ビジョナリーカンパニー の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
興味深い分析の本ではあった。 ビジョナリーカンパニーの選び方として、経営者にアンケートをして選ぶというのは、合理的でありかつ短絡的な気もしたが、ともかくも選ばれた会社と、同規模で選ばれなかった比較対象企業とを比較して、ビジョナリーカンパニーの本質迫るというアプローチ面白いと思った。 その結果抽出された要素のうち心に残ったのは、基本理念を明確にしていること、基本理念は変えず基本理念以外は全て変えるだけの意気込みと覚悟を持っていること、変わり続けるしくみを作っていること、独特の強烈な文化をもっていること、経営者が生え抜きであること、orではなくandを実現する姿勢 などであった。 特に短期的利益よりも理念の実現を目指す姿勢一貫していることが重要であり、また、理念必ずしも最初から掲げられていなくても良いが、理念を明確化しようとするときに、理念は作るのではなく見つけ出すもにであるということが目からウロコであった。
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・「ビジョナリー・カンパニー」とは、ビジョンを持ち、同業他社から尊敬される、卓越した企業のこと。 ・ビジョナリー・カンパニーの創業者は、概して商品アイデアで大ヒットを飛ばしたりすることに重きを置かない。最も大切なのは、ビジョナリー・カンパニーになる“組織”を築くこと。 ・ビジョ...
・「ビジョナリー・カンパニー」とは、ビジョンを持ち、同業他社から尊敬される、卓越した企業のこと。 ・ビジョナリー・カンパニーの創業者は、概して商品アイデアで大ヒットを飛ばしたりすることに重きを置かない。最も大切なのは、ビジョナリー・カンパニーになる“組織”を築くこと。 ・ビジョナリー・カンパニーの経営者の多くは、カリスマとは程遠い、控えめで、思慮深い人物である。 ・「基本理念を維持しながら、進歩を促す」こそが、ビジョナリー・カンパニーの真髄。 ・基本理念を維持しつつ進歩するため、ビジョナリー・カンパニーは、次の5つのことを行っている。 ①社運を賭けた大胆な目標を持つ ②カルトのような文化を持つ ③大量のものを試して、うまくいったものを残す ④生え抜きの経営陣を持つ ⑤決して満足しない
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企業で働くどんな立場の方にもおススメできる名著です。 時を超えて存続し、成長し続ける企業について、比較企業との対比でわかりやすく説明されています。 ビジョンを持ち、先見的で未来志向的で、同業他社から尊敬を多く集め、時を超えて成長し続ける会社=ビジョナリーカンパニー。 ビジョ...
企業で働くどんな立場の方にもおススメできる名著です。 時を超えて存続し、成長し続ける企業について、比較企業との対比でわかりやすく説明されています。 ビジョンを持ち、先見的で未来志向的で、同業他社から尊敬を多く集め、時を超えて成長し続ける会社=ビジョナリーカンパニー。 ビジョナリーカンパニーには、端的に言うと基本理念=基本価値観+目的が存在する。 創業時のアイディアが素晴らしいやカリスマ経営者、利益追求などは必要ない。 私は7人の部下がいる部署の管理者ですが、細かい進捗管理や他部署との折衝に時間を割くことが大切に思ってました。しかし、この本を読み、我々の部署が存在する目的、基本価値観を与える方が、よっぽど大切であることに気づかされました。 50年後も必要とされるチームを目指し、自社のコーポレートステートメントを読み直し、理解し、自部署の基本理念を考え、メンバーと共有して行きたいと思います。 以下、参考になった記述を備忘録で。 売り上げや利益は会社にとって酸素や水と同じく、存続に必要不可欠ではあるが、決してそれ自身が目的ではない。 目的を考える際に、もしも誰にも迷惑をかけずに、会社を解散できるとして、何故それをやらないか。やることにより、どういう不利益を得るか。 維持すべき基本理念と、進歩を促す仕組み、木の幹のように変割らない部分と、枝葉のように常に変わっていく部分の両方が必要。
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投資術として読んでみた。「ウサギの中からカメを探す」術が少し分かったかも。 4年前にモトローラとノキア、クァルコムいずれが携帯業界のウサギに変身するか迷ったのを思い出した。結局どちらも買わずにいたのは正解。最後に勝利を納めたのがAAPLとは・・・。 ブームが過ぎてから読ん...
投資術として読んでみた。「ウサギの中からカメを探す」術が少し分かったかも。 4年前にモトローラとノキア、クァルコムいずれが携帯業界のウサギに変身するか迷ったのを思い出した。結局どちらも買わずにいたのは正解。最後に勝利を納めたのがAAPLとは・・・。 ブームが過ぎてから読んだけど、研究対象が老舗企業ばかりなのであまり古臭さを感じなかった。
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1995年出版のビジネス書の古典。 50年以上存続する企業の特徴とはなにか?を調べる為に、6年の歳月をかけて行われた調査記録です 読んでいて面白いのは 「成功した会社に共通する成功の法則」 的なハウツーでは一切なく、炙りだされてくるのは、ダーウィンが発見した生物の進化の法...
1995年出版のビジネス書の古典。 50年以上存続する企業の特徴とはなにか?を調べる為に、6年の歳月をかけて行われた調査記録です 読んでいて面白いのは 「成功した会社に共通する成功の法則」 的なハウツーでは一切なく、炙りだされてくるのは、ダーウィンが発見した生物の進化の法則と企業の存続は極めて酷似している、という内容です。 これを見れば永続的企業が作れるわけでもないし、長期存続する企業の素晴らしさというよりも、一種のカルト的不気味さが伝わる内容ですが、純粋に読み物としてとてもおもしろい。 現代の経営のトレンドは、「意思決定スピードの向上」なので、カリスマ経営者がニュースで取り上げられますが、本書でビジョナリー・カンパニーとしてあげられた企業には「カリスマ経営者」はいませんし、創業時までさかのぼっても、カリスマ的なタイプは少ないのです。 本書ではこれを 「自分が時を告げるのではなく、時を告げる時計を設計する職人」 と名付けています。 すごく分かりやすい例えだなと思ったのあ、アメリカ合衆国の建国。 独立を果たした後、誰が統治者(王)になるかを議論するのではなく、この先、建国した人間がいなくなっても、永続的に能力のある人間が厳選されて統治者になる仕組みを作ったこと。 (現代では選挙で能力あるものが選ばれるかはちょっと疑問ですが、市場原理によって統治者が選ばれる仕組みは、現代でも合衆国の源泉です。) ドラッカーの書籍と共有しているのは、一見とてもシンプルで分かりやすいのだけど、それを実行するのはとても難しい。 なぜなら、それはノウハウではなく理念だから。 そして、理念から具体的実行を、ジャブのように高速に繰り返し、そこからフィードバックを得られるかどうか、これは確かに企業の大きな分かれ目だと思います。 観念的で捉えるのが難しい「企業文化」「企業理念」を綿密な調査で、データとして提示したのは素晴らしい。 変な例えですが、このゾクゾク感は、子供の時に読んだ「指輪物語」に通じます。 難しい内容ではありませんし、マネージャーや経営者だけではなく、全ての人が楽しめます。
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分厚い本ですが、わかりやすくてスラスラと読めます。 1.この本を一言で表すと? ・いい組織の作り方 2.よかった点を3〜5つ ・究極の作品は会社(p48) →会社を「雇用し、税金を納め、よい製品・サービスで社会に貢献する」という社会一部のものという考えにつながると感じた...
分厚い本ですが、わかりやすくてスラスラと読めます。 1.この本を一言で表すと? ・いい組織の作り方 2.よかった点を3〜5つ ・究極の作品は会社(p48) →会社を「雇用し、税金を納め、よい製品・サービスで社会に貢献する」という社会一部のものという考えにつながると感じた。また、技術・アイデアだけでは長続きしないものだとも感じた。 ・糸状虫症治療薬「メクチザン」の無料提供(p77) →アメリカにこんな美談があったとは知らなかった。相当な強い意志と覚悟がないとできないと思う。その点に恐れ入りました。 ・BHAGは組織のどのレベルでも使える(p184) →全体的に経営者向けの話が多いが、経営者じゃなくても使えることが書かれている。特に自分自身に大胆な目標がないことを痛感した。 ・基本理念こそが基軸(p280) →それほど基本理念が大事ということ。自分自身の基本理念が必要と強く感じた。 ・黒帯の寓話(p338) →決して満足しない、満足してしまったらおしまい、いつまでも修行というのか日本的に感じた。 2.参考にならなかった所(つっこみ所) ・21世紀になっても調査結果が時代遅れになることはないと断言しているが、本当にそうなのか? 特に、カルトの部分はすんなりと受け入れられなかった。 3.実践してみようとおもうこと ・個人のBHAGを考えてみる。 ・家族の基本理念を考える。
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・ビジョナリーカンパニーは種の進化によく似ている ・企業そのものが究極の作品である ・すばらしい製品やサービスを次々に生み出すのはこうした会社が組織として卓越しているからにほかならない ・すばらしい経営者を輩出しているのも同じ理由 ・単なる金儲けを超越した基本的価値観=基本理念 ...
・ビジョナリーカンパニーは種の進化によく似ている ・企業そのものが究極の作品である ・すばらしい製品やサービスを次々に生み出すのはこうした会社が組織として卓越しているからにほかならない ・すばらしい経営者を輩出しているのも同じ理由 ・単なる金儲けを超越した基本的価値観=基本理念 ・利益とは人間の体にとっての血液のようなものだ。人生の目的ではないがそれがなければ生きられない。 ・経営手法も目標も、基本的な信念(基本理念)に反すると思われる場合にはいつでも変更しなければならない ・ビジョナリーカンパニーが掲げる基本的価値観はたいてい3〜6つ ・BHAG(BigHairyAudaciousGoals)大胆で明確な目標が組織にとって有益なのはそれが達成されていない間だけだ ・IBM=Think! ・3M:ミネソタ・マイニング&マニュファクチャリング ・何かに偶然ぶつかることがあるが、ぶつかるのは動いているからである ・ヒューレット・パッカード →横並びの製品やコピー製品は市場にどれだけの潜在力があっても日の目を見ないようになっている ・神は細部に宿る…建築家ミース・ファン・デル・ローエ ・正しい問いの立て方は「これはよい方法なのか」ではなく「この方法は当社の基本理念にあっているのか」である ・ビジョナリーカンパニーで変えてはならない聖域は基本理念だけであり、それ以外のものは何でも変えることができるし無くすことさえできる ・会社は政府組織や伝統ある大学と変わらぬほど大切にし、関心を向けるべきものだ。 ・従業員は業務上の自主性を要求しながら、同時に、自分たちの関係している組織が、何かの目的を追って前進するよう求めている ・手軽なノウハウ本に成功の秘訣を求めるのは「あなたにも名画が描けます」というキットをミケランジェロが買うようなもの ・ビジョナリーカンパニーの性格を持った企業の倒産確率:75% ・比較対象企業の性格を持った企業の倒産確率:50%
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基本理念を形骸化させることなくシステムから一貫して構築する。そういう会社に合う自分を見つけないといけない、のかな。また目先の利益を犠牲にせず長期的な利益を追求する。ANDの構想。難しい。書いてあることは本質的で実体的なので非常に興味深い。
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数十年まえには、同じような規模の同業社の現在の差を分析し(たとえば、ソニーとアイワ)、その差の原因を探る。結果は、「創業当時に作り上げられた、企業文化、理念」の差である。私は、この非凡な結論に大賛成であるが、この結果を受けいられない人も多々いらっしゃると思う。そういう人は、一読あ...
数十年まえには、同じような規模の同業社の現在の差を分析し(たとえば、ソニーとアイワ)、その差の原因を探る。結果は、「創業当時に作り上げられた、企業文化、理念」の差である。私は、この非凡な結論に大賛成であるが、この結果を受けいられない人も多々いらっしゃると思う。そういう人は、一読あれ。
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・ビジョナリーカンパニーは、その基本理念と高い要素にぴっ足りと合う者にとってだけ素晴らしい職場である ・早い時期に成功することと、ビジョナリーカンパニーとして成功することは逆相関している ・アイデアは諦めたり、変えたり、発展させることはあるが、会社は絶対に諦めない ・一流の知性と...
・ビジョナリーカンパニーは、その基本理念と高い要素にぴっ足りと合う者にとってだけ素晴らしい職場である ・早い時期に成功することと、ビジョナリーカンパニーとして成功することは逆相関している ・アイデアは諦めたり、変えたり、発展させることはあるが、会社は絶対に諦めない ・一流の知性と言えるかどうかは、二つの相反する考え方を同時に受け入れながら、それぞれの機能を発揮させる能力があるかどうかで判断される ビジョナリーカンパニーはいくつかの目標を同時に追求する傾向があり、利益を得ることはその中のひとつに過ぎず、最大の目標であるとは限らない ・利益とは人間の体にとっての酸素や食料や血液のようなものだ。人生の目的ではないが、それがなければ生きられない ・人々が集まれば個人ではできないことができるようになる、つまり社会に貢献できる ・ビジョナリーカンパニーの基本理念は、理論や外部環境によって正当化せうる必要などないものである。時代の流れや流行に左右されることもない。市場環境が変化した場合ですら変わることはない。 ・BHAGは人々の意欲を引き出す ・ビジョナリーカンパニーは、自分たちの性格、存在意義、達成すべきことをはっきりさせているので、自社の厳しい基準に合わない社員や合わせようとしない社員が働ける余地は少なくなる傾向にある ・アメリカンエキスプレスはいくつもの小さなステップを積み重ねることによって、設立当初の小荷物事業から、またっく違った事業を展開する企業になった ・環境が変わるとその環境にとくに適した変異が淘汰で生き残ることになる ・重要なのは、優秀な経営陣の継続性が保たれていること ・安心感はビジョナリーカンパニーにとっての目標ではない。それどころか不安を作り出し、それによって外部の世界に強いられる前に変化し、改善するよう促す強力な仕組み作りを設けている ・常に進歩を求める経営者の意向が活かされるように、会社組織の中に具体的な仕組みをつくっていくこと ・まずなによりも先に基本理念をしっかりさせること、基本理念は見つけ出すしかない、基本理念が固まれば、基本理念以外の点はどんなことでも、自由に変えられるべきだ 【コメント】 会社が価値を出し続けられるかどうかを決めるのは、商品力でも、個々の人でも、アイデアでも、指導者でもない、その会社自体(=組織)と、その組織がもつ基本理念である。それは会社にも言えることだか、個々のチームにも同じことが言える。 ビジョナリーカンパニーとは、環境や指導者などに左右されない基本理念を持ちながら、その時の外部環境内部環境合わせて基本理念以外のことを変化させていける組織である。
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