大地の子(3) の商品レビュー
政治に翻弄される製鉄所建設。技術者としてはたまらんな そして妹とようやく再会できる一心 しかし、日本の国としての戦後処理は酷い
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陸一心の生き別れた妹が見つかった。 貧しい農民の家に売られ、人間とは思えぬような扱いを受け、幼い頃から体がボロボロになるまで働かされており、今や病に侵されて生死の狭間にいた。 そんな妹の姿に衝撃を受けるも、どうすることも出来ない。 そんな中、新たな事実を突きつけられる一心。 また...
陸一心の生き別れた妹が見つかった。 貧しい農民の家に売られ、人間とは思えぬような扱いを受け、幼い頃から体がボロボロになるまで働かされており、今や病に侵されて生死の狭間にいた。 そんな妹の姿に衝撃を受けるも、どうすることも出来ない。 そんな中、新たな事実を突きつけられる一心。 また、日本人であるが故に付きまとう疑惑の目。 まだまだ一心は辛い人生から逃れられない。 様々な事情で肉親を探す戦争孤児たち。 しかし、それさえも出来ない貧しい者も多い中、出会えたことは奇跡ともいえる。 そんな肉親探しの苦労も多く垣間見える。 2019.4.19
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「あつ子、すまなかった、探し出すのが遅過ぎた」-陸一心こと松本勝男は、三十六年ぶりにめぐりあった妹・あつ子に泣いて詫びた。妹は張玉花と名のり、寒村で過労の果てに病いの床にあった。兄妹の実父・松本耕次は、子供らの消息をつかみえぬまま、奇しくも陸一心とともに日中合作の「宝華製鉄」建設...
「あつ子、すまなかった、探し出すのが遅過ぎた」-陸一心こと松本勝男は、三十六年ぶりにめぐりあった妹・あつ子に泣いて詫びた。妹は張玉花と名のり、寒村で過労の果てに病いの床にあった。兄妹の実父・松本耕次は、子供らの消息をつかみえぬまま、奇しくも陸一心とともに日中合作の「宝華製鉄」建設に参加していた。
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やっと妹と会えた。。。 次から次へと色々なドラマが巻き起こり過ぎて、ハラハラドキドキ。 4巻へ、、、
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外から見た情報だけでの国単位の抽象化は、無意味な闘争を生む。 詳細を経て、抽象化をし、初めて正しい議論が可能となる。 (以下抜粋) ○われわれ中国を侵略した侵略主義者と、 日本人民を分けて考えています、 日本人民は侵略戦争の犠牲者であり、 残量虎児はさらにおおきな偽善者で...
外から見た情報だけでの国単位の抽象化は、無意味な闘争を生む。 詳細を経て、抽象化をし、初めて正しい議論が可能となる。 (以下抜粋) ○われわれ中国を侵略した侵略主義者と、 日本人民を分けて考えています、 日本人民は侵略戦争の犠牲者であり、 残量虎児はさらにおおきな偽善者であります(P.82)
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
中国の人々が誰に向いて仕事をしているか(党の上司、あるいは上層部)。それがよく判る展開だ。つまり、人治の国であり、党員が特権階級であり、それゆえ、あらゆる行動原理が、保身をベースにした国内向けという側面が強くなる。だからこそ、人間的には善良でも、ウィンウィンの関係の構築が困難なのだろう。◆相対的貧困の拡大はその集団に所属する構成員の人間性を奪っていくが、絶対的貧困は人間の尊厳を奪う。あつ子の来し方にこれがよく表れている。
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親子と気づかないままでいる2人が歯がゆい。どうやって再会が果たされるのか気になる。 中国の歴史、社会、そこから生まれる文化、人間性を知る上で、とても勉強になる。
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父親が満州の実状を知る場面、兄の妹と再会する場面、涙がこぼれそうになった。この辺は大筋はドラマと変わりないが、妹の環境は更に深刻であった。 政治的な問題も色々あり読み応えあった。
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中国共産党の権力抗争に翻弄される製鉄所の建設、と、あたかも経済小説の様相を呈してきた第3巻。 一方で、妹の消息がわかりその最期の場面で、ついにめぐり合う父と子。いよいよ佳境へと展開。 第1巻のレビューで残留孤児と書いてしまったが、著者は「残留という言葉には、意思があり」、彼らに...
中国共産党の権力抗争に翻弄される製鉄所の建設、と、あたかも経済小説の様相を呈してきた第3巻。 一方で、妹の消息がわかりその最期の場面で、ついにめぐり合う父と子。いよいよ佳境へと展開。 第1巻のレビューで残留孤児と書いてしまったが、著者は「残留という言葉には、意思があり」、彼らに残留の意思はなかったのだから、「戦争犠牲孤児というのが正しい」と言っているそうだ。言葉は正しく使いたい、訂正しよう。
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戦争が引き起こした悲劇、四巻でどう展開するか、すぐ読みたくなってしまう。 中国の国家としての行いは、今も変わらず、納得いかない、最近ではベトナムの反中、戦争にでもなったら、日本は相当の被害が間接的にあるでしょう。
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