?シドニーのグリーン・ストリートも好きだな。

Posted byブクログ

2017/07/02

 私の中にある、いわゆる村上春樹っぽい文章は、まさにこの「中国行きのスロウ・ボート」のような文章です。多分、今の文章とは全然違うのだと思いますが、私にはあまり違いが分かりませんし、最初にすり込まれたのがこんなイメージだったので、未だに私の中では、このタイプの印象です。  短編は...

 私の中にある、いわゆる村上春樹っぽい文章は、まさにこの「中国行きのスロウ・ボート」のような文章です。多分、今の文章とは全然違うのだと思いますが、私にはあまり違いが分かりませんし、最初にすり込まれたのがこんなイメージだったので、未だに私の中では、このタイプの印象です。  短編はいいですね。読書のために短い時間しか取れなくても、中途半端なところでお仕舞いにならないのが短編のよいところです。反面、村上春樹の唐突な世界観が、長編だと何となく辻褄が合って終わってくれるのですが、短編の場合、辻褄が合わないまま終わってしまうこともあって、読み終わったときに取り残されたような虚しさを味わうことがままあります。  この村上春樹の初めての短編集「中国行きのスロウ・ボート」が出版されたのが、1983年だそうです。私が村上春樹を初めて読んだのは「ノルウェイの森」ですので、その前にこの作品は世に出ていたことになります。まあ、高校生の私が読んでも、多分理解できなかったでしょう。今読んでも、よく分からないし(^^;。  私が好きなのは、「中国行きのスロウ・ボート」「カンガルー通信」「午後の最後の芝生」「シドニーのグリーン・ストリート」、しっくりこなかったのは、「貧乏な叔母さんの話」「ニューヨーク炭鉱の悲劇」「土の中の彼女の小さな犬」といった感じです。  「シドニーのグリーン・ストリート」には羊男が出てきます。僕がグレン・グールドのレコードを聴いているのもそれっぽくて素敵です。カンガルーもいいですね。  ちょっとしたスキマ時間に、気分転換に読んでみるのに最適な一冊です。

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2017/04/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

再読多分2回目。村上春樹を知ったきっかけになった短編集。高校の国語の授業で「中国行きのスロウ・ボート」の一部が取り上げられ、興味を持ったのが動機。「中国行きのスロウ・ボート」以外は初読み。「カンガルー通信」は今こういうことをやったらストーカー扱いだなと考えながら読んだ。印象に残ったのは「中国行きのスロウ・ボート」の女性の中国人留学生のやり取りの話。「ノルウェイの森」を始めて読んだような切なさを感じた。「午後の最後の芝生」や「土の中の彼女の小さな犬」も作者らしい作品でいい。感想はこんなところです。

Posted byブクログ

2017/02/12

「中国行きのスロウ・ボート」 語り手と、過去に出会った中国人たちのちょっとした 時に不幸なすれ違いを回想する作品 ここに登場する中国人とは 時代背景を考えるに台湾(中華民国)系の人々であろうか 村上春樹の政治的立場を考察する上では 重要な作品と思われる 「貧乏な叔母さんの話」 ...

「中国行きのスロウ・ボート」 語り手と、過去に出会った中国人たちのちょっとした 時に不幸なすれ違いを回想する作品 ここに登場する中国人とは 時代背景を考えるに台湾(中華民国)系の人々であろうか 村上春樹の政治的立場を考察する上では 重要な作品と思われる 「貧乏な叔母さんの話」 小説家の背中に張り付いた貧乏な叔母さんのイメージ それに人々は自らの思い入れを投影した 懐かしさ、甘酸っぱさ、 あるいは後ろめたさからの悪意 理不尽に傷つけられた叔母さんを慰めたいと小説家は思う 「ニューヨーク炭鉱の悲劇」 なぜか友人が次々に死んでいく年があった 事故、病気、自殺 死はわれわれのすぐそばにある それをまるで確かめるかのように 「カンガルー通信」 いかにディープなハルキストでも この作品が気持ち悪いという意見には頷いてくれるだろう 電波じみた録音ラブレターである 「午後の最後の芝生」 大量生産・大量消費の世の中で 手仕事の丁寧さにこだわる昔かたぎのアルバイター 2010年代ならば、かえって批判の対象だろう しかし1980年代には温故知新だった 「土の中の彼女の小さな犬」 ガールフレンドにすっぽかされた旅行先のホテルで 初対面の女を相手に占い師の真似事をする 時の流れの中で、過去になど構っていられない そのことに女は罪悪感を感じている 「シドニーのグリーン・ストリート」 父の遺産を相続して、大金持ちの「僕」だったが 奇特な性格で、私立探偵などやりつつ 結婚して印刷工になるのも悪くない、などと考えている そんな「僕」のところに羊男が現れる

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2016/12/28

エッセイ「サラダ好きのライオン(だったかな…)を彷彿とさせる読みやすさ。長編もいいけど、短編も面白いすね。

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2016/12/08

短篇集。「中国行きのスロウ・ボート」が一番好み。 おしゃれな文章。人の心に行き着くにはあまりに遠い、そんなどうしようもない気持ちを書いた感じがある。好き。

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2016/11/23

多くの方々が、作品や安西水丸の表紙を褒めている。もちろん私も同感なのだけど、この本って、背表紙もいいんだよね。 シルバー地に白の文字。本棚に並べてみると分かるのだけど、光が反射して書名や著者の名前が読みにくい。でも、文字が読みにくいためか、それほど主張しているようには感じられない...

多くの方々が、作品や安西水丸の表紙を褒めている。もちろん私も同感なのだけど、この本って、背表紙もいいんだよね。 シルバー地に白の文字。本棚に並べてみると分かるのだけど、光が反射して書名や著者の名前が読みにくい。でも、文字が読みにくいためか、それほど主張しているようには感じられない。逆に、本棚の中で、誰かに手に取ってもらうことを静かに待っている。そんな、ただずまい。

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2016/09/06

読みやすい。いつも内容はよく分からないと思ったとしても読んでしまう。 日常のちょっとした疑問とか少し頭に浮かんだこと、考えていたとしてもすぐに消えてしまうことや、心に残っている思いとか、自分と重なるところが文字に表されている気がする。 自分が読書をするときに、自分と重ね合わせるよ...

読みやすい。いつも内容はよく分からないと思ったとしても読んでしまう。 日常のちょっとした疑問とか少し頭に浮かんだこと、考えていたとしてもすぐに消えてしまうことや、心に残っている思いとか、自分と重なるところが文字に表されている気がする。 自分が読書をするときに、自分と重ね合わせるような読み方をしているのかもしれないけれど。 でもどんな作品を読んでも、村上春樹さんの本を読むことは好き。 印象に残った分はいくつもあるけれど 「まったく十年もたてば実にいろんなことが変わるものさ。もちろん今ある俺は十年前の俺があってこそ存在するわけなんだが、実感としてはどうもピンとこないね」 「カンガルーとあなたとの間には36の微妙な行程があって、それをしかるべき〜・・」 変わったことを説明するにはこう考えることが必要なのかな、あとは今している行動にはすべて意味があって、それは書かれている微妙な行程を得たから起こったことってことなのかな。

Posted byブクログ