商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | エトセトラブックス |
発売年月日 | 2023/10/30 |
JAN | 9784909910196 |
- 書籍
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小山さんノート
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小山さんノート
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商品レビュー
3
17件のお客様レビュー
詩人のようなフレーズが多々でてくる。 資本主義からこぼれ落ちた一人の女性。 性差別を受けながらも、真摯に懸命に生き抜く。
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公園でテント暮らしをしていたホームレスの女性、小山さん。彼女が遺した80冊を超えるノートを、ワークショップのメンバーが8年かけて文字起こしをし、編んだ。ものすごい日記だった。 想像を超えて自分の中に小山さんが息づいていた読書時間だった。貧しくとも自分の精神回復のために読み、思考...
公園でテント暮らしをしていたホームレスの女性、小山さん。彼女が遺した80冊を超えるノートを、ワークショップのメンバーが8年かけて文字起こしをし、編んだ。ものすごい日記だった。 想像を超えて自分の中に小山さんが息づいていた読書時間だった。貧しくとも自分の精神回復のために読み、思考し、書き、喫茶へ行き、時々踊っていた小山さんの力強い声がずっと離れなかった。ふと気を抜くと、涙が溢れた。最後数十ページは、小山さんがそうしたように、喫茶店で読み終えた。 ワークショップメンバーのエッセイも素晴らしかった。 **** 私たちは資本主義の価値観に自分自身を価値づけられ、おどされ続けて、身動きできないような気持ちに落とし込まされがちだ。目に見えて役に立つこと、お金になることをしたらどうかという視線が絶えず注がれ、それをしないのは「わがまま」で、それができなければ落ちこぼれても仕方ないと言わんばかりだ。また、人目を気にすることや、将来のことを考えて現在を犠牲にすることを過剰に求められがちだ。外部から求められるだけでなく、より厄介なのは、私たち自身が「検閲官」を内側に取り込んで、自らを社会で通用し望ましいとされている規範や価値観でがんじがらめにしてしまうことだ。(P269より) **** 小山さんはそんなことはずっと前からわかっていた。なんで小山さんみたいな素敵な女性が家を持てず、お金や物を拾い、テントで生活しなければならなかったのだろう。私なんかよりずっと多くの言葉をもち、感情をコントロールしながら自分を見失わずに、ずっとずっと立派に生きたのに。怒りと寂しさで苦しくなる。 涼しくなったら、この本を買いにエトセトラブックスに行く(今回は図書館で借りた)。誰かと語り合いたくなる本である。多くの人が読むべき本である。
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食べたもの、残金、服装などから「小山さん」を想像する。実際は痩せているのだろう。だが、なぜか想起されるのはふくよかな姿だ。精神をなんとか奮い立たせて想像の翼を広げて生きている小山さんは、なぜかやせぎすではない気がしてならない。 亡くなる直前に、許しを得て彼女の部屋に入ったひとが息...
食べたもの、残金、服装などから「小山さん」を想像する。実際は痩せているのだろう。だが、なぜか想起されるのはふくよかな姿だ。精神をなんとか奮い立たせて想像の翼を広げて生きている小山さんは、なぜかやせぎすではない気がしてならない。 亡くなる直前に、許しを得て彼女の部屋に入ったひとが息をのんだ光景はさぞ美しかっただろうな。 路上生活をしている人が、こんな精神世界を持っていることがある、とこれまで想像すらしてこなかった。感謝。
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