ビジョナリーカンパニー の商品レビュー
10年を超え、読み継がれるだけある。「基本理念」こそ最も必要であることが説いてある。でも、基本理念を持つことは容易ではない。
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ビジョナリー・カンパニー、つまりビジョンを持つ企業、未来志向の企業であり、同業他社からも尊敬を集める企業である。以下、18社の事例が紹介されている。 3M、AMEX、ボーイング、シティコープ、GE、フォード、ヒューレット・パッカード、IBM、ジョンソン&ジョンソン、マリオット、めるく、モトローラ、ノードストローム、P&G、フィリップ・モリス、ソニー、ウォルマート、ディズニー 先見の明がある起業家が、すばらしいアイディアを武器に会社を成長させる。多く信じられている神話であるが、実際には、ビジョナリー・カンパニーの中にはそうした企業は殆ど無い。P&Gは、石鹸とろうそくの会社、モトローラはラジオの部品を修理する零細企業として出発している。こうした企業の創業者は、サステイナブルな持続できる組織を築く事で、卓越しているわけで、製品の優秀性だけで競争優位を得ている訳ではない。 大胆な目標: BHAG Big Hairy Audacious Goals フォードは大衆のために乗用車を作る、かつ価格が安く、道路からは馬車が消え、自動車に乗ることが当然になるというBHAGを掲げて、当時30社あった中の1社に過ぎなかった存在だったにも関わらず、トップに躍り出たのである。 J ウィラード・マリオット 「一番大切な事は、自己を律する事である。自己を律する事がなければ、人格は形成されない、人格が形成されなければ、進歩はない。」 ビジョナリー・カンパニーは、自分に対する要求が極めて高い。自己満足に陥れば、衰退しか無いのである。
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ビジョナリー・カンパニーはカルトである。いやカルトみたいな。強い組織の方が仕事はやりやすいのではないかと思う。でも私は行かないけど。
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会社、特に経営を行う場合目先の金儲けだけを考えがちだけど理念など目的を設定することが重要だと感じた。
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少し古い本なので現実とそぐわないところがあるかもしれません。 今までのビジョナリーカンパニーというのは宗教のような側面がたぶんにある、ということがわかった。 理念は大事だが、往々にして排他的になりがち。 最近はやりのダイバーシティを考え方、行動、働き方にも当てはめて、個々人の...
少し古い本なので現実とそぐわないところがあるかもしれません。 今までのビジョナリーカンパニーというのは宗教のような側面がたぶんにある、ということがわかった。 理念は大事だが、往々にして排他的になりがち。 最近はやりのダイバーシティを考え方、行動、働き方にも当てはめて、個々人のぶれの範囲内で会社理念に沿った仕事ができるような企業が増えれば、そのような働き方を社会的、経済的に許容できるような社会になればと思う。 ベーシックインカムには何となく期待している。 払ってもいい金額:1300円(上梓から年月が経っているため)
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企業がビジョナリーになるために必要なものは、カリスマ経営者ではなく、基本理念とそれを実現するための仕組みにある、ということがテーマです。 名著だと思います。
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再読。やはり圧倒的に名著…。こんなにメモを取った書籍は久々だ。社会に出てから読むとまた一段と凄みが分かる。 今や一般化された感もあるが、本著の主張は非常にシンプル。「①基本理念を守る、②進歩を促す、③一貫性を重視する」。あとはこれを仕組み化すると。 今や古典とすら言われる域に...
再読。やはり圧倒的に名著…。こんなにメモを取った書籍は久々だ。社会に出てから読むとまた一段と凄みが分かる。 今や一般化された感もあるが、本著の主張は非常にシンプル。「①基本理念を守る、②進歩を促す、③一貫性を重視する」。あとはこれを仕組み化すると。 今や古典とすら言われる域に達しつつあるが、微塵も陳腐化することはない。これらの重要性は色褪せるどころか日増しに高まっている。ドラッカー、ポーターらと共に永遠に読み継がれていくであろう良書。
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事業家達のバイブル的1冊。創業当初読んだけど改めて読み返してみた。 1.時を告げる預言者になるな。時計を作る設計者になれ。 2.「ANDの才能」を重視しよう。 3.基本理念を維持し、進歩を促す。 4.一貫性を追求しよう。 ビジョンや基本理念に基いて、全ての制度や戦略を...
事業家達のバイブル的1冊。創業当初読んだけど改めて読み返してみた。 1.時を告げる預言者になるな。時計を作る設計者になれ。 2.「ANDの才能」を重視しよう。 3.基本理念を維持し、進歩を促す。 4.一貫性を追求しよう。 ビジョンや基本理念に基いて、全ての制度や戦略を作っていきましょうといういうことを詳しい事例と共に書かれている。 翻訳本だけどめずらしく読みやすい。 起業家だけではなく、全ての人が読んで感銘を受ける一冊だと思います。
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重要だと思った内容は以下の通り。 ・真髄は、基本理念と進歩への意欲を、組織のすみずみにまで浸透させているところ。このためには、ただ単に上記内容を設定するだけではなく、浸透に向けて粘り強く活動していかなければならない。 ・楽な生活を最終目標にしているわけではない、GoodはGreatの敵である ・不安をもたらす仕組みをつくる(P&Gは社内のブランド間で競争をさせている、ホテルの覆面調査) ・一貫性の追求、And(中長期利益と短期利益等)の追及 ・一種のカルトのような企業文化があり、Fitする人材にとっては良い場所だが、合わない人にとっては悲惨な場所 本書で提示されているビジョナリーカンパニーで勤務する・創り上げるのは楽ではない。従業員として勤務することに覚悟が必要であるが、経営者としてビジョナリーカンパニーを創り上げるのは並大抵の覚悟では耐えられない。しかし、見方によっては、企業の理念を理解し、常に物事を進歩させていくことは、働く上で当然の事であるとも考えられる。この観点と現実にビジョナリーカンパニーが限られた数しか存在しないことを踏まえると、働くことに対して誠実に向き合っていない人間が多く、また、その状況を改善することを出来ていない企業が多いのだと推測できる(本書の文脈上)。
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各所で読むべき読むべきと言われている1冊。 かなり重い(物理的に)ので躊躇っていたが、思い切って読了。 1995年当時は経営理念・ビジョン・ミッション、、この辺りが今ほど活発に議論されていなかったように感じる。 今となっては"あぁ、そうだよね"と思える記述も多かったが、20年前だと画期的な目線での分析だったのだと思う。 ----------------------------------------- ◆ビジョナリーカンパニーは”すばらしいアイデア”を持って設立されていたのではない ex)ソニー 設立当初は具体的な商品アイデアは無かった →事業資金を稼ぐ為に、まずどんな商売をするか数週間に渡って協議した ex)ウォルマート 自分の会社を持ちたい、という意欲と少しの小売業の知識だけで設立 →会社が徐々に発展して行く途中で”ディスカウントショップ”というアイデアを発見 ◆利益を最大に高めること、は大きな原動力でも最大の目標でも無い ビジョナリーカンパニーのほとんどが経済上の目的を超えた基本理念を持っている ・基本理念を掲げる時には「心から信じている事」を表現するのが不可欠 ・基本理念は企業の内部にある要素であり、外部の環境に左右される物ではない事を理解する必要が有る ・そして、理念をどこまで貫き通しているかの方が、理念の内容よりも重要である ◆基本理念の維持 重要なのは優れた理念をつくる事ではなく、維持する仕組みをつくる事 ex)ディズニー 「ディズニー・トラディション」というセミナーの受講を義務化 ex)ヒューレット・パッカード HPウェイを掲げるだけでなく、社内人材だけを登用する方針を打ち出す また、理念を従業員の評価と昇進の際の基準にした すばらしい意図を持ち、気持ちを奮い立たせるビジョンを持っているが、その意図を活かす具体的な仕組みを作るという不可欠な手段を取っていない組織が多い ビジョナリーカンパニーの建築家は「戦略」「戦術」「組織体系」「構造」「報酬制度」「職務計画」など、企業の動き全てに一貫性を持たせている ◆カルトのような文化 あるIBM従業員の夫 「IBMは動機付けが上手い。洗脳されているという人も居るが、こういう洗脳ならいい。会社への忠誠心を高め、働く意欲を高めているのだから」 個人崇拝のカルトを作るのではなく、 「基本理念を熱心に維持するしっかりした仕組みをもった組織」を作ること ex) ・入社時のオリエンテーションで技術技能だけでなく理念・価値観・社史・伝統を教える ・社内登用を進め、若い時期に従業員の考え方を自社の価値観に合わせて教育する ・「英雄的な行動」や模範になる人物の神話を絶えず吹き込む ・独特の言葉や用語で価値判断の基準をはっきりさせ、特別なエリート集団に属している感覚を持たせる ・理念に基づいて努力した従業員への表彰制度 従業員に権限を与えて、分散型の組織をつくりたいと考えている企業は ・何よりも先ず理念をしっかりさせる ・従業員を教化し、病原菌を追い払う ・残った従業員にエリート組織の一員として大きな責任を追っている自覚を持たせる →適切な役者を舞台に立たせ、正しい考え方を教え込み、状況に応じたアドリブを使う自由を与える ◆大量のものを試して、うまくいったものを残す ビジョナリーカンパニーの今日を築いた重要な動きの中に、 「計画以外のなんらかのプロセス」によってもたらされた物が多い ex)3M 教会の合唱隊で歌っている時に聖歌の歌詞を見つけやすいよう紙切れを挟んでいた 肝心の時に紙切れが飛んでしまうので、少しばかりの接着剤を塗る事を考えた 3Mには"進化を刺激する仕組み"がある(下記は一部抜粋) ・15%ルール:勤務時間の15%を自分で選んだテーマの研究や創意工夫にあてられる ・25%ルール:部門の売上げの25%を過去5年間の新商品で上げるよう求める ポストイットはその15%ルールの活用によって生まれた 進化の過程はそれをよく理解し、積極的に利用すれば進歩を促す強力な方法になる ビジョナリーカンパニーはその進化の過程の利用にはるかに積極的である
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