ねじまき鳥クロニクル(第3部) の商品レビュー
お薦め!
わかりやすいかと問われたら否、魅力の源を聞かれても不明、でも何故か読んでしまう。そういう3部作だと思う。何をテーマと受け止めるか、どこに謎とその答えを探すのか。全ては読者に委ねられているのだろう。
abtm
今まで氏の作品を幾つか読んだが、ピンと来るものがなかった。どこかで「本作を読めば村上春樹の良さが分かる」と目にしたことがあったので読んでみた。 第3部はハイペースで読んだ。結末を早く知りたかったからだ。 中尉の体験談は詳細で引き込まれる感じがした。対照的に笠原メイの手紙や話は...
今まで氏の作品を幾つか読んだが、ピンと来るものがなかった。どこかで「本作を読めば村上春樹の良さが分かる」と目にしたことがあったので読んでみた。 第3部はハイペースで読んだ。結末を早く知りたかったからだ。 中尉の体験談は詳細で引き込まれる感じがした。対照的に笠原メイの手紙や話はホッとさせられる。 でもやっぱり自分はハルキストにはなれないと思った。
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1995年8月25日 刊 再読 刊行された当時、分厚い三冊のハードブックを手に入れて、嬉しくて、複雑な世界観に引き込まれた。 再読するにあたり、各巻副題、泥棒かささぎ・予言する鳥・鳥刺し男についても調べたりして、何かしら主題と関係してくるのか考えてみたり、自分なりに丁寧に納得しよ...
1995年8月25日 刊 再読 刊行された当時、分厚い三冊のハードブックを手に入れて、嬉しくて、複雑な世界観に引き込まれた。 再読するにあたり、各巻副題、泥棒かささぎ・予言する鳥・鳥刺し男についても調べたりして、何かしら主題と関係してくるのか考えてみたり、自分なりに丁寧に納得しようと努めた。 数カ所出てくる戦争に関する記述は、そこだけでも作品として引き込まれるものがあった。 としても、笠原メイとカツラ、間宮中尉と皮剥、クレタとマルタ等、それぞれは理解できても、どうにも私の中で繋げられなかった。もう一回は読めない。
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フィリップ・K・ディックの自己喪失ないし自己存在へのそもそもの疑念というテーマに近いかも。ツインピークス的構造も相まって、村上春樹はSF作家だとレッテルを張ったほうが親近感が増す。しかしてフロムやスピノザのような明確で本質的なな自由への希求が根底にあることで希望や救済が結果的にも...
フィリップ・K・ディックの自己喪失ないし自己存在へのそもそもの疑念というテーマに近いかも。ツインピークス的構造も相まって、村上春樹はSF作家だとレッテルを張ったほうが親近感が増す。しかしてフロムやスピノザのような明確で本質的なな自由への希求が根底にあることで希望や救済が結果的にもたらされる。 自分の中で最高作となった。
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一人の女性をここまで深く信じ、愛し、いつまでも待てるものなのだろうか。読んでいて息苦しくなるような緊張感と哀しみがあった。まだどのように言葉にしてよいか、よくわからない。もう一度読み直してみたい。
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再読。読みながらアレを書こうコレを書こうと考えていたのだけれど、いざ読み終わってみるとどっと疲れが出て輪郭がぼんやりとする。それは何も自分の知的体力の無さだけに原因があるんではない。読んだ方は分かると思うが、この作品の中では夢が現実であり、現実が夢であるというようなことがたびたび...
再読。読みながらアレを書こうコレを書こうと考えていたのだけれど、いざ読み終わってみるとどっと疲れが出て輪郭がぼんやりとする。それは何も自分の知的体力の無さだけに原因があるんではない。読んだ方は分かると思うが、この作品の中では夢が現実であり、現実が夢であるというようなことがたびたび起こる。そしてその境目だけを取り出して見定めようとすると途端に境界線が滲んでぼんやりとする。結局のところこの小説で語られているのは、長い時間をかけて物語られることによってしか伝えられないものがあるってことなのかもしれない。「大事なのは結果じゃなくて過程だよ」と。そういう風に自分でまとめておきながらも、なんだかそんな考えに居心地の悪さを感じてもいるのだけれど。
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エンディングがいまいちだったという気がする。ここまで読者の気を引かせておきながら、白黒のはっきりとした決着がつかない結末に少し残念な印象をもった。
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ノルウェーの森、海辺のカフカ、1Q84、色彩を持たない多崎つくると彼の巡礼の年、騎士団長殺しと村上作品を読んで発表された順番としてはねじまき鳥クロニクルはノルウェーの森の次ですが、何故か今読み終えたところです。村上作品の基礎がこの作品で構築され、その後発表された作品にずっと引き継...
ノルウェーの森、海辺のカフカ、1Q84、色彩を持たない多崎つくると彼の巡礼の年、騎士団長殺しと村上作品を読んで発表された順番としてはねじまき鳥クロニクルはノルウェーの森の次ですが、何故か今読み終えたところです。村上作品の基礎がこの作品で構築され、その後発表された作品にずっと引き継がれているような気がしました。ミステリーに分類して良いのかわかりませんが、別な世界へ読者を導いてくれます。 妻のクミコが失踪したところから物語は展開しますが、井戸やクミコの兄等理解不能な事が物語の中心になり進行します。クミコの事も良く分からないままに物語は終わってしまいました。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
3巻メモ。 首吊り屋敷の謎。 不動産屋。宮脇さんの土地について。 少年、庭にいる二人の男たちの姿。 オフィス。青年。女。新しい靴と下着。猫が戻る。ワタヤノボル改めサワラ。 赤坂ナツメグとシナモン。 ナツメグの話。動物園襲撃。獣医。 少年の夢。女優の転落。綿谷ノボルの秘書・牛河。 シナモン。どうしてこうマメな男ばかり出てくるのだ。 ナツメグ少女時代からのこと。 パソコン経由で妻との話。 綿谷ノボルのこと。僕と何人かの人達とのつながり。綿谷ノボルとの話。 ねじまき鳥クロニクル。シナモンの創作か事実か。僕との共通点。 笠原メイの手紙、宮脇家のことを「絵にかいて額に入れてはたきをかけたみたいな平和な家」。 シナモンは来ない。牛河は退職。 加納クレタの出る夢。コルシカ。間宮中尉の手紙。 井戸の底から壁を抜けホテルの部屋。208。ニュース。クミコ。綿谷家のこと。井戸に戻る。 井戸に水。笠原メイのイメージ。 加納クレタの出る夢。コルシカの父親。 綿谷ノボルは脳溢血かなにかで倒れた。殴られたのは夢なのか、あの世界だけのことなのか。 ねじまき鳥クロニクル。クミコの手紙。 笠原メイの手紙、五百通? 岡田トオルとクミコ夫妻の話の合間に、いろんな話が混じってかなり混乱気味。特に3巻は多かった気がする。 大事なことは闇の中であれこれ想像するしかなくて、少しだけ暴かれた綿谷家の謎は解けずに終わった。 綿谷ノボルも牛河も非常にいらいらさせられたけど、終わってみればなんかこれはこれでいい人たちだったと思うよ。彼らは彼らなりに考えてやるべきことをやったのだろう。 これでいいのか。まぁいつもの流れからするとこんなものだろう。猫が帰ってきてよかった。サワラっていい名前だ。サザエやカツオやイクラみたい。単に読み逃しただけかもしれないけど、各部のタイトルがいまひとつよくわからない。泥棒かささぎはホテルのボーイが口笛で吹いてた曲というのはわかったけど、それくらい。 シナモンとナツメグが出てきたら、マルタとクレタが出なくなった。助けを出せる人たちは限定されているのかな。それにしてもシナモンみたいな人はどこでどうすれば知り合えるの。ナツメグみたいな息子もどうしてこんな風に育つの。最初は女性に囲まれてると思ったけど、途中から間宮中尉やナツメグも出てきて、なにかと良い人たちに恵まれてたよね、岡田トオルさん。 そんな中でずっといた笠原メイ。この子は結局なんなんだろう。ねじまき鳥さんに好意を持っているのは間違いない。まぁ、10代の女の子の考えてることなんて誰にでもよくわからないものかも。好きだから意地悪したりとか。でも謎展開やハラハラドキドキビクビクの中でほっと一息つけるのが笠原メイの手紙でした。最後に手紙でなくちゃんと会えて良かった。
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