大地の子(3) の商品レビュー
相変わらず中国が、がしがしやってくる。メインにあるのは残留孤児問題なんだろうけど、その話がかすんでくるくらいの中国のぶっ飛びっぷりがすごい。しかも鉄鋼の話を熱く語るし。ビジネスエンターテイメントなのか。
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陸一心はついに妹のあつ子・張玉花と再会する。父の松本耕次もすぐ目の前で同じ仕事に関わっているというのに、なんという運命。 製鉄所建設の話が長くてちょっと読み疲れてたけど、妹の手がかりが出てきたところから気になってどんどん読み進んだ。 元恋人の趙丹青夫婦の動きも気になる。松本氏から見たことで少し丹青の印象が変わったかも。「高慢で派手好み」との噂はあるが「行動力のある仕事熱心な女性である」と。 その後の一心との会話の中でもそういった件は出てくる。 さてあと一巻。
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『残留孤児』の話からは若干の間延び感のある巻。ただ、中国の商習慣、国民性、国家を知ると言う意味で別の面白さがある。最後の結末はどうなるのでしょう?さぁ、最終巻へいってみましょう。
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長い。正直2巻との違いが思い出せないぐらいな感じでとにかく高炉建設の話が続く。それに党中央の権力争いがあって…読みにくい感じがとってもしてしまった。 楽しみにしていた妹との再会もきっと再開とかけている章なのだろうが、どうしても高炉建設がメインで再会がおまけ的な感じがしてしまって本...
長い。正直2巻との違いが思い出せないぐらいな感じでとにかく高炉建設の話が続く。それに党中央の権力争いがあって…読みにくい感じがとってもしてしまった。 楽しみにしていた妹との再会もきっと再開とかけている章なのだろうが、どうしても高炉建設がメインで再会がおまけ的な感じがしてしまって本当は感動のシーンなのにいまいち乗れなかった。 そこだけ読んで良かったなと思える3巻でもなく…最終巻の盛り上がりに期待するしかない。
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戦争孤児として生き別れになった妹との再会! 一心の受けた迫害や労働改造所での生活も地獄でしたが、あつ子の痛ましさも言葉に出来ません。 嫁の来手のない男の嫁として買われ、望まぬ結婚、牛馬の様な生活。 一心との病院での幾ばくかの時間がどれだけ彼女の救いになったことか。この時間がなけれ...
戦争孤児として生き別れになった妹との再会! 一心の受けた迫害や労働改造所での生活も地獄でしたが、あつ子の痛ましさも言葉に出来ません。 嫁の来手のない男の嫁として買われ、望まぬ結婚、牛馬の様な生活。 一心との病院での幾ばくかの時間がどれだけ彼女の救いになったことか。この時間がなければ、あつ子は本当に惨めすぎます。そして、一心がどれだけ自分を責めたのか。察するに余りあります。 一心の義父である陸徳志と、あつ子の義母の対比が際立ちます。同じ兄妹、同じ戦争孤児なのに・・・。このどちらも現実だったのでしょう。 戦争孤児に対し政府が何もしようとしなかった件があります。おそらく、私たちみんなが無関心だったのでしょうね。終戦とともに過去の様々なことから目をそむけ、蓋をしてしまったのだと思います。最近のニュースであらためて感じました。
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【大地の子 3】 山崎豊子さん 強行な日程で見切り発車をした中日合同の「宝華製鉄」の建設プロジェクトは 国民性の違いから摩擦も多く、ことあるごとに停滞し遅々として進まない。 また、政争の道具にも利用され、遂には建設を一時中断する事態にまで陥ってしまった。 何の知らせも無く、急遽中断を告げられた日本の技術者たちは驚きそして憤る。 夢と誇りを持ち仕事をしていた一心たち技術者にも落胆は隠せないが、 党の決定は絶対であり逆らう事は出来ない。 また、同じ頃嫁の月梅が巡回医療隊として訪れた寒村で病んだ日本人孤児が居たコトを 一心に知らせた。日本語は話せないが年齢的に夫一心の生き別れた妹と近いのだった。 病がひどく、そう長くは保たないだろうという月梅の言葉を聞き一心はその寒村へ出向く。 そこで病に臥せっていたのは別人のように変わり果てた姿の生き別れた妹あつ子だった。 再開の喜びとあつ子の非遇とこれまでの苦難に涙する一心であった。 ☆ 三冊目。。三巻目は残留孤児の肉親探しと宝華製鉄をめぐる政治闘争が書かれています。 残留孤児として日本に身元をたずねる事が出来る孤児はまだ恵まれた孤児で 多くの孤児は日本語も書けず、喋れずで孤児として訴え出る事も出来ない。 子供の頃に見た残留孤児のニュースは山の頂の一角でしかなかったんですね。 一心と妹のあつ子の再開には涙が出ました。
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国民にとって国家とは何かを考えさせられる。中国人の徹底した気質はちょっと相容れない。戦後中国での日本人に対する仕打ちひどいが、戦後日本での朝鮮人に対する対応も考える視点が必要。
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戦争をするのは大人(特に男性)だが、それによる犠牲を強いられるのは。子供であり女性である。既に大東亜戦争は過去のものだが、いまだにその犠牲になっている人はいるのだろう。観る立ち位置によって感じ方はさまざまだが、戦争だけは起こすまい。
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陸一心のすぐ近くに実父が居るにも関わらず、なかなか真実に辿り着かぬもどかしさ。これ程までの艱難辛苦を味わったのに陸一心、いや、松本勝男に幸せは訪れないのか。妹・あつ子も何という苦難を…中国残留日本人孤児…祖国の地を踏めずに亡くなった方々も多いことだろう。
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私にとって、山崎豊子との出会いの小説です。 大地というとパールバックの印象が強く、感銘を受けつつ、中国の近代史(と、カテゴリー分けしていいのか?)に興味を持ち、ワイルドスワンで辛い現実に直視できなくなりつつありました。 そんな中、大地の子は事実を上手に小説化しており、「事実を勉強...
私にとって、山崎豊子との出会いの小説です。 大地というとパールバックの印象が強く、感銘を受けつつ、中国の近代史(と、カテゴリー分けしていいのか?)に興味を持ち、ワイルドスワンで辛い現実に直視できなくなりつつありました。 そんな中、大地の子は事実を上手に小説化しており、「事実を勉強するだけ」「娯楽だけ」ではなく、いずれも兼ね備える骨太の内容に、私は以後山崎ファンになりました。
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