商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 朝日新聞出版 |
| 発売年月日 | 2025/09/05 |
| JAN | 9784022520876 |
- 書籍
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国宝 愛蔵版(上)
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国宝 愛蔵版(上)
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商品レビュー
4.3
32件のお客様レビュー
映画を観ようと思ってたものの観られずで、せめで原作は!!ということで手に取りました。 まさかの語り口調でむむむとなり、任侠的な描写で何が何だかわからないまま60ページ程が過ぎ、これこのままいくと挫折しかねないと思って改めて丁寧に最初から読んだらスムーズに入れました。笑 才能に...
映画を観ようと思ってたものの観られずで、せめで原作は!!ということで手に取りました。 まさかの語り口調でむむむとなり、任侠的な描写で何が何だかわからないまま60ページ程が過ぎ、これこのままいくと挫折しかねないと思って改めて丁寧に最初から読んだらスムーズに入れました。笑 才能に恵まれたものと血縁に恵まれたものの対比というのかなんというか。 どちらも苦悩しながらもがいておりました。 下巻楽しみ。
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国宝(上巻): 芸に己を賭す者の、孤独な芳香 ※文末に記憶に残り続けた原文記載 ------------ 第一章:血縁なき才能と時代の波 率直に申し上げて、吉田修一さんという稀有な作家が生み出されたこの物語は、映像(映画)でも書籍でも、そのどちらもが大いに魂を揺さぶる傑作だと...
国宝(上巻): 芸に己を賭す者の、孤独な芳香 ※文末に記憶に残り続けた原文記載 ------------ 第一章:血縁なき才能と時代の波 率直に申し上げて、吉田修一さんという稀有な作家が生み出されたこの物語は、映像(映画)でも書籍でも、そのどちらもが大いに魂を揺さぶる傑作だと感じました。 この場を借りて、改めて原作者の吉田修一さんに心から敬意を表したいと思います。 物語の主人公は1960年代に生まれ、歌舞伎の血筋を持たないにもかかわらず、その美の世界に魅せられた若者です。 彼は、高度経済成長からバブル景気という日本の激動の時代に翻弄されながら、およそ半世紀近くもの「芸道」という名の生涯を駆け抜けていきました。 血縁という絶対的なパスポートを持たない彼にとって、その道のりは想像を絶する厳しさだったに違いありません。 彼の物語は、時代を背景に、才能が如何にして運命を切り拓いたのか、という壮大な問いかけから始まります。 ------------ 第二章:芸に己を賭す者の孤独な炎 彼の軌跡は、決して舞台の表側だけで完結しません。 むしろ、人知れぬ裏の努力、端役としての日々こそが、彼の芸を研ぎ澄ます砥石だったように思います。 腐ることなく、ただひたすらに練習を重ね、本番に臨む。その姿は、ストイックという言葉を超越しています。 では、彼は人生のその長い道のりで、一体誰を信じて生きていたのでしょうか。師や仲間、観客でしょうか。いや、おそらく違います。 彼が最後まで信頼し、頼りとしたのは、「芸に生き、芸に死ぬ」ことを選んだ、他ならぬ己自身の信念のみではなかったでしょうか。 孤高の存在として、ただ芸の神と対峙し続けた彼の内側に燃える炎は、熱く、そして孤独だったに違いありません。 ------------ 第三章:恩恵と受け継がれる「腹」 しかし、その孤独な道程は、完全に彼一人の力で築かれたものではありません。 彼の周囲には、常に人間味溢れる「恵み」の輪が存在していました。 産みの親は、家が傾くような苦境にあっても、息子への仕送りを絶やされませんでした。 そして、育ての親は、実の息子が行方をくらますという人生最大の悲劇に直面しながらも、血の繋がらない彼を腹を決め、最後まで育てるという決断をされました。 この親たちが示された「腹」の決め方、すなわち、理屈ではない愛情と覚悟こそが、彼を支える見えない「国宝」だったと言えるでしょう。 彼は、彼自身の才能だけでなく、彼を取り巻く人間関係の厚みによって磨き上げられていったのだと感じます。 ------------ 第四章:作品の美と、人間臭い芳香(かおり) なぜ、我々はこれほどまでに、物語である『国宝』に深く魅せられるのでしょうか。 それは、映像やフィクションの世界であるにもかかわらず、そこから立ち上るものが、あまりにも人間くさい芳香を放っているからなのではないでしょうか。 泥臭く、不器用で、時には間違えながらも、一本の芸の道にすべてを捧げた一人の男の「生き様」が、その本質を強烈に示しているのではないでしょうか? 国宝という美の頂点を目指す過程には、苦悩、裏切り、そして愛という普遍的な感情が詰まっています。 この人間臭さが、我々の魂を揺さぶり、彼が歩んだ人生を追体験させてくれたのでは?と考えるのです。 吉田修一さんは、作品の中で、我々が最も強く求める、真の「生」の姿を描き切ったのでは?と考えるのです。 だからこそ、この物語『国宝』は、一人の役者の人生を超え、令和の時代そして次の世代へと語りつがれる【国宝】なり得る作品となるのでしょう。 ------原文------ 『歌舞伎には文楽を歌舞伎にしただけのことがなければ、その価値がない。 歌舞伎のほうは生きてる人間が舞台で演じるんやから、もっと生々しい、もっと実感的なものやないといかん。』 ------------ 二人が二人して、男が女を真似るのではなく、男がいったん女に化けて、その女をも脱ぎ去ったあとに残る「女形」というものを、本能的に摑めているのでございます。 ------------ 「おまえに一つだけ言うときたいのはな、どんなことがあっても、おまえは芸で勝負するんや。ええか?どんなに悔しい思いしても芸で勝負や。ほんまもんの芸は刀や鉄砲より強いねん。おまえはおまえの芸で、いつか仇とったるんや、ええか?約束できるか?」 ------------ 「もう腹くくるわ。うちは意地汚い役者の女房で、母親で、お師匠はんや。こうなったら、もうどんな泥水でも飲んだるわ」
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映画は見てませんが話題だったので。 序盤は独特の語り口調に慣れず少し苦戦。 馴染みの少ない仁侠描写に入り込めない。 読めるのか不安に感じたけれど語り口調に慣れ始めて物語が進んでくるとどんどん入り込んで読みやすくなりました。 思ってたよりサクサク進んでいく。 今のままだと喜久雄が不憫で…。結局血が全てなのか!?という気持ち。どうなっていくんだろう? 下巻も読もうと思います。
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