商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 祥伝社 |
| 発売年月日 | 2024/03/08 |
| JAN | 9784396350406 |
- 書籍
- 文庫
羊は安らかに草を食み
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羊は安らかに草を食み
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商品レビュー
4.3
39件のお客様レビュー
ミステリーというジャンルだけではくくりきれないほど心揺さぶられるお話だった。 特に戦後の満州での生活は想像を絶する過酷さで、現実に戻れないほどの喪失感を味わった。 でも、そんな辛い過去があっても前を向いてたくましく生きてきた2人を、そして友人のために一緒に旅をしてまた自らの生き方...
ミステリーというジャンルだけではくくりきれないほど心揺さぶられるお話だった。 特に戦後の満州での生活は想像を絶する過酷さで、現実に戻れないほどの喪失感を味わった。 でも、そんな辛い過去があっても前を向いてたくましく生きてきた2人を、そして友人のために一緒に旅をしてまた自らの生き方を見つめ直した2人もとても素敵だと思った。
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タイトルの印象もあり、高齢女性3人のゆるやかな旅の話かと思っていたが、序盤から予想を大きく裏切られた。 認知症になったまあちゃんの過去を探しながら旅する3人の現代と、まあちゃんが満州から引き上げ日本に戻るまでの壮絶な過去を行き来しながら展開されるが、後半に行くに従い徐々に現代の認...
タイトルの印象もあり、高齢女性3人のゆるやかな旅の話かと思っていたが、序盤から予想を大きく裏切られた。 認知症になったまあちゃんの過去を探しながら旅する3人の現代と、まあちゃんが満州から引き上げ日本に戻るまでの壮絶な過去を行き来しながら展開されるが、後半に行くに従い徐々に現代の認知症のまあちゃんと過去の11歳のまあちゃんがリンクしていく、そんな表現の豊かさを感じた。 戦後、満州から日本に引き上げてくる人々の存在は知っていてもここまで壮絶なものとは想像していなかった。まさに筆舌に尽くし難い世界。データ化された情報や教科書の歴史では知り得ない個人の想いがたくさん盛り込まれていて、生きていることが当たり前でない時代があったことを痛感した。 最後はまあちゃん、アイちゃん、富士子ちゃん、カヨちゃんのら幸せを願いながら読んでいた。
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まあさん86歳、アイちゃん80歳、富士ちゃん77歳の3人は長年の俳句仲間。認知症の症状が進行したまあさんが施設に入ることになり、彼女の夫からの頼みで3人はまあさんがかつて過ごした街を巡り、過去を整理する旅へ出る。 満州からの引き揚げ者でありながら自身の過去について多くは語らなかっ...
まあさん86歳、アイちゃん80歳、富士ちゃん77歳の3人は長年の俳句仲間。認知症の症状が進行したまあさんが施設に入ることになり、彼女の夫からの頼みで3人はまあさんがかつて過ごした街を巡り、過去を整理する旅へ出る。 満州からの引き揚げ者でありながら自身の過去について多くは語らなかったまあさんの秘められた過去が、ゆかりの地を巡るうちに少しずつ紐解かれていく。 旅の様子と並行して語られるまあさんが少女時代を過ごした戦時下の満州は飢えが、暴力が、死が、すべての描写が本当に容赦なく過酷で生々しく、あまりの壮絶さに絶句…読みながらここまで心を揺さぶられたのは初めてかもしれない、泣きながら読んだ。 私達が学生時代に授業で習う戦争の歴史、年表の文字の裏には記された文字以上に悲惨な歴史と数え切れない犠牲があるはず。でも私達は『都合よく短縮改変された歴史』しか教育されていない気がする。その歴史の中にまあさんのような子供が、大人が、日本人が、満州人が、罪もなく消えていったたくさんの尊い命があるはずで、その消えていった命の上に今日の私達は立っているのに。 生きること、死ぬこと、そして生き抜くということは綺麗事ばかりではなく時に残酷で、今ある私達の暮らしは尊いものなんだと改めて実感。 戦後80年の節目の今、日本人として読んで良かったと心から思う。
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