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同志少女よ、敵を撃て ハヤカワ文庫JA
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同志少女よ、敵を撃て ハヤカワ文庫JA

逢坂冬馬(著者)

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同志少女よ、敵を撃て ハヤカワ文庫JA

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 早川書房
発売年月日 2024/12/11
JAN 9784150315856

同志少女よ、敵を撃て

¥1,210

商品レビュー

4.4

223件のお客様レビュー

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2025/03/13

戦争小説は初めて読んだが、その凄惨さはともかく、登場人物たちの逡巡が細かく読み取れて面白かった。面白かったと言っていいのかわからないが、没頭して読んだ。戦時下における、人道的、倫理的な振る舞いとはなんなんだろうか。最も非人道的な行い、もっぱら人を殺すことが正義とされる世界で、何が...

戦争小説は初めて読んだが、その凄惨さはともかく、登場人物たちの逡巡が細かく読み取れて面白かった。面白かったと言っていいのかわからないが、没頭して読んだ。戦時下における、人道的、倫理的な振る舞いとはなんなんだろうか。最も非人道的な行い、もっぱら人を殺すことが正義とされる世界で、何が人を人たらしめるのだろうか。そんな世界の中で自分を保つことができるのだろうか。実際、主人公のセラフィマも敵を狙撃することにある種の快感?のようなものを覚える場面もあった。のちにその異常さに気付いたが。イリーナがセラフィマを含め少女たちと国家のどちらも救おうとしている様子が感動した。平和な世界で、少女たちが彼女たちらしく生きられるように接しているように感じた。 この小説はフィンランド旅行中に読み進めた。フィンランドやエストニアのタリンにいる時、いろんなところでウクライナ国旗を見た。日本では、物理的にも距離があるからか、そこまで強い抗議は目にしたことがない。控えめで謙虚なフィンランド人の強い主張を節々で感じた。戦時下で生きた方々と同じ時代を生きるものとして、何かするべきかなと思った。

Posted by ブクログ

2025/03/12

環境が人を変える最たるものが戦争。読みながら、人は殺されないけれども社会・会社でも同じようなことが起きていると思った。 その境遇になければ出会わなかった人、出会わなくてよかった人、出会えてよかった人。 その環境でなければ到底正当化されない、異常なこと、だけど全員が異常言うことは許...

環境が人を変える最たるものが戦争。読みながら、人は殺されないけれども社会・会社でも同じようなことが起きていると思った。 その境遇になければ出会わなかった人、出会わなくてよかった人、出会えてよかった人。 その環境でなければ到底正当化されない、異常なこと、だけど全員が異常言うことは許されない、自分だけが異常だと思ってしまうこと。 味方の中の敵、敵の中の味方。 そして、その環境が変わったとき、すっかりその環境に慣れているから他の環境に馴染めない。また、どれだけ環境や物事を責めて人を責めるなとしても、人は人を責める。責めない人も敬遠したりその人と関わらない。頭でわかっていても心がうまくいかない。 今も戦争はなくなっていないし、戦争をしていない国である私がいる日本社会でも、殺し合いという定義にはまらない小さな戦争は勃発していると…いつまでも人は生きづらい環境に生きているんだなと思いながら読んだ。

Posted by ブクログ

2025/03/11

スナイパー物にハズレなし。獲物を狙うものと狙われる者との駆け引きや、撃つまでの葛藤、迷い、仕留めたあとのカタルシス。そしてその後に残る虚しさなど人間ドラマがギュッと凝縮されるスナイパー物は古今の小説、映画でも題材とされる人気のジャンル。 本作も御多分に洩れずスナイパー物の面白さ...

スナイパー物にハズレなし。獲物を狙うものと狙われる者との駆け引きや、撃つまでの葛藤、迷い、仕留めたあとのカタルシス。そしてその後に残る虚しさなど人間ドラマがギュッと凝縮されるスナイパー物は古今の小説、映画でも題材とされる人気のジャンル。 本作も御多分に洩れずスナイパー物の面白さを十分に堪能できる。しかし単なる英雄譚で終わらない。特に後半が凄まじい。彼女、彼女達の戦争は何だったのか、何と戦ったのか、そして忌むべき敵とした一方の物語が語られる事でこの小説の深みが一層増しているように思う。心が揺さぶられる一冊です。

Posted by ブクログ