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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 エトセトラブックス
発売年月日 2023/10/30
JAN 9784909910196

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商品レビュー

3.1

16件のお客様レビュー

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2024/08/24

公園でテント暮らしをしていたホームレスの女性、小山さん。彼女が遺した80冊を超えるノートを、ワークショップのメンバーが8年かけて文字起こしをし、編んだ。ものすごい日記だった。 想像を超えて自分の中に小山さんが息づいていた読書時間だった。貧しくとも自分の精神回復のために読み、思考...

公園でテント暮らしをしていたホームレスの女性、小山さん。彼女が遺した80冊を超えるノートを、ワークショップのメンバーが8年かけて文字起こしをし、編んだ。ものすごい日記だった。 想像を超えて自分の中に小山さんが息づいていた読書時間だった。貧しくとも自分の精神回復のために読み、思考し、書き、喫茶へ行き、時々踊っていた小山さんの力強い声がずっと離れなかった。ふと気を抜くと、涙が溢れた。最後数十ページは、小山さんがそうしたように、喫茶店で読み終えた。 ワークショップメンバーのエッセイも素晴らしかった。 **** 私たちは資本主義の価値観に自分自身を価値づけられ、おどされ続けて、身動きできないような気持ちに落とし込まされがちだ。目に見えて役に立つこと、お金になることをしたらどうかという視線が絶えず注がれ、それをしないのは「わがまま」で、それができなければ落ちこぼれても仕方ないと言わんばかりだ。また、人目を気にすることや、将来のことを考えて現在を犠牲にすることを過剰に求められがちだ。外部から求められるだけでなく、より厄介なのは、私たち自身が「検閲官」を内側に取り込んで、自らを社会で通用し望ましいとされている規範や価値観でがんじがらめにしてしまうことだ。(P269より) **** 小山さんはそんなことはずっと前からわかっていた。なんで小山さんみたいな素敵な女性が家を持てず、お金や物を拾い、テントで生活しなければならなかったのだろう。私なんかよりずっと多くの言葉をもち、感情をコントロールしながら自分を見失わずに、ずっとずっと立派に生きたのに。怒りと寂しさで苦しくなる。 涼しくなったら、この本を買いにエトセトラブックスに行く(今回は図書館で借りた)。誰かと語り合いたくなる本である。多くの人が読むべき本である。

Posted by ブクログ

2024/08/01

食べたもの、残金、服装などから「小山さん」を想像する。実際は痩せているのだろう。だが、なぜか想起されるのはふくよかな姿だ。精神をなんとか奮い立たせて想像の翼を広げて生きている小山さんは、なぜかやせぎすではない気がしてならない。 亡くなる直前に、許しを得て彼女の部屋に入ったひとが息...

食べたもの、残金、服装などから「小山さん」を想像する。実際は痩せているのだろう。だが、なぜか想起されるのはふくよかな姿だ。精神をなんとか奮い立たせて想像の翼を広げて生きている小山さんは、なぜかやせぎすではない気がしてならない。 亡くなる直前に、許しを得て彼女の部屋に入ったひとが息をのんだ光景はさぞ美しかっただろうな。 路上生活をしている人が、こんな精神世界を持っていることがある、とこれまで想像すらしてこなかった。感謝。

Posted by ブクログ

2024/06/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ノンフィクションなので救いがない。辛いことがたくさん書いてあって読むのがしんどい。内容もわかりにくいところも多く、ワークショップの方が注釈をつけてくれているのでそれでなんとなくわかる部分もある。精神や感情について書いてある箇所も多く共感や同調する気分にはなれないけれど、それでも読ませる内容になっている。小山さんノートワークショップの登さんは「どこから読んでも良い、簡単に読み進めるのは難しい、この本を持って人の気配のあるところにいって読むと良い」と言う。本当に苦しい日記。でも正直で自分の内面と時間をかけられるだけかけてじっくりと向き合ったまっすぐな日記。 必死に生きている小山さんの日々の様子は、救いがないとわかっていても、何かしら小山さんに光がみえないか、心穏やかになるひと時がないか、読みながらそれを必死に探している自分がいる。光の見えない苦しい日々だけど小山さんは喫茶店でのひと時が唯一心休まる時間だったのだと思う。本を読み、書くことが喜びと何度も書いてある。苦しくなるとなんとか時間とお金を工面して喫茶店に駆け込み自分を必死に取り戻している。小山さんにとっての心の病院みたい。行けば精神状態が戻ると必死に喫茶店で過ごす時間に救いを求める様子が。 都会に紛れていても、家を持たない人ということで浮いてしまうのか、急な他人からの暴力を受けることもかなり多くある。淡々と書いてあるけど、心はどうなっているのだろう。一回一回辛く思っていたらしんどいから、心の柔らかい部分は普段しまっているのかな。他人からの暴力もあれば一緒にテント生活をしているパートナーからの理不尽な暴力や暴言もある。他人からの暴力は淡々と書かれているけど、パートナーの行動に関してはとにかく辟易していることが何度も何度も書いてある内容でわかる。DVからのがれる女性のためのシェルターのようなものに逃げ込めたら良かったのだろうけど、圧倒的な情報弱者だったのかもしれない。それに、小山さんに手を差し伸べた人が行政とのつながりを提案しても頑なに拒否していたし、最初の頃の日記でお兄さんに泣きついている文章があるけれど警察に頼れと拒絶されてしまっていたから、それから他人を頼るのが怖くなってしまったのかな。きっと理路整然と解決策を見つけることが出来る人ならここまで内にこもって何冊も何冊も日々の記録を書いていないと思う。 どうにもできない無力感、ぐっすり眠りたい、少しだけお酒が飲みたい、煙草が吸いたいと毎日が切実。それから何度もフランスに行きたいと願っている。心からの願望だったのだろうな。 辛い辛い人生だなと思う。けれども、その辛い人生を、苦しい日々をもう嫌だと投げ出さずに一歩一歩、一日一日乗り越えて生きていた記録。最後には小山さんが行っていることは宗教的な修行みたいなものかと思ったりもした。薄っぺらい言葉になってしまうけど、小山さんは魂の尊厳というか、知性を持つ人間の尊厳、それをずっと失くさずに生き抜いたのかなと思う。どんなに大変でも精神を自分なりの方法で回復して毎日逃げずに過ごしていたから。そして、この日記は読む人をとにかく考えさせる本だと思う。読書をしながら、小山さんがもっともっと光あるほうに導かれる方法はなかったのか、一人の人間の一生としてこんなに辛くて良いのか、小山さんはどうすればよかったのか、とずっとずっと自問自答しながら考えていた。重いので★は3つで。でも内容を理解したその上で読みたい人に読んでもらうのは良いことだと思った。

Posted by ブクログ

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