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エレンディラ の商品レビュー

4.1

131件のお客様レビュー

  1. 5つ

    38

  2. 4つ

    54

  3. 3つ

    21

  4. 2つ

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2010/12/23

イメージを生み出す器官を揺さぶる、私たちから見ると不思議な現実世界。羽のはえた(汚ならしい)老人、ばらの匂いが漂う海、消える船。短編にしてそれぞれの世界に幻惑されます。標題作「無垢なエレンディラ〜」はイメージしながら読み進めると頭が大変。おすすめ

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2010/10/23

百年の孤独、大好きだけど長いから。これは短編集。南米ミラクルマジカルファンタジック!!読んでると頭が色とイメージの洪水にブレインジャックされちゃううううがががが。匂いを感じる幻想小説。死者の国が近づくと海から薔薇の匂いがするの...。

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2010/10/21

無垢と残酷、美麗と醜悪、相反する物が同居する作品。 人間の汚い部分が次々と描かれる中、なぜかその強さや純粋さを感じます。 童話のように不思議な出来事が招く無惨な現実に、いつの間にか引き込まれてしまいました。 文字で情景や彩りを鮮やかに綴る、魔法のような短編集です。

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2010/09/21

物語にはそれぞれ色やにおいがあるように思う。 それが圧倒的に濃いものが好きだ。 この中編は、サフランと砂埃のにおい。 絢爛さとキッチュが合いまった世界観、 天使のような美少年、密輸されるダイヤモンド、娼婦。 乙女心をくすぐるディテールも満載。

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2010/09/08

この本も「とうとう読み終わってしまったなぁ」と思いました。 名前だけはよく耳にする、ガルシア・マルケスの作品を、読んでみたいと思いつつ長編にビビっていた所を、Twitter上でこの短篇集を薦められたんだけど、…うん。すごく面白かった。 なんというか、十代の頃に読んだ、澁澤龍彦の...

この本も「とうとう読み終わってしまったなぁ」と思いました。 名前だけはよく耳にする、ガルシア・マルケスの作品を、読んでみたいと思いつつ長編にビビっていた所を、Twitter上でこの短篇集を薦められたんだけど、…うん。すごく面白かった。 なんというか、十代の頃に読んだ、澁澤龍彦の『東西不思議物語』(河出文庫)とか、根岸鎮衛『耳袋』(岩波文庫)とかを読んだ時の事を思い出しました(あ、倉橋由美子『大人のための残酷物語』(新潮社)もそうかも)。 それらの作品にプラス南米の不思議さ。 ものすごく魅力的。 おかげで、ガルシア・マルケスの長編を手にする勇気がでましたよ!薦めてくれた方に感謝!

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2011/08/06

不思議な話のオンパレード。貧しくて、自由がなくて、土地は痩せてるし、希望なんてない、狭い世界で生きている人たちの話ばかりなのに、読んでいていやな感じがしないのは何故だろう。『この世でいちばん美しい水死人』がすごい好きだ。

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2010/08/07

「雨が降り出して三日目、家の中で殺した蟹の山のような死骸の始末に困って、ペラーニョは水浸しの中庭を超え、浜へ捨てに出かけた。」 不思議。折った紙の蝶が飛んでいったり、羽のある男(しかも薄汚い!)が倒れていたり、ダイヤの果肉を持つオレンジが実ったり。灼熱の国、ラテンアメリカのコロ...

「雨が降り出して三日目、家の中で殺した蟹の山のような死骸の始末に困って、ペラーニョは水浸しの中庭を超え、浜へ捨てに出かけた。」 不思議。折った紙の蝶が飛んでいったり、羽のある男(しかも薄汚い!)が倒れていたり、ダイヤの果肉を持つオレンジが実ったり。灼熱の国、ラテンアメリカのコロンビアを(多分)舞台に描かれた大人のための残酷な童話として書かれた六つの短編、そして中篇「無垢なエレンディラと無情な祖母の信じがたい悲惨な物語」。ハッピーエンドはない。しかし、現代人が惹かれる、原始的で、野趣あふれたアフリカンアートのような魅力がガルシア=マルケスの小説にはある。

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2010/07/31

コロンビアのノーベル賞作家ガルシア=マルケスの異色の短篇集。“大人のための残酷な童話”として書かれたといわれる6つの短篇と中篇「無垢なエレンディラと無情な祖母の信じがたい悲惨の物語」を収める。

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2020/05/30

ガルシア=マルケスによる魔術的幻想文学の短編集。饒舌な文体と、魅力的な題名です。 あとがきでは翻訳者が、南米作家が作り出し現実と幻想を取り入れる小説手法の生まれる土壌について触れていて興味深いです。 === 雨の後村に落ちてきた翼のある男。村人は彼を鶏小屋に入れ、現実の生活を続...

ガルシア=マルケスによる魔術的幻想文学の短編集。饒舌な文体と、魅力的な題名です。 あとがきでは翻訳者が、南米作家が作り出し現実と幻想を取り入れる小説手法の生まれる土壌について触れていて興味深いです。 === 雨の後村に落ちてきた翼のある男。村人は彼を鶏小屋に入れ、現実の生活を続ける。  /大きな翼のある、ひどく年取った男 海辺の村には腐った臭が漂う。しかしその年は無数に咲き乱れる花の香りが漂ってくる。 海の底には、花の咲く村、教会、死者の村があった。  /失われた時の海 村に打ち上げられた美しい水死体。村人は彼の世話に夢中になる。  /この世で一番美しい水死人 運命を変え、死を招く女性に会った上院議員  /愛の彼方の終わることなき死 幽霊船を見たが相手にされなずバカにされた男が、村人に復讐するために幽霊船を誘う。やっと灯りを見つけた幽霊船は男に着いて村に打ち上げるのであった。  /幽霊船の最後の航海 魔術師の手伝いとして共に旅を回る男は、魔術を身に着けて彼に仕返しする時を待っていたんだ。  /奇跡の行商人、善人のブラカマン その風がエレンディラの不運の始まりだった。 損失を取り戻すために祖母はエレンディラに客を取り国中を回る。 余談ですが、エレンディラはガルシア・マルケス代表作「百年の孤独」で若きアウレリャーノ・ブエンティーア(大佐)の初恋と初体験のお相手としても登場しています。  /無垢なエレンディラと無情な祖母の信じがたい悲惨の物語

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2010/06/04

百年の孤独読了後、しばらくして読んだマルケス作品。 あの、分厚くて重い長編を読んだ後だったので、軽くて薄いマルケスはいいなあ、と思った。 お化けの幽霊船の話と、美しい水死人の話が印象的。 主に春の日差しの差し込む人のいない山の手線車内で読んだのだけど、読んだ状況もあいまって白昼夢...

百年の孤独読了後、しばらくして読んだマルケス作品。 あの、分厚くて重い長編を読んだ後だったので、軽くて薄いマルケスはいいなあ、と思った。 お化けの幽霊船の話と、美しい水死人の話が印象的。 主に春の日差しの差し込む人のいない山の手線車内で読んだのだけど、読んだ状況もあいまって白昼夢のようなオイシイ時間が過ごせた。 澁澤龍彦の「うつろ舟」をぼんやり思い出した。 百年の孤独も文庫化したらこうゆう事ができていい。でもあの分厚くて重い状態も好きだ。 雁須磨子の「どいつもこいつも」というマンガを読んでいたらこの本の話が出て来た。(よくわからん笑いどころに使われていた) また一つ、須磨子先生を好きになった。

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