商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | KADOKAWA |
| 発売年月日 | 2023/05/31 |
| JAN | 9784041118894 |
- 書籍
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隠居おてだま
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隠居おてだま
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商品レビュー
3.6
34件のお客様レビュー
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目次 ・めでたしの先 ・三つの縁談 ・商売気質 ・櫛の行方 ・のっぺらぼう ・隠居おてだま 季節の移り変わりを愛で、風雅な余生を送るために隠居して隠居家に暮らしていたはずなのに、孫の千代太が次々と拾い物や難問を持ち込んでくるために、近所の人たちの面倒をみつつ新たな商売を始めることになった徳兵衛さんの、その後の話。 相変わらず徳兵衛は頑固で、千代太は優しくて泣き虫で、彼らの周囲では解決しても解決しても問題が手元にやってくる。 さながらおてだまのように。 いろいろな事情から、10歳前後で家族を養っていかなければならない子どもたちを取りまとめて、王子権現の案内商売をする千代太。 千代太を補佐する勘七は、父親が出て行った後に病気で倒れた母と7歳の弟の面倒をみている。 ようやく生活の目処が立った時に、3年ぶりに父親が帰ってきて…。 相棒の瓢吉は、稼ぎをすべて色街に落としてしまう夫に愛想をつかした母が出て行った後、弟と二人なんとか食べてきたのだが、再婚した母が瓢吉と弟も一緒に暮らそうといいに来て…。 おてるは病気で起き上がることもできない母の面倒をみながら、早く組紐職人の修行をしたいと焦っている。 もっと母親に楽をさせてあげたいから。 どの子もけなげでねえ。 大人が自分の事情で手いっぱいのとき、子どもはただ巻き込まれてしまうしかない。 親も苦しいとわかっているから、自分の気持ちは呑み込んでしまう。 江戸時代、両親が離婚した時には、男子は父親が、女子は母親が引き取るのが普通だったのだそうだ。 だから瓢吉は、お母さんと別れて淋しくても、しょうがないと思っている。 でも、幼くてお母さんのことを覚えていない弟のことがうらやましくもあった。 自分は父親を見捨てられないけれど、弟は母と暮らすべきだと言ったとき、「お母ちゃんのことは忘れてしまったから、夢を見てものっぺらぼうなんだ。兄ちゃんのことは忘れたくない。ずっと兄ちゃんのそばにいたい」と泣いた弟を見て、いつも笑っている弟だって、母の記憶がなくて傷ついていた事に気付く。 もちろん私は号泣さ。 ところで、最後に徳兵衛は嶋屋(元の自分の店)と縁を切り、妻と離縁する。 いつも堅苦しく表情に乏しい妻は、直接それに物申しはしなかったのだけど。 彼女の最後の決断が、ちょっとうらやましい。 江戸時代の地図で確認したけど、白山と巣鴨は割と近いし中山道の一本道なのね。 スープは冷めるかもしれないけれど、いい距離感だしね。 いいなあ。
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「秋葉原足止め交番幽霊付き」のネタバレも含みます。 終わりは、さらりとしていて、突然終わったように感じた。そのまだ続くような終わりも良いのだけど。くどいハッピーエンドも読みたかったなと感じる。前作と同様、ずっと読んでいたいと思える幸せで懐かしい読書体験を味わった。キャラクターがほぼ出来上がっている続き物の良さというものもある。 「秋葉原足止め交番幽霊付き」でも思ったが、西條奈加先生は、登場人物にとって酷いことでも起きたことは起きたとはっきり書く。基本的にはハッピーエンドでも、完全無欠のハッピーエンドにしない。「~幽霊付き」では主人公を生き霊みたいにすることもできたと思うがしなかった。最悪の一歩手前の幸せを書くけれど、安易には救わない気がする。 今回、勘七の父親が、はるの母親と何もなかった、と描くこともできたと思うがそうはしなかった。だから、許せるかどうか、それに真実味が出てくるし、人間らしいリアルさも残るのだと思う。 お楽があのまま芝居を続けて、うまい具合にばれるけどまた源兵衛が鷹揚な心でそれを許して一件落着の筋書きで、大抵の読者は満足するだろうが、一部の清廉な気持ちを期待していた人からは不満が出たかもしれない。だから、芝居は最悪の形で露見したように思う。でも最後、お楽が自分を殺しても、添い遂げることを選んだことは、そこに大きな覚悟だったり、成長を見ることができる。キャラクターの成長や美しさを見ることが、我々一般人の力となると思う。 源兵衛が再び一人となり、これまで乗せられるようにして、すいすいと進んできたことを振り返り、自分がやってきたこと、得てきたものを再度見直すのは、彼にとって必要なことで、もしかしたらこれからも源兵衛のことを書いていくとして必要なことだったような気がしてくる。源兵衛は過去を清算してはいない。自分の感情で、周囲に影響を与える性格は治ってはいない。それがたまたまうまくいっていただけのことで、刃となって人を傷つけることを自覚していく必要があるだろう。そして、夫婦の問題だ。源兵衛とお登勢はいろんな問題がありつつ、今良いような形になってきていた。それは物語の力が大きい。それを再び、それぞれが不器用に人と人として再構築しようとしているところで、物語が終わった。 描く機会があれば、また描かれるだろうし、この後を想像することもできるだろう。 すごろくの上がりの絵は、前回見せてもらっている。生き生きとしたキャラクターは我々の脳裏に焼き付いている。そこまでのマスをあれこれ想像することは、我々読者でもできるかもしれない。
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困り事を目にしては放って置けない優しい孫と要らぬ面倒はご免の祖父。いつの間にやら孫のペースに乗せられて、気付けば世のため人のためと奔走する日々。思い描いた隠居生活はどこへやら。挙句、身を引いたはずの商売っ気が顔を覗かせる始末。前作一話完結と思っていたらなんと続編。ありし日の徳兵衛...
困り事を目にしては放って置けない優しい孫と要らぬ面倒はご免の祖父。いつの間にやら孫のペースに乗せられて、気付けば世のため人のためと奔走する日々。思い描いた隠居生活はどこへやら。挙句、身を引いたはずの商売っ気が顔を覗かせる始末。前作一話完結と思っていたらなんと続編。ありし日の徳兵衛さんの奮闘が綴られる。 前作ともに江戸下町の空気を吸っているかのよな臨場感ある作品。暮らしは貧しくともその中で生き抜く強さと心情的な豊かさを感じ、読んでいて心地良い。
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