エレンディラ の商品レビュー
コロンビアの作家さんの幻想小説。 例えるなら安部公房的な? 「百年の孤独」と「予告された殺人の記録」も気になってます。
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知人からの貰い物。『百年の孤独』作者の短編集。作者のスタイルや話の内容を飲み込むのに大分難渋した。みすぼらしい天使の話、海の底に眠る村と死体の話、ある美しい娘と祖母の話…これがマジカル・レアリズムかと思わせる不可思議な話ばかりだった。特に「この世でいちばん美しい水死人」の話が好き...
知人からの貰い物。『百年の孤独』作者の短編集。作者のスタイルや話の内容を飲み込むのに大分難渋した。みすぼらしい天使の話、海の底に眠る村と死体の話、ある美しい娘と祖母の話…これがマジカル・レアリズムかと思わせる不可思議な話ばかりだった。特に「この世でいちばん美しい水死人」の話が好きだった。そして全ての短編に海にまつわる描写がある点も自分の生まれ故郷を思い起こさせてくれ、読んでいてノスタルジックな感情が湧いた。私にはどうしても日本語訳の本というのは読みにくいようなので『百年の孤独』と『コレラの時代の愛』は是非英語訳で読んでみたい。
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「百年の孤独」を凝縮したような、そんな感じのお話で、面白く読みました。「海」とあの「熱さ(暑さではない)」あっての文学という感じ。表面的にクリスチャンになっても土着の迷信、信仰が優先されている人々。厚かましいのに繊細だったり、ムードに酔ってついつい現実の数倍にものごとを膨らませて...
「百年の孤独」を凝縮したような、そんな感じのお話で、面白く読みました。「海」とあの「熱さ(暑さではない)」あっての文学という感じ。表面的にクリスチャンになっても土着の迷信、信仰が優先されている人々。厚かましいのに繊細だったり、ムードに酔ってついつい現実の数倍にものごとを膨らませて語ってしまうような、ラテンアメリカの皆様の特徴がよくよく出ていたと思う。同じ南米でもアルゼンチンやパラグアイでは生まれそうもないお話。相変わらずグロテスクさもなぜか笑ってしまうようなおかしさになってしまうこの不思議。
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南米的な不可思議さに満ちた小説。 夢の描写みたいな感じをもった。もともとあった話を元にしている部分もあるそうだ。
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<不運と強権的祖母により、身をおとしていくエレンディラ・・・。表題作を始めとした短編集> 著者:ガルシア・マルケス マルケスの残した短編集。 相変わらず、感情描写はないし、あっても一言。 淡々とした事実の描写で物語を紡いでいきます。 でもこの手法だと短編ではちょっ...
<不運と強権的祖母により、身をおとしていくエレンディラ・・・。表題作を始めとした短編集> 著者:ガルシア・マルケス マルケスの残した短編集。 相変わらず、感情描写はないし、あっても一言。 淡々とした事実の描写で物語を紡いでいきます。 でもこの手法だと短編ではちょっと物足りないかな・・・。 まあ私が短編をあまり好きくないからかもしれませんが。 とりあえず、こうゆうものの積み重ねで「100年の孤独」が出来ていったんだなと。 <エレンディラ>に<ブラカマン>、あとは不細工な天使の話が特にお気に入り。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
相変わらず不気味で土臭く、生と死の境界が曖昧な世界です。 こちらの常識の斜め上をいく発想なので時々言っている意味がわからなくなることも。(死んだ奥さんが海の上を漂流していて、しかも意識がある描写があったような…) 生きている人間から既に死臭が漂ってくる感じ。 一番お気に入りなのは最後の中編「エレンディラ」。 若い時の美しさとその栄光が忘れられない醜い祖母が、豪勢な暮らしをするために若く美しい孫娘に売春させながら旅をする話です。 祖母の行為は虐待そのものでひどい話なのですが、昔の栄光を寝言として語る祖母からは女性の根源的な哀しさを感じさせられます。
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個人的には、「この世でいちばん美しい水死人」と「愛の彼方の変わることなき死」がよかったと思う。 それと、タイトルにもなっているエレンディラのお話は、なんというか凄まじかった。 登場人物でいえば、ハーバード氏やブラカマン、エレンディラのおばあちゃんなんかが印象的。
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現実と幻想が融合していてどこまでも地続きだ。そして幻想は常識を蝕み、死はしばしばその重さを忘れてしまう。そこにすきま風として入り込んだのが美意識だろう。「この世でいちばん美しい水死人」、「無垢なエレンディラと無情な祖母の信じがたい悲惨の物語」がとくに美しかった。
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生活から生まれたのだろう、骨太な文章と骨太な物語はきれいだ。かなしいことも美しいこともすべて祝祭のよう。
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今、流行りの南米文学 おもしろかったー こどもの頃好きだったポールジェニングスを思い出した 不毛の大地が日常(普通の事)としてありうるっていう 緑が生い茂る日本に住んでたらありえないような状況がすべての前提にあった上で淡々と語られる希望もへったくれもないような物語 なのになん...
今、流行りの南米文学 おもしろかったー こどもの頃好きだったポールジェニングスを思い出した 不毛の大地が日常(普通の事)としてありうるっていう 緑が生い茂る日本に住んでたらありえないような状況がすべての前提にあった上で淡々と語られる希望もへったくれもないような物語 なのになんで美しいかしら 故郷への憧憬だけでは言い尽くせない愛を感じた 荒涼とした岩山にもどういうわけか木が生えてたりするわけで 夢はいつも灰色だったりする 希望はいつだって打ち砕かれる それでもパレードは進む 祝福を!
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