哲学の謎 の商品レビュー
この本は哲学の本ですが、「生物が絶滅しても夕焼けは赤いか」「死と他者」など、様々なテーマについて考察するといった内容です。哲学史の本ではありません。 一言で答えも出ないし、客観的に確かめようもない問題はたくさんあります。例えば、本文中に出てきた話で「木から舞い落ちる(ように見える...
この本は哲学の本ですが、「生物が絶滅しても夕焼けは赤いか」「死と他者」など、様々なテーマについて考察するといった内容です。哲学史の本ではありません。 一言で答えも出ないし、客観的に確かめようもない問題はたくさんあります。例えば、本文中に出てきた話で「木から舞い落ちる(ように見える)枯れ葉に意志はあるか」という問題もそうです。ないだろうと思っても確かめる方法はありません。そういう問題を考えるとき、哲学が考えるヒントを出してくれるように思います。 枯れ葉に意志があるかどうかは生活上考えなくてもよい問題です。しかしこれが、異文化コミュニケーションだったり、新しい医療技術に対するモラルだったりすると、考えなければいけない場面にも出くわすかと思います。 答えのない問題を考える訓練も必要かと思います。たくさん本を読んだり様々な経験をしている方は十分素地がおありと思いますが、私は人生経験も豊富ではないので考える訓練が必要と感じています。私にとってはこういう本は、考えるきっかけを作ってくれて大変ありがたいです。
Posted by
著者の内面での対話を再現し、時間はいつも断続的に流れているものなのか、現前にはあるものは本当に他人と同じものであるのか、1人しかいない世界に言葉や規範は存在するのか、人間は意志を持てるのか、といった問題について、内省や思考実験を加えながら考察する本。 哲学をするとは、こんな問...
著者の内面での対話を再現し、時間はいつも断続的に流れているものなのか、現前にはあるものは本当に他人と同じものであるのか、1人しかいない世界に言葉や規範は存在するのか、人間は意志を持てるのか、といった問題について、内省や思考実験を加えながら考察する本。 哲学をするとは、こんな問題について考えることというイントロダクションをするもので、最終的にはよく分からないなあ、という感じで終わっている。何か結論を出すものではなく、読者自身が考えてみてね、という構成になっている。 若い時の夢を見ている時に突然死んだら、その人は夢であることに気付かないまま若い自分として死んでいくのだろうか、とか宇宙人が手のようなものを挙げたら、それを現象として見るのか意図ある行為とみるのか、そう判断する根拠は何か、といった問題は面白かった。すぐに読めてしまう本ではあるが、できればじっくり考えながら読みたい本で、時間があるときに読むのがいいと思った。(14/09/29)
Posted by
なんだかえらくざっくりしたタイトルだなあと思いつつも野矢さんだしと読んでみる。 本当にざっくりした、哲学の(というか、暇な時にこういうこと考える癖がある人間の)初歩的疑問を対話形式で掘り下げている。 最初はなんだか永井均のようなことを言っているなーと思ってて(あとがきにそう書いて...
なんだかえらくざっくりしたタイトルだなあと思いつつも野矢さんだしと読んでみる。 本当にざっくりした、哲学の(というか、暇な時にこういうこと考える癖がある人間の)初歩的疑問を対話形式で掘り下げている。 最初はなんだか永井均のようなことを言っているなーと思ってて(あとがきにそう書いてた)、大体は永井さんの著作でカバーできてる感じはあるけれども、面白かったのは「経験と知」の章の斉一性は一般性を帯びているから斉一性により一般性を語ることはできない。一般性は後天的に獲得された思考習慣のようなものだという論。あと自由というのは虚構の語り口のひとつなのではないかという説。最近読んだ(まだ途中)神学の本にこれに通じるような文章があって、私はそれがすごく恐ろしく、だから「虚構の語り口」という説はそこに落ち込まないための良い説だと思う。
Posted by
今ひとつ、ピンとこない。 以前読んだ『まんが哲学入門 森岡正博』 とよく似たことが書かれていた。
Posted by
内容は興味深いんだけど、何かしっくりこなかったなあ。 対話形式であることで余計にわかりにくい気がしちゃうのだけど、文体との相性の問題かしら。 自分と他人の見ている色世界が果たして同一なのか、 仮に違う色で「赤」を見ていたとしたら、自分の見ているものを相手に伝える手段は何もないん...
内容は興味深いんだけど、何かしっくりこなかったなあ。 対話形式であることで余計にわかりにくい気がしちゃうのだけど、文体との相性の問題かしら。 自分と他人の見ている色世界が果たして同一なのか、 仮に違う色で「赤」を見ていたとしたら、自分の見ているものを相手に伝える手段は何もないんだ、 てなこと、そういえば若い頃ぐるぐる考えたっけなー。 と思いながら読みました。
Posted by
(2003.05.22読了)(2003.03.17購入) (「BOOK」データベースより)amazon 時は流れているだろうか。私が見ている木は本当にそこにあるか。他者、意味、行為、自由など根本問題を問いなおす対話篇。
Posted by
「地球上からいっさいの生物が絶滅したとして、それでも夕焼けはなお赤いだろうか」から始まる。自意識が芽生える頃、死んだらどうなるんだろう、という疑問からいわゆる独我論や独今論についての疑問を展開する。ここでは答えはない。 「大事な問題を、へぼな答えで謎としての生命力を失わせないよ...
「地球上からいっさいの生物が絶滅したとして、それでも夕焼けはなお赤いだろうか」から始まる。自意識が芽生える頃、死んだらどうなるんだろう、という疑問からいわゆる独我論や独今論についての疑問を展開する。ここでは答えはない。 「大事な問題を、へぼな答えで謎としての生命力を失わせないよう、謎のまま取り出してみたかった」と言い、対話形式で哲学的テーマについてそれが謎であるがゆえんについて提示する。 意識、他者、記憶、時間、私的言語、規範、個別と一般、自由意志。これらが本書で掲げられている「謎」である。これらは実は奥深くでつながっている、そういう感覚を持つことができるか。語りえぬもの、をわれわれはどこまで知ることができるのか。それは「知る」ということが何なのかという問いでもある。
Posted by
出会ったのは高校時代の現代文の教科書に載ってたことだったと思う、正直普通の人はこのレベルの疑問でいいと思う。自分も色々背伸びして少し難しそうなのに飛びついたりしたが純粋に疑問にもつこの段階が楽しいと思う
Posted by
対話形式で書かれていて初心者にも分かりやすいと思う。 いつも当たり前だと思っていることに疑問を投げかけてくれる。 しかし参考文献が一切示されていないので、興味を持った人はより深く学ぶには自分で調べる必要がありそこは不便だと思った。
Posted by
普段気にせずに生きていますが読んでから改めて考え直してみると、とても深く考えていく必要があると思いました。
Posted by