バーにかかってきた電話 の商品レビュー
映画はチラッとしか見てないけどいつか原作をじっくり読んでみたいと思ってました。いやいや中々おもしろい!一作目は読んだ記憶が朧げにあるんだけどなんか印象が全然違う。主人公の「探偵」は、大麻を育てたりギャンブルで小銭を稼いだり毎日飲んだくれて喧嘩してあんまりまともなことはしてない。8...
映画はチラッとしか見てないけどいつか原作をじっくり読んでみたいと思ってました。いやいや中々おもしろい!一作目は読んだ記憶が朧げにあるんだけどなんか印象が全然違う。主人公の「探偵」は、大麻を育てたりギャンブルで小銭を稼いだり毎日飲んだくれて喧嘩してあんまりまともなことはしてない。80年代が舞台らしくて携帯もメールもない。なんとも不自由な時代の、ろくでなしの話なのにワクワクしてどんどん読める。最後は悲しい結末なんだけど復讐を果たしたせいかどこかスッキリする。シリーズ制覇したいなこれは。
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ススキノの便利屋である主人公。謎の女からの一本の電話で依頼を受けたことからはじまり、命を狙われたことで奮起して事件にどっぷりと巻き込まれる、ハードボイルドのテンプレのような話だ。 会話や文体は軽妙だが、扱っている問題は軽くはない。 主人公「俺」は自分なりに他者を尊重している(た...
ススキノの便利屋である主人公。謎の女からの一本の電話で依頼を受けたことからはじまり、命を狙われたことで奮起して事件にどっぷりと巻き込まれる、ハードボイルドのテンプレのような話だ。 会話や文体は軽妙だが、扱っている問題は軽くはない。 主人公「俺」は自分なりに他者を尊重している(たまに問答無用で殴ったりもするが)。ススキノの客引きと黒澤明の映画を見て感想を言い合ったり、尾行を頼んだタクシーの運転手との見えざる心理戦に負けたり、ヤクザにブードゥーの呪いの講釈をしたり、耳の遠い人にきちんと話しかけてほめられたり…。 登場するたくさんの人物とちゃんと対話し、台詞から彼らだけの人生が垣間見える。現実世界でも忘れがちな「人に歴史あり」がきちんと描かれていて、これは作者の膨大な他者との会話の蓄積からくるものかなと想像する。 自分でものを考えているなら相手に貴賤は問わないが、権力を嵩にかけたり、汚い手段で利益を得ようとする低脳を軽蔑していて、自分が考えることに対してある程度の自負もある。 それでいて「自分で自由に選べないのに、いきなり生まれさせられて、そして自分の人生の責任を押しつけられる。それで楽しくやれる人間はそれでいいけど、ついて行けない人間はどうすればいいのだろうか」と、どうしようもない人間に対する同情とも、自戒ともとれる湿っぽさを見せることもある。 また謂れのない一方的な暴力を憎み、自分の被害に限らず、その現場に居合わせると断固として抵抗する。その手段として、暴力を使うことの矛盾。 それを正義感で覆って、結局のところ暴力でしか解決できない事柄が世の中にはある虚しさ、その結末の苦さを主人公に体現させているのかなと思った。 矛盾を多くはらんだ人間らしいっちゃらしい主人公なので、読み手の主義主張によっては好き嫌いが分かれるかもしれない。私はとてもおもしろかった。 「俺」シリーズは本作が2作目で、短編や過去編を含むと12作刊行されている。短編集を除いた4作目までが若き「俺」の活躍で、それまで怒涛の展開を見せる。次作の「消えた少年」も、個人的にラスボスに度肝を抜かれたのだが、本作がシリーズの中で一番ロマンがある気がする。文体が平易で読みやすいし、映画化云々の割に意外と知られてない作家さんなので是非多くの人に楽しんでもらいたい。
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世間一般から見ると、いわゆる「壊れてるヒト」の探偵がたまらなくカッコ良い。 ススキノの住人達も個性豊かで愛おしいです。 あくまで私自身の問題なのですが、映画上映時に観てからほとんど忘れていたのに、たまたま最近CSで観てしまったから、プロットがしっかりと頭に残っていて、「コンドウキョウコ」が勝手に脳内変換されてクライマックスが今ひとつになってしまった。 惜しいコトをしました。 本当はもっと心動かされたんだろうな。
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大好きなススキノ探偵シリーズの第2弾。 シティーハンターが大好きなんだから嫌いなはずがない! これに関しては特に実写もすこぶる好きで何度か観たし近年サブスクでも観た! 最後の手紙の余韻がね…作品全体に横たわる物悲しさから深いため息が出る。 ちなみに… 映画タイトルは「探偵はB...
大好きなススキノ探偵シリーズの第2弾。 シティーハンターが大好きなんだから嫌いなはずがない! これに関しては特に実写もすこぶる好きで何度か観たし近年サブスクでも観た! 最後の手紙の余韻がね…作品全体に横たわる物悲しさから深いため息が出る。 ちなみに… 映画タイトルは「探偵はBARにいる」ですが、原作はシリーズ二作目のこの「バーにかかってきた電話」になります。
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ススキノ探偵シリーズの第二作。 映画化されたのはコチラの作品ですね。 映画も良いけど、小説も良いですよ。
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シリーズ2作目。 ハードボイルド。 前回よりも読みやすかった。 復讐は悲しい。 良い人が死に、悪い人が生き残る世の中。 せちがない。 女性は凄いね。 男性より強い。
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忘れないうちにまず言っておきたいのは、僕はモンデの店員が大好きです(無事でよかったな、兄弟ぇ)。 相変わらず、何でもないようなところが面白い。偽名の読み方なんてどうでもいいのに「二十郎」の読み方を訂正して心の中の三船敏郎にこれまたどうでもいいことを言わせたり、あらゆる地の文が退屈でないのはすごい。 カタルシスを予感させる流れになっても、それで痛快に終わらないのがハードボイルドなのだなぁと思う。読後感は非常にしんみりとしていて、それこそ強い酒を1杯飲み干したいような気分だ。
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シリーズ最高傑作と目される、そしておそらくはそのとおりであろう、非常に精密なプロットと「俺」のハードボイルドさが浮かび上がる名作。 80年代のススキノの昭和のイメージが自ずと浮かぶ描写には道産子で、しかも当時ティーン・エイジャーであった私にはやはり胸を打つもがある、何度読み返し...
シリーズ最高傑作と目される、そしておそらくはそのとおりであろう、非常に精密なプロットと「俺」のハードボイルドさが浮かび上がる名作。 80年代のススキノの昭和のイメージが自ずと浮かぶ描写には道産子で、しかも当時ティーン・エイジャーであった私にはやはり胸を打つもがある、何度読み返しても。
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ルンペン生活、ホームレス、刑務所出所後から突然文才を発揮し芥川荘賞受賞などと文壇に登場する人は少なくは無い。そして一発屋も多い。だがしかしこの人は凄い! 文章もおしゃれだし組み立て方も良い。東直己、追跡開始 但し、個人の好みとして、最終の時系列的謎解きなんぞは首を傾けざるを得ない...
ルンペン生活、ホームレス、刑務所出所後から突然文才を発揮し芥川荘賞受賞などと文壇に登場する人は少なくは無い。そして一発屋も多い。だがしかしこの人は凄い! 文章もおしゃれだし組み立て方も良い。東直己、追跡開始 但し、個人の好みとして、最終の時系列的謎解きなんぞは首を傾けざるを得ない。 最初の登場人物の説明は、光輝高齢者目前の私には・・・・助かる
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一作目同様やっぱりハードボイルドにしては…と思ってしまうところがあります。でもその完璧でない探偵の格好悪さがなんだか愛しくそれがこのシリーズの魅力なんでしょう。そんなに朝から昼から酒ばっかり飲んでたら身体壊すよ、と心配になってしまったり。一作目より読みやすく話に入っていきやすかっ...
一作目同様やっぱりハードボイルドにしては…と思ってしまうところがあります。でもその完璧でない探偵の格好悪さがなんだか愛しくそれがこのシリーズの魅力なんでしょう。そんなに朝から昼から酒ばっかり飲んでたら身体壊すよ、と心配になってしまったり。一作目より読みやすく話に入っていきやすかったので純粋にストーリーは楽しむことができました。多少は予想がついていましたがそれでもラストは切なかったです。しっかり楽しめたのでこの先ものんびりと読み進めてみたいと思います。
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