中国行きのスロウ・ボート の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
印象に残ったところ 「中国行きのスロウ・ボート」の5章(?)から始まる状況描写の比喩。 これ以外にも全般的に言えることなのだが、ここの部分が一番感情の視点とその街の視点がうまく混じっていた気がしたから。 「カンガルー通信」の話の展開の仕方 これは危ない人にしか見えなかった。 「シドニーのグリーン・ストレート」の事件解決直後にあった「これというのもみんなフロイトのおかげだ」のセリフ この話だけ他と違ってコミカルな感じに進んでいて結論もあっけらかんとしていたので思わずそんな結論なの?というツッコミもでてきそうになった。 全体として若い男の一人称で進んでいくのと、いい雰囲気なのかどうかはわからないが一対一で濃い会話をしている場面が多いという印象。何となくさばけた思考の性欲旺盛な青年をメインにおいているよう。あと文中の人物で、その考え方にはついてけないだろうとは思いつつも文章としては追っているというのも先に書いた比喩とか空気感の書き方の旨さがある。
Posted by
この中の【午後の最後の芝生】という作品がとても好きです。 芝生を刈る青年の話。 青年はとても丁寧に芝生を刈ります。 芝生を刈りながら彼女から送られてきた別れの手紙を思い出しています。 芝生を刈りに行った先の女性と、 芝生を刈ることについての描写が好きです。
Posted by
村上春樹をあまり読んでいない。ノルウエイの森いらい 何度か、挑戦しようとして挫折。敬遠していた。 この本は「村上春樹」の初めての短編集だが1983年の作品だ。 面白いと勧められて読んでみた。 私には及びもつかぬ天分が溢れた短編集だと思った。 この短編集が、面白かったか〜といえば...
村上春樹をあまり読んでいない。ノルウエイの森いらい 何度か、挑戦しようとして挫折。敬遠していた。 この本は「村上春樹」の初めての短編集だが1983年の作品だ。 面白いと勧められて読んでみた。 私には及びもつかぬ天分が溢れた短編集だと思った。 この短編集が、面白かったか〜といえば嘘になる。ただ、私には 描けないセンテンスが箇所箇所にあり、やはり、この方は天才だ と思った。
Posted by
「土の中の彼女の小さな犬」は「沈黙」に似ている。 「シドニーのグリーン・ストリート」は、なかなかいい。 挿絵が死ぬほどださい。
Posted by
『午後の最後の芝生』読後は妙に草刈りがしたくなり、サンドイッチが食べたくなる。あとは『土の中の彼女の小さな犬』が好き。
Posted by
前半4編は退屈だったが、後半3編は惹きこまれてしまった。 著者の前書きを読むと「最初の4編は『1973年のピンボール』発表後に書かれ、『羊をめぐる冒険』をはさみ、後半3編を書いた」とのこと。納得。 ひとりの作家の変化を目の当たりにした感じだ。
Posted by
2001年12月9日読了。以下、過去の日記から抜粋。 古い本である。 何せ春樹氏初の短篇集、初出雑誌が80年~82年で納まってしまうのだから。 つまり、私がまだ2~4歳ってことであるから、ちょっと感慨深い。 どうしてこの古い一冊をわざわざ読み返そうかと思ったかといえば、 昨日の...
2001年12月9日読了。以下、過去の日記から抜粋。 古い本である。 何せ春樹氏初の短篇集、初出雑誌が80年~82年で納まってしまうのだから。 つまり、私がまだ2~4歳ってことであるから、ちょっと感慨深い。 どうしてこの古い一冊をわざわざ読み返そうかと思ったかといえば、 昨日の卒論発表でまさにこの作品を取り上げる人間がいるからである。 我が研究室では基本的にはすでに他界した作家しか扱わない。 強制ではないが、やはり作者が生きているとなかなかやりづらいのだ。 しかし、彼はこの大胆かつやや無謀な課題に果敢にも挑戦しようとしている。 韓国に1年間留学していたために卒業が1年ずれてしまった同輩に、 少しでもエールを送りたいという思いが私にこの本を選ばせたのである。 彼は「シドニーのグリーン・ストリート」を除いた6篇それぞれに 小テーマを立て、最終章で短篇集としての性格を把握しようとするらしい。 彼のレジュメを見ながら、1篇ずつ読んでみた。 ・・・いやはや、コレは難しい。 私が読む限りでは春樹氏の作品はまともに論評しようとしても、 するりするりと指の間をすり抜けていく糸蒟蒻のようである。 特に、「ニューヨーク炭鉱の悲劇」は一貫して読むことすら難しい。 彼がこの作品をどう読み解くか、かなり楽しみである。
Posted by
冒頭の村上春樹の言葉を引用 本書には1980年春から1982年夏にかけて発表された七つの短編が年代順に収められている。長編を里程標にすると、「1973年のピンボール」の発表後に最初の四編が書かれ、「羊をめぐる冒険」のあとに後半の三編が書かれた。したがって「カンガルー通信」と「午後...
冒頭の村上春樹の言葉を引用 本書には1980年春から1982年夏にかけて発表された七つの短編が年代順に収められている。長編を里程標にすると、「1973年のピンボール」の発表後に最初の四編が書かれ、「羊をめぐる冒険」のあとに後半の三編が書かれた。したがって「カンガルー通信」と「午後の最後の芝生」のあいだには一年近くのブランクがある。これは僕にとっての最初の短編集である。 つまりすべて自分が生まれるより前に書かれている。 ・「中国行きのスロウ・ボート」 読んでる途中で「中国人か、高校の同級生にも何人かいたなー」なんて思っていた。そんなことを考えながら読み進めていると、 「高校が港町にあったせいで、僕のまわりには結構数多くの中国人がいた。…」 という文章が。そうだった。村上春樹は俺の母校の卒業生だった。道理で共感できるわけだ。別に作品全体が筆者の経験に基づいているわけではないんだろうが、やはり彼自身中国人となにかしら縁があったんだろう。 この作品大好きです。小学校の先生。バイト先の女性。高校時代の知り合い。 ・「シドニーのグリーンストリート」 これもこの本の短編の中で特にお気に入り。願望憎悪か。フロイトやユングを読もう。私立探偵。羊男。「ちゃーりー」。 他に「午後の最後の芝生」や「土の中の彼女の小さな犬」もよい作品だと思った。これらは、上記二作のように、まっすぐ「好き」というのとは違う印象だが、心に残るお話。 フレーズで抜き出すとP94の「まるで故障したエレベーターにたまたま二人で乗り合わせたって感じなんだよ」がお気に入り。 乗り合わせた相手がいい。思わず笑った。これだけでも読み返す価値あり。
Posted by
0221 小川洋子がエッセイで書いていた1冊。 この雰囲気大好きです。 特に印象に残ったのは午後の最後の芝生と、しりつたんていの話。
Posted by
最近はすっかり離れてしまったが、村上作品は初期に好きなものが多い。短編集ではこれ。ある時期何度も読み返していた記憶がある。
Posted by