ねじまき鳥クロニクル(第3部) の商品レビュー
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(2013年5月31日読了) シリーズ三部作の最終作。とっても読み応えがあった。 主人公、岡田亨の“奇妙”な人生。時代を超え“奇妙”な繋がりをもつ人達から彼を含めての年代記。 第1部、2部に比べ、窮地に至った人間の生々しい性が苦しい位に書かれていた。 無機質な感じだった岡田亨も、クミコへの愛情や、メイやシナモンとの関わり、綿谷ノボルへの憎しみなど、前作から想像できない位にとても人間的だった。 綿谷ノボルの不思議な力とは?肉体的ではなく汚すとは? 岡田亨の方がずっと不思議な力を持っているように思う。それはあざや井戸のせいではなく、知らず知らずのうちに、周りの人たちを救っているということ。自分の事は救えないのに。(最後には命をシナモンに、心をメイに救われている) ねじまき鳥は世界のねじを巻いたのか。泥棒かささぎ、予言する鳥、鳥刺し男とは。なぜこのタイトルなのか。村上さんの感性は私には不思議。でもこういう世界は嫌いじゃない。
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出て行った妻を取り戻そうとする話。 ありきたりな設定にも関わらず、想像もつかない展開。 ノモンハンでのエピソード、ディテールの細かさには村上春樹の知識の広さを感じる。 村上春樹の作品は一貫して、自分を取り戻すっていうイメージ。 編集するこのレビューを掲載する
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終わってしもうた(つД`)ノ やっぱりハードカバーはよかね(=゚ω゚)ノ クロニクルって年代記なんやね シナモンとナツメグ親子良かった 特にシナモンは、海辺のカフカの 大島さんのような感じがして 小綺麗な感じが良い 牛河がいたのも良かった 1Q84でもいたな〜 村上さんお気に入りキャラやろか
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回転ドアーの入るタイミングによって時空が分かれるというような事が書かれていたけれども、最後同じ時空に戻れてホッ。 戦時に置ける恐怖心の埋め込み方、クミコ兄はどのようにクミコをコントロールしたかは解からないが、ノモハン事件、シベリヤ抑留時代の話によって、己の意思や判断ができない状況...
回転ドアーの入るタイミングによって時空が分かれるというような事が書かれていたけれども、最後同じ時空に戻れてホッ。 戦時に置ける恐怖心の埋め込み方、クミコ兄はどのようにクミコをコントロールしたかは解からないが、ノモハン事件、シベリヤ抑留時代の話によって、己の意思や判断ができない状況が生まれていく恐ろしさを感じ、クミコを想像する。 モーツワルトの「魔笛」が昼と夜の国の間でお姫様を争う話と描かれあているが、太陽と月、光と影といった二極にこの小説が収まらないところが、春樹らしい。 鳥のように世界を行き来する僕。肝心かなめの時に現れる助け手、ナツメグ、シナモン私の側にもいて欲しい。
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今読書中ですが、内容について、ある程度まとめときたいので、書きます。 完結編となる第3部は、様々な断片的なエピソードから始まっています。 少年の目撃した、木の根元に穴を掘って何かを埋める男の話、笠原メイの手紙、週刊誌の「首つり屋敷」の記事、そして新たな登場人物「赤坂ナツメグとシナモン」、醜い中年男牛河との物語・・・ 最終章に入ってさらに物語は細分化したうえに登場人物が新たに加わって複雑化していきます。 これらがどうやって収束していくのか、妻を「僕」は取り戻せるのか、綿谷ノボルとの対決はどうなるのか、とても楽しみです。 今読了しました。 最終章は非常に複雑な物語でした。 まず、色々な断片を整理しなくてはなりません。 ①少年の話 これは赤坂シナモンがなぜしゃべることができなくなったのかという話。 ②赤坂ナツメグの戦争の話 ③牛河とのやりとり、綿谷ノボルとの対決 ④笠原メイの手紙 ⑤間宮中尉の手紙 ⑥週刊誌の記事 これらを結びつけるのが「ねじまき鳥」。 この鳥の鳴き声がどこからか響き渡るとき、奇妙な物語が起こるのです。 「僕」は愛する人を取り戻すため、戦います。これは今までの村上作品にないものであると思います。 村上さんは河合隼雄さんとの対談で、この作品について、自分でもどう評価すればよいのか分からない、自分がなぜこんな物語を書いたのかわからないといった趣旨のことを話されていました。 小説を書くという行為(他の芸術もそうかもしれませんが)はおそらくそういうものではないでしょうか。つまり、自分の深層にあるものを表現するということは、論理では説明できないものを表現することであり、自分自身のいわば魂ともいうべきものを表現するという事ではないかと思います。 この詳細については、甲野善紀、茂木健一郎の対談集「響きあう脳と身体」であらためてまとめたいと思います。 読了後の感想「やれやれ、こんな複雑な物語とは・・・もう一度読み直すしかなさそうだ」 ねじまき鳥の年代記はまだまだ僕を楽しませてくれそうです。
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いよいよ最終章〈第3部〉 3部といえば、それはもう シナモンが好きですきで。 海辺のカフカに出て来る大島さん くらい好きですね。笑 几帳面なぼくにとってはいい エネルギ—原というか、シナモンは いつも良い影響を受けさせてくれる キャラクターの一人です。 そして物語はいよいよ完結を 迎える訳ですが、なんとも 妥当である種リアリティのある 終わり方でぼくはとても好きです。 終わり方の感じも、 どことなく海辺のカフカと似て ますね。そういえば。 個人的には羊を巡る冒険のような 青くさくてセンチメンタルな 終わり方も好きですが、 ねじまき鳥のような終わり方も リアルな妥当さが好感を覚えます。 あとは3部になると各章の時系列が バラバラになったり、毎度続きが 気になるところで笠原メイの手紙が 挿入されたりして1部2部とはまた すこし違った小説としての 面白みがあります。 なんていうか筆が乗ってて 面白いくらいに書けてるんだろうな。 というような風に。 あとねじまき鳥は全体を通して まったく日本の雰囲気がなく シナモンの幼い頃の回想シーンなんかは 特に海外の童話でも読んでいるような 趣きさえありました。 最初読んだときのような新鮮な 驚きこそないものの、再読しても 十二分に楽しめる素晴しい小説でした。 村上春樹ファンの中でもとりわけ ニガテ層の多い作品ではありますけど ぼくは好きですね。 ねじまき鳥 読むのにかかった時間:3時間 こんな方にオススメ:モヤモヤの中にいる方 *これから「1Q84」を読もうとしている方は、 先にこちらを読んでおくと通常より 大さじ1杯分くらい楽しめることでしょう(*´∀`*)ノ
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すっごく疲れた。 久々に本を読むのにとてつもないパワーを使った。 そのくせ、内容をほぼつかめないなんて・・・ 春樹作品、最後の砦はあまりにも堅牢。 学生時代に皮はぎが怖すぎて避けてしまって以来、 なかなか手を出せずに素通りしてきた大作ですが、 ようやく読了いたしました。 (これ...
すっごく疲れた。 久々に本を読むのにとてつもないパワーを使った。 そのくせ、内容をほぼつかめないなんて・・・ 春樹作品、最後の砦はあまりにも堅牢。 学生時代に皮はぎが怖すぎて避けてしまって以来、 なかなか手を出せずに素通りしてきた大作ですが、 ようやく読了いたしました。 (これで春樹作品(エッセイ以外)はほぼ読破したはず) 1、2巻を読んでいる間は、 すべて終わったら感想を書こうと思っていましたが、 3巻を読了した今、何も書くことがない。 ただもうこれを読み直すことはないだろうという確信のみ。 おもしろくないということではなく、 読みこなすための気力が湧かないような気がするから。
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井戸の底での思索を通じて不思議な能力を身に付けた亨は、空き家を買う為に仕事を始める。心に問題を抱える女性を不思議な能力で癒す仕事だ。赤坂ナツメグ、シナモン母子とともに。その仕事について、やがて綿谷昇の知る所となり、彼と綿谷の対決は避けがたいものとなりつつあった。そして、井戸の底で...
井戸の底での思索を通じて不思議な能力を身に付けた亨は、空き家を買う為に仕事を始める。心に問題を抱える女性を不思議な能力で癒す仕事だ。赤坂ナツメグ、シナモン母子とともに。その仕事について、やがて綿谷昇の知る所となり、彼と綿谷の対決は避けがたいものとなりつつあった。そして、井戸の底で思索する亨はクミコの元へ行き、襲ってきた何ものかと戦う。 村上春樹の小説は、ここにあらすじを書こうとしても、にわかにそれができない。読み込みや筋の理解が足りないからなのか、元々そういうファンタジーじみた作品なのか。文章のあちこちに蘊蓄じみたものはある。伏線と思われる描写があっても、それが最後まで深い意味を持ち続けることもないように思う。こんな結末か? という感想を抱かざるを得ない。何度も読めば、それぞれの言葉の持つ意味のつながりが理解できるのかもしれないが、何度も読む気にはならない。そういえば、1Q84にも登場した牛河が、この作品にも登場した。
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1、2と続き、一気に読んでしまった。 面白かった。読む前は長いと思ったが全部を通して読んで、無駄な部分がなかった。そこがいい。
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不思議な世界観です。描写は丁寧だけど、内容を理解するのにはもう一回読み直さなきゃと思います。登場人物が個性的で、話の続きも気になり、あっという間に読み終わりました。とても面白かったです!
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