ねじまき鳥クロニクル(第3部) の商品レビュー
中学生の頃に読んだ、村上春樹体験二冊目。 あぁ、一生この人の小説を読み続けていこう、と決めた本。 一度しか読んでいないし、当時はもちろん、今だって内容の全部は理解できない。 だけど、ねじまき鳥の世界観は、ずっと自分の心の底に残っている。 笠原メイも加納マルタとクレタも赤坂ナツメ...
中学生の頃に読んだ、村上春樹体験二冊目。 あぁ、一生この人の小説を読み続けていこう、と決めた本。 一度しか読んでいないし、当時はもちろん、今だって内容の全部は理解できない。 だけど、ねじまき鳥の世界観は、ずっと自分の心の底に残っている。 笠原メイも加納マルタとクレタも赤坂ナツメグシナモンも、ずっとどこかで息づいている。 果てしない暴力の先に、 井戸の壁を越える。 凄まじい小説体験ができる作品。
Posted by
古い読書履歴より。 村上作品には、猫・戦争・性 のキーワードが多く登場する。作品をまたいでリンクしていることもしばしば。 文体は、まるで英語を愚直に翻訳しているようなぎこちなさを感じるのだけれど、それがなぜか読みにくさを感じさせず、むしろ洒脱で素朴、言いたいことをまっすぐに読...
古い読書履歴より。 村上作品には、猫・戦争・性 のキーワードが多く登場する。作品をまたいでリンクしていることもしばしば。 文体は、まるで英語を愚直に翻訳しているようなぎこちなさを感じるのだけれど、それがなぜか読みにくさを感じさせず、むしろ洒脱で素朴、言いたいことをまっすぐに読み手の心に伝えてくるストレートさに変わって受け取れる。 突拍子のない喩えや奇抜な設定は、シュールレアリスム絵画のような世界観を構築している。 「17歳の自分にはさっぱり作者の真意がわからなかった、年を取ってからもう一度読みたい」と書かれている。※24歳現在までに、確か1、2度は再読しているはず。 ただただ不思議の3部作。 わたしの生き方と人生観に大打撃を与えた作品でもあります。
Posted by
一番厚い第三章が一番速く読み終わりました、それだけ私にとって本に入り込めた作品だったと想います。愛と死、悪と日常、過去と肉体・・・全てを繋げている作品。
Posted by
やっと読み終わった。俺はどれだけ本を読むのが遅いんだ! 高校時代にはわけがわからなくてキレた本だけど、今となっては面白すぎた。 一見何の関係もなさそうな物語の断片が全て伏線となってどこかでつながっていく…。なんて素晴らしい! 結局すべてを理解できたかと聞かれたらYesとは言...
やっと読み終わった。俺はどれだけ本を読むのが遅いんだ! 高校時代にはわけがわからなくてキレた本だけど、今となっては面白すぎた。 一見何の関係もなさそうな物語の断片が全て伏線となってどこかでつながっていく…。なんて素晴らしい! 結局すべてを理解できたかと聞かれたらYesとは言えないけど、「あちらの世界」というのが何か大事だってのはわかった笑 20世紀少年もそうだけど、これは過程を楽しむ本じゃないかな!浅いかな? まとまりないけど春樹万歳↑↑
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
1、2、3と、どの巻にどんな話が載っていたか忘れてしまったのでまとめて3部に感想を。装丁の美しさと不思議な題名に惹かれて読みました。綿谷昇のねばつくような不快感。世界のほとんどはクラゲであること。主人公が井戸に取り憑かれていく息苦しさは、読後十年以上経った今も覚えています。深い井戸の底に差し込む陽射しのエピソードは一生忘れられない気がします。
Posted by
やれやれ、読み終わるのに半年もかかるとは思わなかった。 しかし僕にはそれだけの時間が必要だったのだ。 長編小説を読むには些か色々なことが起こりすぎていたから。 その些か色々な事は未だ解決していないものも存在するが、ひとまずは長編小説を読み終えることのできる余裕はできたのだ。 遊...
やれやれ、読み終わるのに半年もかかるとは思わなかった。 しかし僕にはそれだけの時間が必要だったのだ。 長編小説を読むには些か色々なことが起こりすぎていたから。 その些か色々な事は未だ解決していないものも存在するが、ひとまずは長編小説を読み終えることのできる余裕はできたのだ。 遊びは終わり、以下感想。 この小説の面白さは間宮中医の話とナツメグとシナモンの動物園の話がリンクしていく所にある。 これは村上の人生観を表している、様々な所で人は繋がっているし、毎朝満員電車を共に過ごすサラリーマンだって何かしら影響しあって生きているのだ。 ミッシングリンクという章もあったように恐らく村上はこの小説で繋がりを意識していたはずだ。繋がらなかった人間(主人公とクミコ)がパソコンを通じて繋がるというのも当時1995年の世相を反映しているのかも知れない。 まあ、僕は今、周りにいる人間を大切にしなくちゃなと思ったのだ。 と、Yo yo maのチェロを聞きながら書き綴った僕だった。 さてと、チューハイでも持ってくるとしよう。 こう暑いと酒でも飲まないとやっていられなくなるのだ。 では。
Posted by
“村上春樹をハードカバーでそろえよう計画”の記念すべき第一弾。 内容も長さもHeavy Weightなこの本は、まさに記念碑的存在にうってつけ。 ほんとにヘビーで、がしっと掴まれるんですよね、精神的に。 読んでいる期間中は、仕事をしていても関係ないことをしていても、何か重い荷...
“村上春樹をハードカバーでそろえよう計画”の記念すべき第一弾。 内容も長さもHeavy Weightなこの本は、まさに記念碑的存在にうってつけ。 ほんとにヘビーで、がしっと掴まれるんですよね、精神的に。 読んでいる期間中は、仕事をしていても関係ないことをしていても、何か重い荷物を背負っているような気分になります。 簡単に言ってしまえば、妻がある日突然家を出て行ってしまい、残された夫(主人公)がその妻を取り戻そうとする物語。 しかし、「なぜ出て行ってしまったのか」「どこへ行ってしまったのか」「彼女をとらえているであろうものは何なのか」 というところが非常にディープで複雑で、そしてとらえがたい。 「真実が事実とは限らないし、事実が真実とは限らない」―― 主人公の身の回りには奇妙な出来事が次から次へと起こり、奇妙な人物が次から次へと現れます。 この小説がヘビーであるゆえんは、中で語られるたくさんの物語にあります。 たとえば、間宮中尉が語る、ノモンハン事件の直前に満州で起こったある事件であり、またその後日談であり、 たとえば、主人公が回想する妻とのこれまでのことについてであり、 たとえば、加納クレタが語る、自らの半生であり、 たとえば、赤坂ナツメグが語る、動物園と潜水艦の話であり、 たとえば、笠原メイが語る、宮脇家についての出来事であり、 ほかにも大小織り交ぜていろいろな物語がぎっしりと詰め込まれています。 それらのひとつひとつ(だいたいにおいてどれも辛くて暗くてHeavyな物語なのですが、)に含まれるものが必ず、暗示的な何かであって、混沌としている主人公の状況に、少しずつ、ヒントやきっかけを与えていくのです。 読み応え十分で、どっぷりと読書したいときにぴったり。 読み終わったときに、ふうっ、と重い荷物を降ろして、ほんのちょっとだけ以前とは違う自分になっている、そんな気がします。 それにしても、装丁が素敵。つるりとしたこの感触もいい。 ハードカバーっていいですね。
Posted by
赤坂親子が本当に好き・・・。ナツメグとシナモン。 なんにせよハッピーエンドでよかった。明かされない謎に読了直後はかなりやきもきしたけど、今思えば謎は謎でいいんだと。それまで全ての謎は明かされ複線は回収される物語しか読んだことがなかったので、良い意味でゲシュタルト崩壊した。あのとき...
赤坂親子が本当に好き・・・。ナツメグとシナモン。 なんにせよハッピーエンドでよかった。明かされない謎に読了直後はかなりやきもきしたけど、今思えば謎は謎でいいんだと。それまで全ての謎は明かされ複線は回収される物語しか読んだことがなかったので、良い意味でゲシュタルト崩壊した。あのときこの本に出あえてなかったら絶対今そんなに本呼んでないだろうな・・・。なんだかんだで三巻が一番すき。
Posted by
半分を図書館で、半分を自宅で読了。たぶん村上春樹にはここまでして伝えたいことがあるのだろう。わたしには、彼の作品の主人公がみんな同じに見えるし、その主人公が抱えている問題もまた同じもののように思える。それでも読んでしまうのは、わたしが読み取れるものが微小であり、それを集めていかな...
半分を図書館で、半分を自宅で読了。たぶん村上春樹にはここまでして伝えたいことがあるのだろう。わたしには、彼の作品の主人公がみんな同じに見えるし、その主人公が抱えている問題もまた同じもののように思える。それでも読んでしまうのは、わたしが読み取れるものが微小であり、それを集めていかなければちゃんとした本への感想をもてないからです。ちょっぴりかわはぎはトラウマ。圧倒的な暴力だった。
Posted by
初めてこの本を読んだときは、 第2部途中で力尽きてしまって、 どうしても、先を読もうという気になれなくて この第3部は手もつけなかったのですが 時間がたって、 ふと読んでみようかなと思い、手に取ってみたら 一体あのときなんで興味を持てなかったんだろうと 不思議になるくらい、先を読...
初めてこの本を読んだときは、 第2部途中で力尽きてしまって、 どうしても、先を読もうという気になれなくて この第3部は手もつけなかったのですが 時間がたって、 ふと読んでみようかなと思い、手に取ってみたら 一体あのときなんで興味を持てなかったんだろうと 不思議になるくらい、先を読み進めたくて仕方ない本でした。 あのときはまだ、違うかった、ってことなんだろうなぁ。 本には、読むべきタイミングというか すごく面白い!とか読みたい!って思うタイミングがあるんだなぁと 体感させてくれた本です。
Posted by