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やがて哀しき外国語 の商品レビュー

3.8

129件のお客様レビュー

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2014/06/29

作家とは、大学の研究者とはこういうものだ、というカタチに入らないとアメリカ人は不安に感じるらしい、という東海外社会の分析と、対する彼の立ち位置が面白い。

Posted byブクログ

2014/06/07

昔のSWITCHやEsquireを読んでいる気分だった。村上春樹がまだ40代で若かった頃、世の中は90年代前半で、大統領はクリントンで、自動車の貿易摩擦で反日感情があって、ブルース・スプリングスティーンの『ボーン・イン・ザ・USA』が流れていて、ベルリンの壁やソ連が崩壊して、Ma...

昔のSWITCHやEsquireを読んでいる気分だった。村上春樹がまだ40代で若かった頃、世の中は90年代前半で、大統領はクリントンで、自動車の貿易摩擦で反日感情があって、ブルース・スプリングスティーンの『ボーン・イン・ザ・USA』が流れていて、ベルリンの壁やソ連が崩壊して、Macが出てきてパソコンという時代の寵児が現れて…と、激動の時代の入口。そんな時代。世界一の楽観的なアメリカがあって、大量生産大量消費があって。今の時代にはすっかり消沈してしまった自信と華やかさの時代。昔の雑誌を読むと、今の歳取った人たちの若かった頃が伺い知れる。29歳は村上春樹がはじめて小説を書いた。自分たち今の若者が歳をとったとき、彼らみたいに面白い年寄りになれるか、そう考えると今を死ぬ気で生きることについて彼らに負けておられんなと思う。 外国暮らしを何年もふらふらしながら「自分は自分、他人は他人」、「世代なんて関係ない、個人がすべてだ」という文章を書くところから村上春樹の本質も垣間見えて(これこそが自分に最も影響を与えたことだが)、ノーベル賞候補とかイスラエルでの演説とかしてる20年後の今の彼にはやっぱり違和感を感じる。

Posted byブクログ

2014/05/01

村上春樹のエッセイ集。アメリカ滞在中のもので、主にアメリカ文化を通して観た日本みたいな感じが多い。時期としては湾岸戦争辺りからクリントン初期くらい辺り。 例えば何か大事なものと自分の間に壁があっとして、村上春樹のものの捉え方というか文章は、その壁を少しずつ丁寧にハンドハンマーで...

村上春樹のエッセイ集。アメリカ滞在中のもので、主にアメリカ文化を通して観た日本みたいな感じが多い。時期としては湾岸戦争辺りからクリントン初期くらい辺り。 例えば何か大事なものと自分の間に壁があっとして、村上春樹のものの捉え方というか文章は、その壁を少しずつ丁寧にハンドハンマーで丁寧に叩いていって、穴があきそうなところを発見して、そこを丁寧に掘って行くような感じがあって、そういう感じが自分が村上春樹を好きな理由なんだろうな、と思った。 ネットサーフィンをしていて普段読む文章は、壁をバズーカーとかで破壊しようとしたり、ただ壁をちょっと離れて神経質に観察するだけ、みたいなものが多くて、そういう意味でも古い本だけど新鮮で楽しく読めた。 20年位前の本なので、アメリカ文化のリアルな情報では最早無いような気もするけど、それでもなお読んで良かったなあ、と思った。

Posted byブクログ

2014/01/08

村上さんのプリンストンでの生活のエッセイ。へ~こんななんだ!とか、ぷぷぷと笑っちゃうお話しが沢山あって楽しかった。床屋と引っ越しの話し、面白かった~~~。こーゆー村上さんの日常エッセイみたいなのも沢山読みたいな。

Posted byブクログ

2013/11/11

村上春樹の紀行文は本当に面白い。「遠い太鼓」でもそうだったけど、こういうことってあるよなあ、という話が満載だ。とりわけ、床屋の話が面白かった。私も外国暮しで経験する困ったことの一つがこれだった。「盆栽と芝刈り」の比喩はまさに秀逸。

Posted byブクログ

2013/11/05

なるほど、確かに面白い。村上春樹の人柄が伝わってくるようだ。ハルキ嫌いの人はエッセイから読んだ方がいいとココ(http://aniram-czech.hatenablog.com/entry/2013/11/02/111443?utm_content=bufferd0095&am...

なるほど、確かに面白い。村上春樹の人柄が伝わってくるようだ。ハルキ嫌いの人はエッセイから読んだ方がいいとココ(http://aniram-czech.hatenablog.com/entry/2013/11/02/111443?utm_content=bufferd0095&utm_source=buffer&utm_medium=twitter&utm_campaign=Buffer)に書いてあったが、確かにその通りかもしれない。 『運動靴をはいて床屋に行こう』には彼の実にどうでもいい床屋に対するこだわりが書かれているのだが、床屋って「イケてる」と「ダサい」、「若者」と「おっさん」が分かりやすく分離されていて、なおかつ絶対に行かなければならない場所だから、どうしても自意識過剰になってしまうのだ。エッセイにもあったけど、これに技術的な問題やら、話し掛けられるのが面倒やら、そういった別の要素も絡んでくるから余計に複雑。それに恐らく床屋じゃなくても人はそれぞれにどうでもいいこだわりを抱えているもんだ。村上春樹が自身を「男」ではなく「男の子」っぽいと宣言してるのもなんとなく好感が持てる(自分も自分のことをそう思ってるから)。 エッセイは日常。まぁ日常なんてありふれたつまらないものなんだろうけど(だからこそFacebookでのリア充アピールがウザい、みたいな論調が多く見られるのだ)、でもその日常からちょっとだけ拡大して、視野を広げて、考えてみることは結構楽しいものだ。「p214 それとは逆に、これといってたいした経験はしていないのだけれど、ちょっとしたことに面白みやら悲しみやらを、他人とは違った視点から感じ取れる人たちもいる。そしてそれらの体験を何か別のかたちに置き換えて、わかりやすく語ることのできる人たちもいる。どちらかというと、こういう人たちの方が小説家に近い場所にいるような気がする。」『ヒエラルキーの風景』では日本のエリート(聞いてもないのに偏差値を言ってくるタイプ)をこき下ろしてるけど、確かに自分を少しでも大きく見せようと虚勢を張っているよりも、日常の些細ななんともないようなことに何かしらの意味を見出して、面白い視点で切り取っていく方が、人生は遥かに面白いと思う(そうは言っても他人と数字を比べてしまいもするんだけど)。極端かもしれないけど、石原良純なんてそのタイプなんじゃないか? この本からにある、何気ない日常(とは言えアメリカという別世界のことだけど)から切り取ったようなちょっとした考え、想いが伝わってくるから好きだ。

Posted byブクログ

2013/10/17

村上春樹のアメリカ滞在記。 日米欧の比較が秀逸。 言葉が借り物じゃないんだよなあ。 自分が感じたことを自分の言葉で書いている。 物書きなんだから当たり前かもしれないが、それができてる人は少ないと思う。 文章は読みやすいのに内容は深いです。 外国に興味がある方は超オススメ。 ...

村上春樹のアメリカ滞在記。 日米欧の比較が秀逸。 言葉が借り物じゃないんだよなあ。 自分が感じたことを自分の言葉で書いている。 物書きなんだから当たり前かもしれないが、それができてる人は少ないと思う。 文章は読みやすいのに内容は深いです。 外国に興味がある方は超オススメ。 遠い太鼓も読んでみよっと。

Posted byブクログ

2013/09/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

本書は、著者の1991年からの1年半にわたる「プリンストン便り」といった内容。全体に統一感もあるし、なによりも村上春樹の物書きとしての特徴をよく伝えていると思う。すなわち、彼はあくまでも抽象的に思索する作家ではなく、身体を動かすことで具象的に考えるタイプの作家だということだ。したがってそれは、こうしたエッセイにおいては、車を運転することや、床屋に行くといった、ごくごく日常的な行為の中に立ち現われてくることになる。そして、まさしくそれ故に村上春樹自身の体験的、個性的なアメリカが語られることになったのである。

Posted byブクログ

2013/06/07

村上春樹のエッセイ読み直しその二。 珍しく、一回が結構まとまった量。主題はアメリカについてや日米比較でわりと硬めではあるがそこまで変わらない。この時期のは結構好き。90年代くらい。このあと、村上ラヂオ程度でしか書かなくなったのは残念。

Posted byブクログ

2013/05/03

(2005年1月のブログより転記)  以前にも読んだことがあるのだけど、なんとなく再読。ほんとおもしろい。電車のなかでなんども笑ってしまって困った。

Posted byブクログ